出来損ない

相談者名
ひよこ
自分はだめな人間で、他の人みたいに価値がない。
出来損ないです。
まわりはみんな眩しすぎます。
私の人生は失敗だったと思っています。
何の役にも立たない、人が普通にできることができない、こんな自分は何で生まれてきてしまったんだろうと思います。
気にかけてくれる人にも、本当の気持ちは言えません。
本当のことを言ったらきっとみんな去っていく気がするのです。
いろんな人に迷惑をかける自分が心底嫌いです。
自分がこの世で1番嫌いです。
出来損ないの私は、ここにいる意味がないのだと思ってしまいます。
こんな思いをしながら生きるのに疲れました。
カウンセラー
近藤あきとし
ひよこさん はじめまして。
カウンセラーの近藤あきとしと申します。
どうぞよろしくお願いいたします。

“自分には生きる価値がない”
そんな思いが心を渦巻いていて、
“こんな感情にさらされて生き続けるなんてもうこれ以上は耐えられない。”

そんな気持ちが伝わってくる気がします。

でも、それらは心の表面で感じていることで、
じつはその奥には別の感情があるように私には感じられました。

それは
「誰かに対するごめんなさいという感情」
ではないかという気がします。

もしかしたら、ひよこさんには、助けたかった誰か、
役に立ちたかった誰か、愛したかった誰かがいたけれど、
思い通りにしてあげられなかったことが、あったりはしませんでしたか?

そんな時、私たちは申し訳ない気持ちで一杯になり、
自分が一番悪いと感じたり、酷く自分を責めたり、
もう誰にも迷惑をかけないように孤独になろうとしたり、
周りからの優しさを受け取れなくなったりします。

ひよこさんのメールに書いてあるような感情は無価値感と
言われるものです。

無価値感があると、心の中では周りへの責める気持ちが
出てくる言われています。

それに対して、「誰かに対するごめんなさいという感情」
(罪悪感と言います)は、自分自身を責める気持ちが
出てくると言われています。

ひよこさんはどちらの感情を感じていると思われるでしょうか?

私がメールを読ませていただいて感じたのは、後者のほうという気がしました。

どうしてそう思ったかと言うと、ひよこさんのご相談の文面には
いっさい周りを責める言葉が無かったからです。

> いろんな人に迷惑をかける自分が心底嫌いです。
> 自分がこの世で1番嫌いです。

自分以外の誰も責めていないんですよね。
もしかしたら、自分以外の誰も傷つけたくないし
誰にも傷ついてほしくない。そんな想いもあるかもしれないですね。

逆から考えると、ひよこさんは本来どうしたい人なのかが分かります。

それは、周りのいろんな人たちの役に立てるように自分を最大に活かしたい、
そしてみんなの喜ぶ顔が見たいと思っている人。なんだろうと思いました。

ただ、ひょっとすると誰かの役に立てなかったときに
大きく傷ついたことがあったとしたら、それが大好きな人だったら、
ひよこさんにとって、それは“私には愛される価値がない”と
感じてしまうくらいの大きな痛みだったかもしれません。

ひよこさんは本当に誰かにとっての必要な人でありたかったのでは
ないでしょうか?

仮にそうだったとして、もし今の状態から抜け出したいと思われるなら、
ひよこさんに求められているのは、その誰かへの罪悪感を癒していくこと。
自分を責めることをもう止めようと自分で決めること、になるでしょう。

どうしたらいいか?を考えてしまうかもしれませんが、
まずは上に書いたことをやると決めることがスタートになります。
そのうえで、一緒に進んでいける信頼できる人を見つけてくださいね。

> 本当のことを言ったらきっとみんな去っていく気がするのです。
> いろんな人に迷惑をかける自分が心底嫌いです。

最後にひとつお伝えしたいのですが、ひよこさんが胸の奥で感じた本心、
お腹の底に湧き出る本音というのは、表現しても誰にも迷惑はかかりませんし、
誰も傷つけないですよ。もちろんひよこさん自身も。

本当のことが言えないときというのは、
相手のことを考えすぎていろんな感情や過去の痛みが邪魔をして
本心を見えにくくしていたりするんです。
もしかしたら、ひよこさんが今感じている本当のことと
心の中心にある本当のことは少し違うかもしれませんね。

何とかしたい!と思ったら、どうぞ私たちを頼ってください。
ひよこさんが生きる意味なんて考える暇もないくらい
充実した人生を送れるようにお手伝いしますからね。

今回はご相談ありがとうございました。

近藤あきとし

この記事を書いたカウンセラー

About Author

超自立男性との恋愛・コミュニケーションに関わるお悩み・慢性的な生きづらさの解消などを得意とする。 理論的な“心理分析”と、感覚を使った“心理セラピー”を活用する多面的なサポートが好評。 問題の裏に隠れた「真実の物語」を読み解き「自分の本質を生きる」ことを目指すカウンセリングを提供している。