家族みたいな・・・

相談者名
suke
こんにちは、私は26歳の男です。付き合って1年2ヶ月の21歳の彼女がいます。先日、彼女から「性行為をしたくない」と言われてしまいました。実は、2ヶ月前にも「性交痛がある」と言われたため、性交は行わずABCでいう所のBの段階までを週に1度する程度に控えていました。
その時に話を聞いてみると性交痛の原因として「寝る時間」「明日の予定」「シーツが汚れないか」などが気にかかり集中できないとの事だったので、なるべくその不安材料を取り除いて(夜遅くにはしない、シーツの上にタオルを敷くなど)いたのですが、先日はそれとは違う理由が出てきました。
彼女は半年ほど前から、「好きって何だろう?」「付き合うって何だろう?」と考えるようになり自分でも分からなくなったらしく、私との関係自体も「このままでいいのか」と思うようになったらしいのです(もしかしたら性交痛の本当の理由はこちらだったのかもしれません)。私の事をどう思っているか尋ねたら、「好き…だと思うけど家族的な好きに近い」と話してくれました。(彼女は家族と仲が良い)私は彼女の本音を聞けて「家族のように思っている私から性行為を要求されてもそりゃ嫌だろう」と納得できた半面、「会っても別にドキドキしない、ときめかない」という彼女が、また私の事を恋人として意識してくれるのか不安になってしまいました。
今、彼女は「自分には性行為自体、必要ない」と思っておりキスやハグ、手をつなぐ事も彼女からすることは無くなりました。「こんな私だから人とは付き合えない」と思わせるまで我慢させてしまっていたのかと思うと自分が情けなくなり、彼女には「自分から触れ合いたいと思うまで待つ、だから自分を責めないで欲しい」と伝えました。彼女は「それは私があまりにワガママ過ぎる」と言っていましたが、「これからはもう我慢しなくていい、自然体で付き合おう」と話をして納得してもらいました。長くなりましたが…、・家族的な好きという形から、また「愛しい、恋しい」と思えるような恋人の関係に戻る事は可能でしょうか?・性行為自体を嫌がっている彼女とセックスレスを解消できるでしょうか?・私の彼女への思いで「私はワガママだ」と結局、彼女の重荷になるような事にならないか?・そもそも彼女は私の事を好きなのか?という所が自分でも分からず、とても不安です。アドバイスをお願いいたします。
カウンセラー
山下ちなみ
Sukeさん、ご相談ありがとうございます。

おつらいですよね。
セックスに関する問題は、メンタル面の影響が大きいといいます。
また、彼女もsukeさんに対して誠実であろうとしている姿から、決してsukeさんのことをないがしろにしているわけでもなく、それだけに実際のところ彼女の気持ちはどうなのかと思うと、sukeさんも苦しいところではないでしょうか。
そんな中で、彼女のことを思い、こうしてご相談してくださったことに、sukeさんの強さを感じます。
勇気を出してのご相談、ありがとうございます。

ところで、パートナーシップは、双方の同意がないと成り立ちませんよね。
そして、セックスもひとりでするものではなく、二人でするもの、ですよね。
セックスは、二人の間にある架け橋であるコミュニケーションの一形態を「セックス」と呼んでいるに過ぎません。
つまり、セックスレスの問題は、片方が拒絶していたとしても、「二人の問題」なのですね。

言い換えれば、sukeさんがひとりで背負う必要もなければ、彼女が一方的に悪いと言うわけでもありません。
そして、私からのお願いなのですが、これは二人の間の問題であり、二人で取り組んでいくという意識を、まずはsukeさん自身が持って欲しいんです。
「二人の」という意識を持てたとき、この「問題」と思われるような出来事も、二人の絆を作っていく愛の行為(ちょっとクサイですが)になっていくんですよね。
これを乗り越えたとき、これが二人の絆になってくれます。

それに、二人の絆を深めるためにやっていくと考えてみると、少し、気持ちが楽になると思いませんか?
それどころか、モチベーションも上がるかもしれませんよね。
そして、あなたに出来ることはたくさんある、そのことを意識できるのです。

二人の問題として取り組むということは、sukeさんが取り組んでみても、彼女がするかどうかは彼女の選択ということになります。
それは、sukeさんがひとりでがんばるということではなく、一方が前に進もうと決めたとき、相手も前に進まざるをえなくなります。
結果、二人の関係をより深めていくのか、それとも違う道を選択するのかは分かりませんが、何らかの形で前に進むということです。

彼女があなたのことを「本当に好きかどうか」ということについてですが、私たちの中に、セックス神話」のようなものがあるのかもしれません。
好きならばセックスしたくなって当たり前、だからセックスしたいと思わないということは、好きではないのではないか?、と思ってしまうんですよね。

しかし、セックスは心理学的に見ると、「自己嫌悪」のシンボルなんです。
つまり、セックスしたくない気持ちの裏には自己嫌悪が絡んでいることが少なくないんですよね。
ちなみに、シーツが汚れる、明日のことが、と言う彼女の発言も、「自分は汚いものではないか」「だらしないのではないか」というように「自分はよくないもの(自己嫌悪)」から来ていると思われます。

ということは、セックスしたくない=sukeさんが好きではないではなく、セックスしたくない=自分が好きではない、ということなんです。
確かに、好きならばセックスしたいという気持ちになるのは自然なことかもしれませんが、セックスしたくないことがそのまま相手を嫌いということには繋がらないということなんです。

また、セックスレスのカップルのほとんどが、「家族同様の愛情」を相手に感じるとおっしゃいます。
しかし、これも潜在的に見ていくと、自分が女性(もしくは男性)であることに対する嫌悪感(これも自己嫌悪の一種ですね)から、女性的な気持ちをブロックしてしまい、このような気持ちになることも少なくないのです。
これらは潜在的なものなので、本人は意識しないことも多いのですね。
だからこそ、「分からない」というのが彼女の本音だと思います。

また、セックスというのは、自分のすべてを相手にさらけることでもありますよね。
一番無防備な部分を見せる、一番恥ずかしい部分を愛してもらうことでもあります。
自己嫌悪があると、誰でも嫌な部分は隠したいと思いますから、無防備になりたくない、好きな人ほど距離を取りたくなる(自分の嫌な部分がバレてしまうから)、という心理が出てきます。

パートナーはお互い、同じ感情を感じています。
ところが、バランスの法則といい、一方が感情を感じることを抑圧すると相手が2倍感じるのです。
ですからsukeさんはご自分の自己嫌悪と向かい合い、その部分を癒したり愛することを意識するといいかもしれませんね。
それが出来た度合いだけ、彼女の自己嫌悪もいつくしんであげられるようになりますよ。

また、セックスは潜在的に、男女関係のかけひきや相手をコントロールすることに使われたりします。
かけひきやコントロールの下にあるものは、「競争」です。
これは潜在的な部分での競争であることも多く、普段は意識していないこともあります。
二人のうち、いつもどちらかが主導権をもっていたということはないでしょうか。
喧嘩したときに、謝るひとが決まっている、言いくるめられるひとが決まっている、などはないでしょうか。
どちらに主導権があったかは関係なく、その関係性が一方に「膠着していた」ことに問題があります。

また、男性社会の日本では、男性はあまり意識しないと思いますが、深いところで女性は男性に負けたという意識を持っているがゆえに、セックスで奴隷のようになりたくないという恐れを強く感じることがあります(もちろん誤解ですよ)。
負けに負けでは、あまりに惨めすぎると感じるからです。
それがセックスをコントロールすることに繋がったりします。
この場合は、二人の間にある競争を見ていく必要があります。

また、女性がセックスを恐れる理由として、子供ができてしまうことへの不安もありますね。
これは意外と多く、避妊してと女性からは言いにくかったり、避妊に対する知識が不足していたりすると不安が強くなるようです。
この場合は、男性が避妊に対してしっかりと意識を持っていると分かると安心することが多いようです。
(ちなみに、「責任とるよ」という言葉だけでは、21歳の女性からしたら無責任に聞こえてしまうことも少なくありません)

そして、セックスは、コミュニケーションの最上級と言われています。
ということは、普段のさまざまなコミュニケーションの延長線上にあるんですね。
なので、まずは普段のコミュニケーションを、充実させることから始めてみるといいでしょう。

コミュニケーションの目的は、相互理解であり、親密感やつながりをもたらすことです。
問題解決のためそのものよりも、お互いがハート面でのつながりを持っていくことに意識を持ってくださいね。
また、sukeさんが普段、どんなことにどんな風に感じているのかをコミュニケーションすると、相手はsukeさんのことを理解しやすくなりますよね。
感動したことや、楽しかったことを、感情の言葉(楽しい、嬉しいなど)を使って表現すると、抵抗なくつながりを感じられやすいようです。

セックスレスについては、今まで述べたように、いろんな側面から見ることができます。
Sukeさんがしっくり来るものから取り組んでみてくださいね。
いずれの側面から見ても、ベースになるのはコミュニケーションです。
自分だけを見るのではなく、相手ばかりに目を向けるのでもなく、常に二人の間にあるものを見て、コミュニケーションを充実させていくことを意識してみてくださいね。

いずれにしても、二人だけで解決しようとせず、今回ご相談いただいたように、専門家も頼ってみることをお勧めします。
セックスの問題は、潜在意識・無意識レベルに抑圧されていることが多く、本人の成熟度合いによっても理解や自覚が異なり、取り組み方が違ってきます。
メールだけでは難しい部分があるのです。

でも、あなたと彼女はお互いにパートナーがいるという強みがあります。
当然かもしれませんが、パートナーシップを持っているほうが乗り越えやすいのです。
つながりを取り戻していくことができれば、ご質問にあったように、彼女が自分をワガママと責めることもなくなり、恋人の関係に戻ることも、セックスをすることも、十分可能性はあると思いますよ。

ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

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