夫の生い立ちによる人間性

相談者名
ようたん
主人の事です。在日3世として産まれ三ヶ月にして母親に捨てられ実父の愛人(後妻になる)に腹違いの同級生の兄と育つ。その後小学校入学前に後妻が家を出る際、実の母では無いと告白され置いて行かれる。子供心に「やっぱりな」と思う。精神的虐待を後妻から受けていた様子。その後数年祖母に育てられたものの高学年に実母の元にやられ、母の恋人と同居。そして中学3年で非行に走った事を期に祖母の元へつき返される。祖母の元で高校入学をしたが一年で中退。その後建築職人を続けながら一人で生活を続け今現在33歳。私が見る主人は他人の事を考える事がまったく無く自己中心的で、夫婦間の喧嘩の話合いはもとより自分に都合の悪い話合いや都合の悪い場からすぐ逃げる癖があります。仕事で行き詰ると酒びたりの日々。他人に切られるならこちらから人間関係を切ってしまえ!という困った性格です。話合い本音を打ち明け合ってこそお互いの考えが始めて理解しあい歩み寄れる、そう思っている私にはその機会から逃げる弱い主人に対しどう接していいのかわかりません。幼い頃から家庭の温かさを知らずに回りの身内からも一線を引かれて育った為か、相手を信用する事を知らず関係が壊れそうになるものなら自分からわざと壊す。人に対しての恩は忘れても自分がしてやった恩はけして忘れず恩を押し付ける。何事も自分が悪いのかと思い返す反省する部分が無く必ず人のせいにする為成長しない。一度メンタルクリニックにでも行って貰いたいと思うのですが、こういった幼少の頃の愛情不足や傷がカウンセリングによって多少なりとも直るものなのでしょうか。
カウンセラー
清水三季央
ようたんさん、はじめまして。カウンセラーの清水三季央です。
ご相談をありがとうございます。

複雑な環境でお育ちになったご主人にについてのご相談ですね。文章を読ませていただきま
して、ご主人をなんとかサポートしようと、ようたんさんが今までとりくんでこられたご苦
労が伝わってくる気がしました。

>主人は他人の事を考える事がまったく無く自己中心的で、夫婦間の喧嘩の話合いはもとよ
>り自分に都合の悪い話合いや都合の悪い場からすぐ逃げる癖があります。仕事で行き詰る
>と酒びたりの日々。他人に切られるならこちらから人間関係を切ってしまえ!という困っ
>た性格です。

ご主人のような状態の場合、家庭の悪環境から、心が極端に傷ついてしまい、その傷に心理
的にふれたり、省みることすらできず、その傷の部分を抑圧して感じないようにしてしまっ
ていると思われますから、感情を感じない無感覚な部分が多くなってしまうんですね。

そうすると感情に鈍感になってしまったり、極端に抵抗感が強くなってしまい、内面的なこ
とについて、おちついて認識することも難しく、当然ながら、内面的なことについてコミュ
ニケーションすることも難しくなってしまいます。

ようたんさんも理解していらっしゃるように、ご主人も、こうでもしなければ、やってこれ
なかったのだと思います。

>話合い本音を打ち明け合ってこそお互いの考えが始めて理解しあい歩み寄れる、そう
>思っている私にはその機会から逃げる弱い主人に対しどう接していいのかわかりません。

そうですね、本音をわかちあって、お互いに理解できる関係にありたいと願う気持ちは、す
ごくよくわかります。これは、ご主人のような極端な場合だけでなく、一般的に男性は感情
を抑圧する度合いが女性よりも強いですから、男性全般に共通して言えることでもあるんで
すね。つまり、残念ながら、ようたんさんの苦しみは度合いこそ違うでしょうが女性全般に
多くある悩みのひとつなんです。

ご主人もどうしても、自分の弱い部分の感情に向き合うことに恐怖心をもってしまっている
のでしょう。

>一度メンタルクリニックにでも行って貰いたいと思うのですが、こういった幼少の頃の愛
>情不足や傷がカウンセリングによって多少なりとも直るものなのでしょうか。

カウンセリングによって改善するには、ご主人がカウンセリングを受けて改善しようという意思があることが望ましいんですね。

文章から、推測しますと、ようたんさんが、すでにご主人のサポートをし続け、疲れきってしまっている様子が伺えますから、ご主人のためにも、まず、ようたんさんが本来のゆとり
ある心の状態をとりもどすために、カウンセリングを利用してみてはいかがかと思います。

また、ようたんさんを基準にすると、ようたんさんの男性との関わりのパターンの問題だと
とらえることができますから、ようたんさんの心の基本的なパターンができあがる時期、つ
まり子ども時代の家族の人間関係の中で、一般的にはとくに父親との関係に目を向けるとい
うアプローチができます。

さらに、ご夫婦や恋愛関係にある場合、心の奥に抑圧した、心の一部が、相手の心の状態に
現れていると考えることができるんですね。

つまり、心の奥にしまいこんだ、ようたんさんの心の一部が、ご主人の心の状態に現れてい
ると考えることができるんです。これはシャドーといいまして、まさか自分の心の一部にそ
んな部分があるとは思えない、といった場合が多くあるんです。

この場合は、ようたんさんの心の奥にある、その心の一部に気づき、感情として、受け入
れ、癒すことで、ご主人に影響を与えることができます。

相手を変えたいとき、まず自分が変わるとよいといわれるのは、そんな原理が働いているからでもあるんですね。

このように、いろんな見方やアプローチがありますが、どちらにしましても、まず、ご主人を
どうにかしてあげたいという気持ちを、少し脇に置いていただいて、ようたんさんの気持ちを
楽にしていくことを意識していただくことが今は大切なのではないかと思います。

清水三季央

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛・夫婦などの男女関係、家族の問題、アダルトチャイルド、仕事や対人関係、メンタルヘルスなど幅広いジャンルでカウンセリングとセラピー(イメージ療法とコラージュ療法)を行う。約2万件以上の臨床実績と、高等学校教諭一種免許・産業カウンセラー・国家資格キャリアコンサルタントの資格を持つ。