夫がすぐキレて、話し合いができません

相談者名
匿名希望
学生時代から10年近く付き合い、結婚して4年がたち、今年、子どもを授かりました。もともと私もキツイ性格で、しょっちゅうケンカしていたのですが、夫が結婚してから、特に子どもができてからというもの、ケンカの際、激しくキレるようになり、そうなると手がつけられなくなるのです。汚ない言葉で罵り、物を投げたり、こわしたり、大声で叫んだり。子どもの前でも叫ぶので、やめてくれといっても自分を抑制できません。そこまで怒らせてしまう私も悪いのですが、いつも、ケンカを売ってくるような感じなのです。慣れない育児で睡眠不足の中、家事も、掃除、洗濯、食事とできる範囲で頑張っているつもりですが、いつも、何もできないくせに、と言われます。頑張っているときに、そう言われるのはとても辛く、そういうことは言わないで、とケンカになりますが、実際そうだろうが!と何度も言ってきます。そして、どんなに夫が原因のケンカでも、絶対に謝りません。そんなに俺を怒らせたお前が悪いと、すべてが私のせいになります。
夫に何か指摘や意見しようとすると、すぐキレて話し合いもできません。とにかく私に何か言われるのが気にさわるようです。
普段は子どもにもすごく優しいのですが、ひとたびケンカになりキレると、子どもの前でも、自制できず、あんなにひょう変する夫が怖いし、それを辞めてといっても話し合いできず、どうすればいいのでしょうか。
カウンセラー
大門昌代
匿名希望さん、はじめまして。
今回担当させていただきます大門と申します。
どうぞよろしくお願い致します。

なんだか、ご主人が子供返りしてしまったような感じですね。
子育てに大変なときですし、ご主人の協力もたくさん必要なときなだけに、つらい想いをされているのではないでしょうか。

汚ない言葉で罵る。
物を投げる。
物をこわす。
大声で叫ぶ。

申し訳ありませんが、まさにザ子供と言う感じになってしまっていますね。

汚い言葉を発したり、物を投げたり壊したり、大声で叫んだとしたら、「あなた大人でしょ」とも言いたくなりますね。
そのやり方を変えて欲しいとも思いますし、大人なんだからきちんと話して欲しいとも思ってしまいます。
それは、とても当然のことだと感じます。

でも、今回は、どうすればよいかというご相談ですので、少し違った角度から、ご主人をみてみてはいかがでしょうか。

汚い言葉を発する、物を投げたり壊したりする、大声で叫ぶにも理由があります。
もちろん、理由があるからやってもよいということではありませんよ。

言葉できちんと伝えることができれば、物を投げる必要はありませんし、自分の言葉を聞いてもらえると思えば、大声で叫ぶ必要もありません。
また、大声で叫ぶときというのは、相手を威嚇していると捉えることもできます。
威嚇するのは、相手を怖れているときですよね。

汚い言葉というのは、一種の攻撃です。
攻撃しなければいけない状況というのは、自分が責められるのではないか?と思っていたり、自分は否定されるのではないか?と思っていたりします。
また、自分自身を否定している分だけ、攻撃する言葉は強くなってしまいます。

こういう角度から見てみると、どうやらご主人は相当、自信がなく、とても自分自身を嫌いなようです。
奥様に愛される自信というのも、ないのかもしれませんね。

「何もできないくせに!」という言葉を、家事や育児を頑張っている奥様に対して発するようですね。
この言葉は、まにうけないで下さいね。
人は、自分が言われて一番嫌な言葉で、相手を攻撃します。
つまり、「何もできない」と思っているのは、ご主人自身であり、そのことを指摘されるのが、一番嫌だということです。

ご主人が原因のケンカであっても、ご主人は絶対に謝らないということですが、おそらく絶対に謝らないでしょうね。
なぜなら、謝るということは、「俺が悪かった」「俺が間違っていた」ということを、認めることになるからです。
元々、自信がなく、自分を否定している部分が多いご主人ですので、そのうえ謝るとなると、もう立っていられなくなるぐらいにダメージが強くなってしまうのです。

ですから、意地でも、「俺は悪くない」という態度をとるのだろうと思います。

さて、どうしていけばよいかですよね。

お子さんが生まれて間もない上に、ご主人にまで、子供返りされてしまうと、ほとほと疲れてしまいます。

でも、だからこそ、ここでひと踏ん張りしてみてはいかがでしょうか。

ご主人は、とにかく自分というものに、自信がないようで、否定されるようなことは、耐えられないようです。
ですので、悪い部分を否定するのではなく、奥様からみて、素晴らしいと思う点や、ありがとうと思えるような点を、ご主人に伝え続けてみて下さい。

頑張れば、一人で家事や育児も可能なのかもしれませんが、ご主人が手伝ってくれると、助かりますよね。
ご主人が色々なことに協力的になってもらうには、自信をつけてもらうしかありません。

だとしたら、ご主人の価値を、奥様が認めてあげることが、ご主人が自信をつける一番の近道ではないかと思うのです。

ケンカを売ってくるようですので、おそらく奥様を怒らせるようなこと、奥様を否定したりするのだろうと思います。
そのケンカ、絶対に買わないで下さい。

「この人は、私に興味を持ってもらいたいだけなんだな」そう思ってみて下さい。

奥様に興味を持ってもらい、認めてもらいたいとご主人は、思っているようです。
でも、そのことは、自分でも意識していないでしょうし、うまく言葉にすることもできないようです。

売り言葉に買い言葉では、ケンカに終わりはありません。
ご主人に非を認めさせることだけが、家庭の平和ではありません。
夫婦二人が、お互いの価値を認め合うことが平和への近道です。

お子さんがいらっしゃって、大変なときかと思いますが、「私はよく頑張っている」ということを、まずは奥様自身が認めて、その上で、「ああ、この人は自分に自信がないのだな」という目でご主人をみてみてください。

ご主人が、豹変するのは、とても怖いと思います。
でも、お子さんに優しく接しているのも、ご主人ですし、「俺を認めてくれ」と、子供のように大暴れするのもまたご主人です。
奥様が「怖い」と感じているということは、ご夫婦ですので、ご主人も何かを怖がっているのです。
怖がり屋さんなんだと思ってみて下さいね。

とは言っても、万が一、奥様やお子さんに危害が加えられるようなことがあれば、その時は迷わず、身の安全を考えて下さいね。

この度は、ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や結婚、浮気や離婚など男女関係、対人関係やビジネス関係、家族関係や子育て、子供の反抗期、子離れ、親離れ問題など幅広いジャンルを得意とし、お客様からの支持が厚い。 女性ならではの視点と優しさ、母としての厳しさと懐の深さのあるカウンセリングが好評である。PHP研究所より3冊出版。