人生観の違いについて

相談者名
ひまわり
よろしくお願いします。
結婚6年目の夫婦です。家族は私39歳、嫁35歳、娘4歳です。現在は私の実家のそばに2年前から新築移住しております。嫁の実家は飛行機で1時間ほど離れた他県にあり、嫁の実家は裕福で、嫁は大学卒業以来、家業の手伝い(事務職)をしておりました。嫁は二人姉妹の末っ子で、姉は海外で家庭を築いています。
嫁の生まれ育った地域で出会ったわけですが、結婚以前より、私は仕事上のキャリア形成(特殊な専門職です)や両親の体調不良を含めて将来的に私の実家のそばに移住することを伝えていました。そういった生活環境の変化はあると織り込んだ上での結婚でした。当時、嫁は「私はおまけ(家業にとって)みたいなものだから、どこに行ってもかまわない」と言っており、新築の計画をしているあたりは難色を示したものの、それでも受け入れて現実に移住することになりました。しかし、移住当初から2年弱経つ現在でも、ちょっとした生活上の不満があれば、「もう帰る」「ここは住みにくくてしょうがない」「いつ帰るのか」、挙句に「私の人生は家業にあるので永くいるつもりはない」と訴え続けており、最近は口癖になったためか、判断なんてできない娘にまで「住みにくい」と言われショックを受けました。私は嫁に予定外の苦労をかけていると思い精神的に参ってきている次第です。私の両親とは、特に問題なく接しています。娘の習い事等の付き合いから、地域の知人も増えてきているようですが、現在の生活環境はあくまで仮の住処のように捉えているようです。
嫁は母親との信頼関係が非常に強いため、母親の意見を優先して物事を判断します。生まれてから、ほとんどのことを与えられてきた人生であることは嫁自身も認めていることであり、当然の事とは思いますが、家庭を持っても自立した考えを持つ様子は見られません。
私は結婚以来、特に子供が生まれてからは母親しかできない育児を除き、仕事を顧みず家庭を支えてきました。しかし、嫁の態度からは「家業を支え、支えられていたい」としか読み取れず、たとえ嫁の住む地域に戻ったとしても、嫁の家業に依存した結婚生活に耐えられそうにありません。今後、嫁が生活環境に慣れるのを気長に待つか、もしくは別れて住んだ方が良いかなど、何か穏やかに家庭を築ける方法を教えて頂きたいです。
カウンセラー
三枝みき
ひまわりさん、こんにちは、初めまして。
今回、ひまわりさんのご相談を担当させていただきます、三枝みきと申します。
どうぞよろしくお願いいたします。

ひまわりさんは奥様とのご関係について、悩んでいらっしゃるのですね。
偶然かもしれませんが、私はひまわりさんの奥様と同じ立場で、結婚後一年半くらいから、夫の両親と同居し始め、今年で26年になります。
結婚は紙の上では個人同士の結びつきですが、実際はお互いの親や兄弟、育った家や土地柄などもいろいろ影響してくるものですよね。
私自身も結婚当初や数年前までのことを思い出すと、結婚はしていても精神的には親離れや自立が出来ていず、随分と夫に迷惑をかけてしまったなあと思うことがあります。

もちろんかつての私のように、成人したから、子供を持ったからといって、必ずしも精神的に成熟した大人になれているとは限りませんが、ご夫婦がお互い向き合っていくことで成長したり、関係性をよりよいものに変えていけることもたくさんあります。
ですから、これからご一緒に、どうしたらひまわりさんとご家族が楽しく、幸せに暮らしていけるかを一緒に考えていきましょうね。

まず、私が気になったのは奥様とお母様やご実家との繋がりです。

>嫁は母親との信頼関係が非常に強いため、母親の意見を優先して物事を判断します。生まれてから、ほとんどのことを与えられてきた人生であることは嫁自身も認めていることであり、当然の事とは思いますが、家庭を持っても自立した考えを持つ様子は見られません。
>ちょっとした生活上の不満があれば、「もう帰る」「ここは住みにくくてしょうがない」「いつ帰るのか」、挙句に「私の人生は家業にあるので永くいるつもりはない」と訴え続けており、

たしかにひまわりさんが書いておられるように、奥様は心の中では家業やご実家、お母様にまだ大きく依存されていらっしゃるような感じですね。
何か嫌なことや面白くないことがあるたびに、奥様から「もう帰る」などと言われるのは、ひまわりさんとしてはとても不愉快でしょうし、不本意だと思います。
とくに、ひまわりさんは結婚以来、また特にお子さんが生まれてからは、育児以外を仕事を顧みず支えて来られたとのこと、それだけ頑張っていらっしゃるのにを認めてもらえず、不平不満をぶつけられるのは不本意としか言いようがないですよね。

私もかつてはひまわりさんの奥様と同じような状態だったのでわかるのですが、奥様はご実家やお母様と癒着があり、まだ本当の意味では自立されていないように、私には感じられます。
癒着というのは、体は別々でも心が引っ付いてしまっているような感じ、といえばわかりますでしょうか?
ですからひまわりさんは、奥様個人と結婚したつもりだったのに、実家ごと奥様と結婚してしまったように感じられるのではないかと思います。
なにをするにも実家やお姑さんがついてくる、というのは普通はうんざりしますよね。

では、癒着のある当の奥様ご自身はどうなのかといえば、ご本人が自覚できているかどうかは別として、たぶんうんざり感や怒りなどの感情はどこかにお持ちだと思います。
でも「依存」している状態、というのはある意味、楽ですし、とても居心地がいいものです。
「親に何でも決めてもらって、何でもやってもらえる、いつも守ってもらえる助けてもらえる。決めたのは親なんだから、何かあっても責任を取るのは親、子供は文句を言ってるだけでなにもしなくてもいい」こんな感じでしょうか?
読んでいて、気分が悪くなってきそうですね。

また、奥様のお母様はどうかといえば、奥様のお母様にも奥様との癒着を必要とする理由があるはずです。
私たち人間がしていることには、必ずどこかにメリットがあるんですね。
そして双方にメリットがまだあるのであれば、その関係性を自主的に終了させることは今の状態ではなかなか難しいかと思います。
それに人が他人(自分とは別個体の人間という意味です)を強制的に変えることは不可能です。
(童話の「北風と太陽」の北風をイメージしていただければわかりやすいと思います)

では、どうしたらいいのかと思われるかと思いますが、家族や周囲に問題のある人がいる場合、無理やりその人を変えるのではなく、ご自分がご自分の問題を癒していく、ということです。
ご自身がそんなことをしても奥様の問題は変わらない、と思われるかもしれませんが、パートナーは写し鏡です。
鏡を見て、自分の顔に汚れがあったら、鏡の中に手を突っ込んで拭こうととは思いませんよね?
それと一緒なんです。

それに「パートナーは写し鏡」というのにはもう一つ意味があって、パートナーはもう一人のあなた、という意味です。
もしパートナーがなにか問題を持っているのなら、自分もどこかで同じような問題を持っているものです。
たとえばひまわりさんの場合は、奥様は実家との癒着という問題を持っていらっしゃいますが、お仕事の面でハードワークをしていたり、ご実家の家族を背負われている、ご実家に縛られている、というようなことはないでしょうか?
もし、間違っていたらごめんなさいね。
でも、もしお心当たりがあるようなら、そういった問題を癒すことについて取り組んでみられるとよいのではと、私は思います。

それから、もう少し、別の側面から考えてみたいと思います。
奥様とひまわりさんの関係性について、私が気になったことのもう一つは、「自立」と「依存」のポジションが固定されてしまっているようなところがあることです。

対等な大人同士の関係は「相互依存」であると言われています。
「依存」と「自立」をお互い行き来できる、ある時は一方に甘え、ある時は一方を支える、そんな感じです。
たとえば一例ですが、ご主人が頑張って外で仕事をして(自立)、帰ってきたら奥様にお仕事の愚痴を聞いてもらう(依存)とか、奥様は朝ご主人を起こしてごはんをつくってあげる(自立)、家事で疲れたときは旦那様に肩をもんでもらう(依存)とか、お互いに甘えたり甘えられたりが楽にできる関係ですね。
自立と依存のポジションが固定してしまうのは、対等でない関係の場合です。
「親」と「子」とか、「師匠」と「弟子」とか。

ひまわりさんは奥様の父親のポジションに入ってしまっていないでしょうか?
本来対等であるべき関係なのに、親子関係のポジションに入ってしまうと、奥様の側からは不満が尽きないでしょうし、ひまわりさんの方からはいくら頑張っても報われないような犠牲感を感じてしまうかもしれません。
もしそういった感じがあるのでしたら、ひまわりさんに必要なのは「自立を手放す」ことなのかもしれないと、私は思います。
そうして、ひまわりさんが少し「自立」を手放せば、人間関係はバランスを自然と執るものなので、奥様が「自立」をしていかれる可能性も高いと思います。
自立を手放すことについては、面談カウンセリングで行うセラピーなども効果があるかと思います。

以上、二つの視点から回答させていただきました。
この回答が少しでもひまわりさんのお役に立てれば幸いです。

なお、自立を手放すことや、癒着についてもここには書ききれませんでしたので、もしもよろしければ初回無料の電話カウンセリングをご利用なさってみてくださいね。
私は奥様と同じ立場でもありましたので、もしも奥様の心理を知りたい、理解したい、ということであれば、そちらでもかなりお役に立てるかとも思います。

本日はご相談、ありがとうございました。
ひまわりさんとご家族のお幸せを、心よりお祈りしております。

三枝 みき

この記事を書いたカウンセラー

About Author

「近ずぎてウザい・遠すぎてさみしい」 自身の経験から、人との心の距離感や対人関係の悩みには親子の距離感が大きく関係している事に着目。【母子癒着】といわれるくっつきすぎた心を見ていくことで、人との距離感を整えていくカウンセリングを得意とする。 誰にも言えない気持ちに寄り添ってくれると好評。