人が怖くて何も出来ない

相談者名
緑茶
私は誰と一緒にいても笑ってるフリをして、生きてきました。本当は周りの人が話しをして笑っていても、なぜそんなに笑う事が出来るのかが全く分かりません。人間とは何なのだろうと思います。私は人間の風貌をしているけれど、人間の心を持っていないのです。

短大生の時に、2年間1つの場所でアルバイトを続けました。友達も出来ず、ただ仕事をこなすだけに集中してきました。遊びに誘ってくれる人もいましたが、明るく振舞っているけれど本当は陰気で作り笑いしか出来ない人間なので、拒んでいました。

卒業して就職しましたが、10ヶ月で会社を辞めて、そこから自分は人間とは関われないし就職も出来ないと思い、世間話をしたりという、深い関わりを持たずに済む単発のバイトばかりをする様になりました。何度かは1つの場所で働くバイトに挑戦しましたが、仕事の出来が悪い事と人と仲良く会話が出来ない事で、周りに受け入れられず、すぐに辞めました。どこへ行ってもダメである事で、自信をもつことが出来ません。

29歳で会社の面接を受けて、運良く社員にしてもらえたのですが、今まで人付き合いを避けてきたので、周りの人達の会話についていけませんでした。話かけられても見当違いな会話しかできず、恥ずかしいばかりです。笑う事が出来ないという永遠の苦しみと、対人関係の経験不足に対する恐怖で、興味のある仕事だったのに耐えられなくなり、試用期間中に辞めてしまいました。会社の人達は仲が良く、会話が下手で暗い私は、陰口を叩かれ嫌われるかもしれない事が怖かったのです。

会社では皆、自分の思った事を素直に口にしていて、私には「自分」が無いことを痛感しました。冗談も言えません。人に合わせてばかりで自分の意見がないのです。
友達からは普通に見えているかもしれませんが、本当は楽しいフリだけで感情がありません。嘘をつき続けるだけで心の繋がりを感じられず苦しいです。

別の場所でカウンセリングを受けていますが、この先どうしたら良いのか分かりません。宜しくお願いします。

カウンセラー
大谷常緑
緑茶さんこんにちは。はじめまして。
ご相談を担当させていただく大谷です。
よろしくお願いします。

さて、ご相談を拝見して、今までとても辛い状況を過ごしてこれらたんおだなぁ
と思いました。

今の緑茶さんの状態は、何かのできごとをきっかけに、感情を感じないように抑
圧されているようですね。
そのきっかけが何だったのかご相談内容からはよくわかりませんが、緑茶さんが
感情を感じるのがとても辛いできごとがあったのか、あるいは、緑茶さんが楽し
むこと(笑うこと)を禁じることで家族の誰かを助けようとされたのか、その他
のケースも考えられますが、感情を抑圧してしまう何らかの出来事があったよう
ですね。

緑茶さんが感情を感じなくなった時期、笑わなくなった時期、多分子供の頃だと
思うのですが、その時期を覚えておられるでしょうか?
もし、その時期が分かれば、その当時のご家庭の様子なり、自分の周りの様子な
りを思い出してみてください。
きっとそうしなくてはならなかった事情や背景がそこに見えてくると思います。
そして、おそらくそのときに、緑茶さんは感情を感じない(あるいは笑わない)
と決意されたのではないでしょうか?

そして、もしその事情や背景がわかったら、客観的に、今の緑茶さんの年齢の目
でその状況や出来事を見つめ直してみてください。このとき、「悪い」とか「い
い」の判断はしないで、あくまでも客観的に事実だけを見てください。
そのときの、緑茶さんの気持ちや、緑茶さんの周りにいたご家族やその他の人達
の気持ちが見えてくると思います。そして、それができたら、先ずは心の片隅で
結構ですから、それらのことを置いておいてください。

さて、人間は感情を感じないと、死んだような状態になります。
どこまでも、どこまでも続く砂漠の中の平坦な道を走り続ける自動車に乗ってい
るご自分を。そして、いつこの砂漠が終わるのかも分からない状態を。
飽きてしまいますよね。嫌になってしまいますよね。
今、緑茶さんはこの状態なのです。

ここから抜け出すには・・・緑茶さんに2つのことをお願いしたいのです。
先ず1つ目は、「感情を感じる」と決めていただくことです。
ただ決めていただくだけで良いのです。
こう決めていただくことによって緑茶さんの心の内面が少しずつかも知れません
が、変わり始めます。
時に、「感情を感じる」と決めたとしても、もうどうでも良くなってしまったり、
嫌になってしまったりするかもしれませんね。でも、それは緑茶さんの変化に対
する抵抗なのです。もうどうでも良くなってしまう自分、嫌になってしまうその
抵抗を感じることは決して悪いことではありません。むしろそれが一般的です。
でもそこで、そんな感情を感じる自分を受け入れながら、認めながら、やっぱり
「感情を感じてみよう」と思い続けてくださいね。

2つ目は、「勇気」を持ってもらうことです。
感情を感じないのは緑茶さんご自身ですから、問題は緑茶さんの心の中にあるこ
とになりますね。
だから、緑茶さんがこの問題と向き合っていただかないと状況は変化しません。
その時に必要なのが、勇気なのです。
元々、感情を感じたくない何らかの辛い理由をお持ちだと思います。
感情を感じない方が楽だったからそのようになられたのだと思います。
だから、感情を感じることがとても怖いはずなのです。

感情を感じないようにされた当時は、感情を感じない事がとても楽だったのかも
わかりませんね。でも、今はそのやり方が逆にとても辛くなってきている状況な
のです。
感情を感じないと決めて着込んだ鎧がもう重くなってきているのです。
ここで、その鎧を脱ぐ、換言すると、ご自身のやり方を変える時期に来ているの
です。
だから、怖いかも知れませんが、ほんの少し勇気を持って変化にチャレンジして
みていただければと思います。

「怖れ」は、緑茶さんの過去の辛い経験を未来に映し出し、あるいは起こりもし
ないことをあたかも起こるが如く感じることで脹らんでいきます。
怖れから逃げれば逃げるほど、ますます怖れは大きく脹らみながら追いかけてき
ます。
どこかで怖れと向き合うと、怖れは脹らむことを止めて、立ち止まります。
そして、そこで怖れを感じると、不思議なことに怖れはだんだん小さくなってい
き、あたかも溶けていくように感じます。
怖れから逃げるのではなく、少しの勇気をもって向かい合っていただければと思
います。

これらの事をお一人で進められるのはとても辛いことではないかと思います。
現在、別の場所でカウンセリングをお受けになっているとのことですが、どのよ
うなカウンセリングを受けられているのかわかりませんので、一度、カウンセリ
ングサービスのカウンセラーともお話されてみてはいかがかと思います。
その上で緑茶さんに合ったカウンセラーを選ばれて、問題解決を進められたらい
かがかと思います。

きっと、砂漠の平坦な道が、変化に富んだ緑豊かな光景に変わっていくと思いま
す。

回答がお役に立てれば幸甚です。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。