関係を修復したいんです

相談者名
リリー
私は33歳で主人(41歳)とは10年の交際同棲を経て結婚し、1年になります。
2,3年前からだんだんセックスレスになり、ここ1年では一度もありません。
主人に理由を聞いても別に理由はない、分からない。
結婚してからは私に否定的な事を多く言うようになり、会話も減り、笑顔を見る事も少なくなりました。
帰宅時間が遅い主人は、テレビを見ながらご飯を食べ、新聞を読み、完全に自分の時間です。
9月に携帯に女性からメールが来ていました。
その日朝に帰宅していて、その女性と一緒だったようです。
10月に挙式だったので、その時は自分の心の中から抹消してました。
その後も状況は何も変わらず、メールの事が気になりだし、不安だったので話しました。
11月頃です。
彼は謝ってくれたものの思っている事は何も言ってくれませんでした。
それまでと変わったのは、一生懸命会話をしようとしてくれた事です。
でもその姿が私にはまた辛かったです。
前は普通だったのに今では努力しないと・・・。
12月頃、今度は彼に借金があることが分りました。
とても信頼していたのでとてもショックでした。
でも、その時の彼がとても辛そうで、今まで見たことない姿だったので、早く前にみたいに戻ってほしくて、私なりに明るくしたつもりです。
それから2カ月ぐらい経った頃、彼が朝7時頃に帰宅した事がありました。
理由は車で寝ていたと。
その時、私が頑張って明るく笑ってたのも無駄で、必死に関係を修復しようとしてるのも私だけなんだと思いました。
また話したんですけど、謝ってくれましたが、何も話してくれません。
最近、子供の事を聞いてみました。
やっぱり欲しくないと言われました。
私は結婚するまでに何年も待ちました。
でも次はいつ子供が欲しいと思うまで、また待ち続けるのかと思うと・・・。
私も33歳なので、出産の事を考えると限界が近い気がします。
私の心もです。
結婚したのは子供を産むだけのためではなく、この先の人生も彼と一緒にいたいと思っているからです。
でも、女性としてやっぱり子供は欲しい。
セックスレスだと、不必要な疑い、不安、誰に対するかも分からない嫉妬、こんな気持ちで押し潰されそうです。
少し前までは長く交際同棲しても仲が良かった事が自慢でした。
家族も知らないぐらい、私は彼に素直に甘える事ができました。
彼にだからできたんです。
3月からは私が仕事を始め休みも合わず、すれ違いの生活がスタートします。
心配で不安です。
カウンセラー
池尾昌紀
こんにちは。池尾昌紀と申します。
ご相談ありがとうございます。

ご相談の文章から、リリーさんの苦しさが伝わってきます。
11年という長い間、一緒にともにしてきた彼との間に、何か溝のようなものを感じられている。
それを感じるのはとても辛いと思います。
最初に思っていただきたいのは、こうしてこの苦しい思いを、このコーナーに寄せてくださった勇気です。
一人で抱えるのが大変、といっても、やはり相談するのは勇気がいるもの。
その勇気を持ったご自身をほめてあげてください。

さて、ご相談を読ませていただいて感じたのは、ご主人が結婚に対してとても大きな怖れを持っておられるのではないか、ということでした。
交際同棲が10年というのは長いですよね。そこまで結婚を決意できなかったこと、また、お子さんを作りたくないと思われていること、結婚をしてからは否定的な発言が増えた事、などを考えるとそう思えます。
一見すると、結婚するのが嫌だ、ともとれますが、これは逆に、結婚することへの怖れと思われます。

特に男性は結婚をするということは、相手の人生も一緒に守っていかなければならない、と思ってしまう傾向があります。
だから、しっかりしなければ、弱音を吐いてはいけない、というプレッシャーを多かれ少なかれ感じるものです。
これは、いい意味では、頼もしくなったり、この思いがより大きな励みになっていったりもするのですが、逆に、重荷に感じたり、自己嫌悪の原因になったりもします。
結婚への怖れを持っている人は、後者のようになっていくことがあるのですね。
その大元は、心の底にある「自分には誰かを愛する資格がない」という無価値観であったりします。
誰かを愛する資格がない自分が、結婚なんかしていいのか、という思いがあるんですね。
ですから、表面的にはパートナーへの不満や攻撃的な言動が目立ったとしても、心の中では、自分を責めているのです。

浮気というのも、もしかしたら、そのひとつの表れなのかもしれません。
ご相談の文章からだけでは、はっきりしたことは言えませんが、結婚式の間際のお話であることを考えると、なんだかわざわざ浮気をしているようにも感じます。
これはご本人は全く自覚をしていないかもしれません。ある程度自覚されておられるかもしれませんが、まるで「こんなに俺はダメな男だ。」「愛してもらうような価値がない」「こんなにダメな俺だけどいいのか?」という思いからのように感じます。

ところで、突然ですが、リリーさんはどうしてご主人と結婚して一生ともにしたいと思われたのでしょうか。
もしかしたら、こうした彼の無価値観がわかっていて、そんな彼を支えたい、助けたいと思っておられたのかもしれません。

もし、そうだとしたら、今、やらなければならないのは「自分を助ける事」です。

誰かを助けたいと思った時、人はどうしても自分を後回しにして、自分を犠牲にして助けようとしてしまうものです。
でも、誰かを助けられる方法があるとしたら、それは、「私が最初に幸せになって、その姿を見てもらう」こと以外にないと僕は思います。

彼のことが一番の心配とは思いますが、彼のために、まず私を助けてあげることにチャレンジしていただけないでしょうか。
リリーさんと彼は似ているのではありませんか?
ご主人について先に書かせていただいたことは、やり方は違っても、ご自身にもあてはまることなのかもしれません。
だとしたら、あなたが感じている「愛される資格がない」という誤解を解く事が必要です。

リリーさんのご相談の中に「家族も知らないぐらい、私は彼に素直に甘える事ができました。彼にだからできたんです。」という一文があります。
これを読ませていただき感じたのは、彼以外に誰にも甘えられないほど我慢強く、がんばり屋の方なのではないか、ということでした。
まずは、どうしてこんなにリリーさんが我慢強くなられたのか、を心の中に聞いてみてください。

心理学の見方で言えば、育った家族やご両親との関係にそのルーツがあることが多いようです。
ですから、カウンセリングでは、そうしたご自身の今日までの人生を語ってもらい、整理することからはじめます。
そして、そうすることで、そこから見えてくるヒントや象徴的な出来事が見えてきます。
今度はそこを深く整理したり、セラピーを使って癒したりします。

リリーさんの我慢強さの原点には、「愛される資格がない」という思いがあるように思うのです。
でも、それは誤解です。
あなたは「愛される資格がない」と誤解しただけなのです。
本当のあなたは「愛される存在」なのです。ただ、そうではないと思い込んでしまっただけなのです。

そのことを理解することは、必ず彼を助けることになり、彼との距離を縮める事に役立つと思います。

もしよかったら、「愛されるあなた」を見つけるお手伝いをさせていただけたら、とてもうれしく思います。

ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。