夫のカミングアウト

相談者名
40代の主婦です。
5ヶ月前に16年間連れ添った夫の不倫が発覚しました。
相手の女性と別れる気配がないので何度も言い争いになりながら1ヶ月ほど経過したころ、夫がわたしに告白することがあると躊躇しながら語り始めました。
実はこれが最初の不倫ではなく結婚以来何人もの愛人がいたとのこと。
結婚前も常に二股状態だったらしいです。
その状態が倫理的に良くないことは分かっていて、私と結婚したときや子供が生まれたことをきっかけに生まれ変わろうとしたが、常に新しい女性が目の前に現れると。
長い間私は全く気づいていませんでした。
夫は私の目にはずっといい夫、いい父親でしたから。
暖かい家庭を持っていても夫の「病気」の部分は常に別の女性を追い求め、二重生活を送ることで充実感を得てきたそうです。
それを知った私は、夫が私と子供たちとの生活で満足できないなら独身に戻って自分らしい人生を送ったほうが夫の幸せだ、と別れも覚悟しました。
ところが夫はこんな状態になっても家庭を失いたくないといいます。
一方で相手の女性とも続いています。
こどものため表面的には円満に暮らしていますし、夫も家庭サービスも頑張り経済的にも快適な生活をわたしと子供に与えてくれます。
しかし、もちろんわたしは今の状態を喜んではいません。
愛し愛される夫婦になりたいです。
でも16年間愛されてると思っていたのはすべて幻想で私はいいように利用されていただけだったのでしょうか?隠し通そうと思えば隠し通せたのになぜ今になって夫はカミングアウトしなければいけなかったのでしょう?毎日がつらいです。
読んでいただきありがとうございました。
カウンセラー
大谷常緑
蘭さんこんにちは。
はじめまして。ご相談を担当させていただく大谷です。
よろしくお願いします。

蘭さんがご主人からカミングアウトされた時の驚き、それから続く心の痛みは感
じるに耐えないほど辛いと思います。
憤り、悲しみ、不信感、自責の念、自信の崩壊などの感情が入り乱れているので
はないでしょうか?
悔しいですね。

さて、先ずはご主人の気持ちからお話しを始めたいと思います。
ご主人には深層意識を含めて、入り乱れたとても複雑な感情があるように思いま
す。
そのうちの1つは、とても強い罪悪感です。蘭さんに対する罪悪感ももちろんあ
りますが、それは蘭さんのみに対して持っているものではなくて、もっと根深い、
昔から彼に巣くっているものです。彼の中には「自分は罪深い人間だ」という気
持ちがとても強くあるのです。
罪悪感は誰しも感じたくない嫌な気持ちなのですが、不思議なことに罪悪感があ
ると、これを感じるような行動を無意識的にとってしまいます。
最近は余り見かけませんが、コンビニの前で何人かの高校生が制服を着てしゃが
んで煙草を吸っているのを見られた事はないでしょうか?「俺って、悪いだろう?
」とわざわざアピールしているのですね。彼らの中には罪悪感があり、それを表
現しているのです。そして罪悪感を強化しているのです。
私たちは、自分が信頼を置いた方向で自己表現を行います。そうなってしまうの
です。
ご主人もまた、ご自身が悪い人間ということに、心の深い部分で信頼を置いてい
るのです。
そうなると、こんな悪い自分でも愛してくれる人を探し求めます。蘭さんのみな
らず、そんな悪い自分を愛してくれる人を多く持つことによって、初めて深層心
理でのバランスが取れるのです。
一方、罪悪感が強いと「いつかこんな自分は棄てられる」という気持ちも強く働
きます。そうすると、保険を掛けるようになる側面も出てきます。
二股、愛人は保険なのです。
また、罪悪感と双子といわれる感情に、無価値感、すなわち「自分には価値がな
い」という気持ちがくっつきます。
そうすると、この無価値感を打ち消すような感情、すなわち「自分には価値があ
る」「自分は凄い」という事を感じるような行動を取る事があります。
愛人を持つという行為は、男性の論理ですが、力の誇示という意味でのステータ
スとなり、無価値感を打ち消す事ができます。
また一方、家庭で子供と奥さんが幸せに暮らしているというのも、男にとっては
実力を示すこととなります。
以上のことから、ご主人はとても大きな罪悪感と無価値感に苛まれながら、人生
を送ってきた、送っているという事になります。
これはおそらく、ご主人自身も余り気づいていないのではないかと思いますが・
・・。

さて、ご主人が蘭さんにカミングアウトした気持ちですが、蘭さんは僕から離れ
てはいかないだろうという信頼を置いた上での懺悔だったのだと思います。
懺悔・・・それはご主人の中にある罪深い自分を感じながら、「こんな僕でも受
け容れてもらえますか?」という蘭さんへの投げかけであり、誤解を恐れずに言
えばずっと背負ってきた罪深い自分の解放でもあったのでしょう。

この状態を加害者と被害者の話にするのであれば、「私は利用されてきた」と蘭
さんが思われるのは無理も無い話で、ご主人がどのように思おうと、離婚や別居
という方法をとられるのも1つの方法かと思います。
ただ、もしご主人とのこの状況が加害者と被害者の関係ではなく、人間と人間の
問題、あるいはパートナーシップの問題と捉えられるのであれば、彼の奥深い罪
悪感と無価値感に蘭さんも向き合われると、おそらく時間が少しかかるでしょう
が、ご主人のこの行動癖を解決できるかも知れません。
具体的にこの問題を解決するためには、先ずは今のご主人の行動を許すこと(=
自分が利用されると思うような自分自身の無価値感を許すこと)、そしてご主人
の価値を見て伝えることです。
これをするには、大きな抵抗が出てくるかも知れませんね。
いずれにしても、先ずは蘭さんがご主人との関係をどのようにしたいのか、する
と決意するのかが重要です。

お一人で悩まず、ぜひ私どもの電話カウンセリングをお使いいただき、先ずはご
主人との関係の方向性を決められてはいかがかと思います。

回答がお役に立てれば幸甚です。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。