新しい恋とうしろめたさ

相談者名
K
27歳、海外在住の者です。先々週二年半付き合った彼にメールで「ごめんなさい、恋人を持つより私はひとりの時間を楽しみたい。私はあなたを幸せにする事が出来ない」と別れを告げました。以来連絡をとっていません。
ともに海外で身寄りのない者どうし、お互い精神的に支え合っていた部分が大きく(話し相手として彼は最高の理解者でした)、楽しい思い出は沢山あったけど、もう情しか残っていない、私は彼に恋愛感情を持てなくなりました。もともと性格、趣味、交友圏も全然違う二人がなりゆきで付き合い始めたもので、この二年半(同棲二年、最後の半年は別々に一人暮らし)喧嘩やもめ事が絶えませんでした。彼は本当に私の事を大切に思っていてくれましたが、恋愛に対する依存度や執着心が強く、それが私にとって重過ぎ、しまいに彼からのスキンシップを生理的に拒むようになってしまいました。(最後の数ヶ月はセックスレス状態で、彼はすごく辛かったと思います。)私は次第に新しい出会いが欲しい、もっと趣味や価値観を共有しあえる人に出会いたいと思うようになりました。そして別れ話を切り出したほぼ同時期に、 共通の趣味を持つ別の男性と劇的に知り合いました。(男性は私がつい最近恋人と別れたという事を知りません。)まだ付き合っていませんが、ともに楽しい時間をすごし、恋愛に対して積極的に考えられるようになれ、生活が以前よりも充実しています。
しかし、 一歩踏み出せたと喜びつつも、一方的に彼を振ったことや新しい出会いを楽しんでいる自分にうしろめたさを感じています。実は部屋にはまだ彼の衣類などがかなりあり(返そうと思い、まとめたのですが)見るたびに自分はなんて勝手で最低な女だと罪悪感で辛い気持ちになります。郵送できますが余計に彼を傷つけてしまうと思うと躊躇ってしまいます。彼は生活範囲が閉鎖的で恋愛に対する依存度が高いから、あれ以来きっと生活のペースや心のバランスを崩していると心配で胸が苦しいです。一度会って直接話したいと思いますが実行できません。自分勝手ながら私はただ元気かどうか顔を見たくて会いたいだけで、会えばきっと彼に復縁等の期待を与えて傷つけてしまいます。
別れても友達、なんてきれいごとは求めていません。このぐちゃぐちゃな感情(彼への罪悪感や心配、新しい恋への期待)をどう消化すればよいのか、アドバイスをよろしくお願いします。
カウンセラー
今井美緒子
Kさん、はじめまして。
ご相談ありがとうございます。
今回担当させていただきます今井美緒子と申します。よろしくお願いします。

ご相談を読ませていただいて、Kさんが彼への複雑な思いに苦しんでいるのが伝わっ
てきました。
彼とおつきあいしている間も、いろんな努力をされてきたのだと思います。

海外で身寄りもいない状態でお互いに支え合ってきたのでしたら、よけいに今の
彼が心配でたまらないのではないでしょうか。
Kさんが新しい一歩を踏み出しても、彼が苦しんでいるのではないかと思うと、自
分が幸せになるのをためらってしまう気持ちも出てくると思います。

Kさんが新しい出会いを求めて前向きに恋愛を楽しむことは、決して悪いことでは
ないと私は思います。
せっかく彼と別れて幸せになると決めたのに、前に進むことをためらってしまっ
ていると、勇気を出して幸せになると決めたKさんの思いだけでなく、彼も自分自
身の幸せを見つけることができなくなるかもしれません。

まずは、Kさんが彼のためにも幸せになる!と決めることが必要です。
そのためのお手伝いができればと思っています。

自分に自信がなかったり、自分にはこれしかないという気持ちが強いときに、人
は依存的になりやすくなります。
彼がとても恋愛に依存的だったということは、Kさんのことをとても信頼していて、
大切に思っていたことでもあると思います。

でも、あまりに束縛されすぎると自由がなくなって、どうしても距離を置きたく
なってしまいます。
彼にとって、Kさんが自由にすればするほど、自分から離れていってしまうように
感じていたのかもしれませんね。
彼とKさんとの間に、人との距離感の感覚の違いがあったのだと思います。

彼をよく理解しているから、今どんな状態なのかをとても心配してしまうと思い
ます。
自分が幸せになることで、彼が苦しんでいると思うと、罪悪感が出てしまうのは
当然のことです。

Kさんが感じている罪悪感は、自分が悪い、自分のせいで彼が不幸になっていると
いう、自分を責める気持ちからくるものです。
自分を責める気持ちがある時、人は自分だけ幸せになってはいけないと考えます。
悪いことをしてしまったと思ったときに、必ずといっていいぐらい出てくる感情
です。

そして、罪悪感が強くなってくると、幸せになることを自分に許すことができな
くなって、無意識のうちにチャンスを潰してしまったり、しんどいほうを選択す
る行動をとってしまいます。
笑うことや楽しむことを自分に禁止して、苦しいほうを選択して生きていく生き
方は、まるで自分が罪を背負っているかのような生き方をすることになります。

これを心理学用語で補償行為といわれていますが、この行動は本来のしたいこと
ではないので、どんどん自分を苦しめることになります。
今のKさんは、自分が幸せにならないことで彼に償おうとしているかのような、そ
んな感覚が無意識にあるのかもしれませんね。

Kさんがした選択は、お互いの考え方の違いなどいろんな要素が重なったからであっ
て、決してKさんだけの責任ではありません。
二人が幸せになるための選択だったと思うので、Kさんが罪悪感を感じる必要はな
いと思います。

もちろん彼は辛い思いをしているかもしれませんが、今ここでKさんが幸せになら
なかったとしたら、彼も幸せに目を向けることができなくなります。
彼のためにも、罪悪感を手放して、Kさんが幸せになることを自分に許すことを選
択してほしいと思います。

罪悪感を手放すために効果的なのは『許し』と『感謝』することです。
罪悪感を感じていた相手に感謝の気持ちを持つことで、自分が責めている部分を
許すことができますし、悪いことをしたという感情から解放されることができま
す。

二年半一緒にいて、一緒に歩いて来た彼。
辛い思いをしながらも、Kさんの選択を受け入れてくれた彼に、ありがとうという
気持ちを感じてみてください。
そして、幸せになる選択をした自分を許してあげてくださいね。

新しい一歩を踏み出すのはとても勇気が必要ですが、Kさんが幸せになった姿を彼
に見せてあげることで、彼も前に進めるのではないでしょうか。
今はお互いに苦しい時かもしれませんが、Kさんが幸せで笑っていられることで、
お互いにこれでよかったと思える日がきっとくると思います。

Kさんが幸せになれることを、私も祈っています。

罪悪感を感じて辛いときや、前に進むことに迷ったときは、カウンセリングも是
非ご利用くださいね。
この回答が、お役に立てれば幸いです。ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

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