後悔ばかり浮かびます

相談者名
こん
大好きだった彼に2ヶ月ほど前振られました。
彼とは出会って1ヶ月で付き合うことになりました。とても早い展開だし、3ヶ月後に遠距離恋愛になることが分かっていましたがお互い結婚も考えられるくらいに好きだったから付き合いました。

しかし、遠距離が半年続いた後、別れを告げられました。
振られた理由は、私に全然成長が感じられないしこれからも成長する見込みがないから。
私は彼から、何度か幼い、もっと大人にならないとねと言われていました。それは自分でも自覚していたし徐々に成長していけたらいいとあまり重く捉えていませんでした。
しかし彼にとってはそれが辛かったらしく、こんな人と結婚出来るのか、とだんだんと悩んでいたそうです。

また、私の生理がこなくなり、妊娠の不安を彼に話しました。
でも、あとで知ったら、絶対に妊娠しないようなことだったのに、私は彼に妊娠の不安を訴えたんです。
それにもかかわらず、彼は、100%って避妊はないんだから、そんなに妊娠が不安だったらもうそういう行為はしないことにしようと言ってくれました。
私は、その事が彼には辛いだろうなと分かっていたのに、このこともあまり重く捉えておらず、2人で深く話し合わないまま、彼の考えてくれた提案を受け入れました。そのことも大きな別れの原因になったと思います。

この様に、彼は私のことを本当に大切に思ってくれていたのに、私が無知であったり、大切なことを深く考えなかったり、言動が幼かったばっかりに、彼に愛想をつかされてしまって、結果別れになったことに、とても後悔しています。

何度か注意された時に、どうしてもっと重く捉えて成長するように努力しなかったのか、結婚の話をもっと真剣に捉えて早く考えなかったのか、彼に甘えて行為のことをそのまま了承してしまったのか…毎日後悔ばかり浮かびます。

他にもっと自分にふさわしい、良い人がいると思いたいですが、彼がベストパートナーであったとしたら、それを逃してしまった私は、運命を大きく狂わせてしまったのではないか…と不安になります。

彼との別れは必然だったのでしょうか…?私がきちんとした対応を取れていれば防げたものだったのでしょうか??

カウンセラー
池尾昌紀
こんさん
池尾昌紀と申します。
ご相談ありがとうございます。

これほど好きだった人との別れ。それは本当に辛いと思います。
毎日、心が引き裂かれそうに苦しいのではないでしょうか。

この苦しみの元になっている思いは、彼への愛情はもちろんですが、こんさんも書いてくださっているように、「もっとこうしておけばよかった」という後悔の念も大きいものです。

何かにとらわれている状態や何かにしがみついている状態のことを心理学では、執着といい、
誰かへのこうした強い思いを変えていき、新しい方向へ心を持って行くことを、心理学では「執着を手放す」と言ったりします。

愛する思いに後悔の思いが加わり、そうなると、相手への思いを断ち切って新しい恋へ進むことが難しくなります。
これは、誰だってそうだし、そうなることが自然なことでもあると思います。

でも、この「手放す」ということは、誰にとっても、とても難しいことなんですね。

ですから、まず初めに思っていただきたいのは、今、こうして彼への思いを持ち続け、執着してしまっている自分の状態を許してあげる、認めてあげていただきたいんです。
繰り返しになりますが、誰だってこうした状況になれば執着してしまうし、それを変えていくのは難しいんです。
そう思って、「わたしがこんな風に苦しんでしまうのも、無理ないことだよな」と自分にやさしくしていただきたいんですね。

そうやって自分の気持ちを認めてあげることが「手放す」第一歩になります。

しかしながら、何かに執着してしまうと、その何かに捕われてしまい、心は自由をなくしてしまいます。

どうしてそんなに自由ではなくなるかというと、「手放す」=「別れる」というように感じてしまうからです。

「手放す」とは、「別れる」ということでは必ずしも同じではありません。
「手放す」について、「小鳥を籠から放すこと」が、例え話に使われることがあります。

執着している状態は、恋人という小鳥を籠に入れている状態です。それを籠から解き放って空に返してあげる。
もしかしたら、もう帰ってこないかもしれません。けれど、また手元に戻ってきてくれるかもしれないのです。
もし、戻ってきてくれたとしたら、どうでしょう。
それは、自分のしがみつきではなく、あくまで小鳥=恋人がその人の意思で戻ってきたことになります。
これが、自由な心の状態、手放しができた状態です。
こうしてやっと、本当の愛を感じられると言えるのではないでしょうか。

今、もし、何かの機会があって彼と話して、様々な説得をして、彼がしぶしぶ戻って来てくれたとしましょう。
でも、それでは、無理矢理戻ってきてくれた、としか思えません。
それでは、本当に愛されている感じがしないし、おそらく、戻って来てくれても苦しいだけではないかと思うのです。

では、この彼との別れは、運命の人との出会いを逃してしまったのでしょうか。
今回のおつきあいが、こんさんの大きな変化のきっかけになっているとは言えないでしょうか。

誰かとおつきあいして、別れがきた。
その時には、とても悲しい思いをします。
けれど、そのことで、大きな気づきや学びを得ることができます。

こんさんは、この失恋によって、たくさんの後悔をされておられます。
でも、それはすなわち、大きな心の成長をとげられていると言えるのではないでしょうか。
後悔する、とは、自分をふりかえって、次はこんな自分になりたい、という変化の意欲を持つことでもあります。

今、あなたは、彼に対して、彼の気持ちを思いやったり、自分の言動を振り返って反省したりして、大きな気づきや学びを持っておられるように思います。
ですから、今、この時点で、すでにつき合っていた時とは違うわたしに変化しているとも言えると思うんですね。

そうした変化した、「あなた」だったら、これから新しい人と出会った時に、前のような付き合いではなく、新しい関係が築けるかもしれません。

そう考えれば、彼とのおつきあいがあったからこそ、次の新しい人とのつきあいがうまくいく、自分に成長できた、と言えるのではないでしょうか。

先に、手放すとは、自由になることと書かせていただきました。
こんさんは、今、いろんな思いを手放して、自由になろうとされておられると思うのですが、
今の「自由でなかった状態」というのは、別れた今、ではなくて、おつきあいされている時から、自由ではなかった、と言えるかもしれません。

そう思えば、おつきあいが終わることが、自由への入口であり、その自由さを持って、新しい人と出会った時に、はじめて自由な私で恋愛ができると言えるのではないかと思うのです。

こんさん。
ご相談に書いてくださったように、こんさんは、こんなにもたくさんの後悔を彼に持っておられ、そして、とてもとても、ご自身を責めてしまっておられます。
それは、彼への執着、という言葉だけで説明していいものではないように僕は思います。
これほどの大きな愛を元々持っておられる方だと思うのです。

これほどの大きな愛を持っておられる方が、幸せになれないはずはありません。
どうか、自分を責めることに使うのではなく、自分の幸せのために、その愛を使ってください。
そこに気づくことができた時、きっと、こんさんは幸せの扉を開かれると思います。
ご自身を信じてあげてください。

ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。