自分を出すのが苦手

相談者名
太郎
私は自分の感情や考えを表にだすのが怖いです。
飲み会などで、みんなが楽しんでいるときなどに、楽しいという感情を表に出せなかったりします。
みんなと同じように、楽しみたいという気持ちはあるのですが、上手くできません。
自分の感情を抑圧してしまっているように感じます。
また、飲み会などの楽しい雰囲気を壊してしまっているので、自分は、ここにいてはいけない、ダメな人間だと、自己嫌悪になったりします。
また、飲み会なんて下らない。
そんなことで楽しんでる奴が、変なんだと、思ったりもします。
でも、本当は楽しみたいとか、寂しいというような気持にもなります。
昔の話になりますが、小学校の三年生から五年生まで、同じ担任の先生だったのですが、その先生が厳しく、授業中に指名されて、答えを間違えると、やる気が無いと怒鳴られ、廊下に何時間も立たされたり、叩かれたりしました。
初めて怒られた時に、廊下に出され、膝がガクガクと震えたのを覚えています。
また、俺はやる気のない奴は殴るんだ。
やらない奴に自由は与えない。
などと言っていました。
そんなことが、何回も続くうちに、勉強などに対して、なおさら、やる気が無くなりました。
また、自分はダメな人間なんだと思ったり、先生の機嫌をそこねたら、どんな目に合わされるか分からず、とても怖かったです。
精神的にまいってしまい、宿題なども、やらなくてはいけないのは分かっていたのですが、気力が無くて、結果的には、サボっていました。
そのたびに先生に怒られ、宿題をしなかったということで、お楽しみ会などのイベントにも、参加できないことが、数回、ありました。
学校でのことは、親に話したことはありません。
私の父親は、普段は普通なのですが、嫌なことがあり、お酒を飲むと、家の物を壊したり、怒鳴って母親に暴力をふるったりします。
父親が暴れるのは、年に二、三回ですが、それが、幼稚園のころから、ずっと続いています。
最近は、職場の人から、私がどういう人間なのか分からない。
積極性がない。
もっと、自分を出した方が良い。
と言われてしまいました。
私としては、普通にしていたつもりだったのですが、何故、このようなことを言われるのか、分かりません。
もっと楽しい生活を送りたいと思っています。
よろしくお願いします。
カウンセラー
嶽きよみ
太郎さん、はじめまして。
担当させていただきます、嶽きよみ と申します。
どうぞよろしくお願いします。

まず、太郎さんのメールを読ませていただいて最初に感じたのは、
本来 太郎さんは、ご自分の感情に対して、とても敏感で本来は感受性の強い方
なのではないかなということです。

でも、そんな太郎さんが、いつのまにか

> 私は自分の感情や考えを表にだすのが怖いです。
> 自分の感情を抑圧してしまっているように感じます。

とおっしゃられるようになったとすると、それはとても苦しいことだっただろう
と思います。
自分の感情を抑圧するというのは、実は ものすごくストレスがかかることですか
ら、それは目には見えないことですが、すごくしんどかったですよね。

中でも、「楽しい」という感情を表現すると、人とのつながりを作ったり、
自分がどんな人なのかを知ってもらいやすくなるのですが、

> みんなと同じように、楽しみたいという気持ちはあるのですが、上手くできません。

と、書いてくださったように
それが上手に使えていないとしたら、太郎さんの素晴らしさがまだまだ周りの人に
伝わりきれていないようで、とてももったいないですね。

少しでも、太郎さんが自分の感情を表現し、たくさんある魅力を発揮出来る自分に
なれるよう、回答を書かせていただきたいと思います。

> 最近は、職場の人から、私がどういう人間なのか分からない。
> 積極性がない。
> もっと、自分を出した方が良い。
> と言われてしまいました。

なんてことを言われて、
太郎さんは、少なからずショックを受けられたのではないでしょうか。
普通にしているつもりだったのに、人はそう見ていなかったのかも…、なんて考え
出すと、太郎さんでなくても、これから何をどう行動していいのかわからなくなって
しまうんじゃないかと思います。

でも、職場の人が何故そんなことをおっしゃるのかを、別の見方でしてみると
「職場の方は、太郎さんのことに興味があり、実はもっと知りたいと思っている」
とも言えるのではないかと思うんですね。

私たちは、無意識の行動を突然人に指摘されると、なんとなく自分が責められている
ような感覚になりがちなので、
もしかしたら、太郎さんも、その言葉に どこか傷つかれたかもしれませんが、
まずは、職場の人は、太郎さんに関心があるからそういう風におっしゃったんだ
という「見方も出来る」と思ってみてください。

なぜ、その見方をおすすめするかというと、

私たちは、批判や攻撃をされているという感覚があると、
自然と自分を守ろうとする本能が働きますから、自分の考えや感情を表現することの
ハードルが、その分上がってしまうんですね。

例えば、20センチのハードルを超えるのはなんてことありませんが、
90センチのハードルを超えるのは、ヨイショっと足をあげてかなり頑張らないといけ
ませんよね。

それは心の中の状態でも同じで、ハードルが低い場合は、自分を外に表現しやすいの
ですが、高いハードルがある場合、それはとっても大変なことになり、すごく勇気が
必要だったり、その勇気の分がとても強い表現となり、逆に相手を攻撃しているかの
ような伝え方になってしまうことも少なくないんですね。

ですから、批判や攻撃をされているという見方を少し変えることが出来ると
感情を表に出すためのハードルが少し低くなるんですね。

そのハードルが高く作られやすくなった原因は、太郎さんが書いてくださったように、
感受性がとてもオープンだったはずの小学生の時の経験が、大きく影響していると
考えられると思います。

どんなに怖かったでしょうね…。
まだ子供だったその頃の太郎さんから見た「大人」は、自分が抵抗出来るものではない
ほど大きな存在だったはずです。

そんな太郎さんに対して、先生もお父様も、強いかたちで「力」を表現されたことが
あったために、太郎さんは、自分を守るために、その力に対する「抵抗」を
外側にではなく、自分の心の内側に作ってしまわれたんだと思います。

でも、その頃の太郎さんには、それしか方法がなくて、
また、それが最前の方法だったのではないでしょうか。

今回、こうしてご相談下さったということは、
今はもう、そのやり方が太郎さんに合っていない、だから、それを手放す時期がやって
きたということなんだと思います。

これまで、一人でほんとによく頑張って、自分自身を守ってこられたと思います。
学校でのことも、きっと誰かに相談したり話したりしかったでしょうね。
それでも一人で耐えて頑張って来られた。

それは、太郎さんの強さを培って来られたことにほかなりません。
今まで、頑張って自分を守って来られた強さは、反転して外に表現されるようになると
今度は、周りの人を守ってあげることの出来る強さへと変えることができるんですね。

でも、その過程の中では、「怖さ」がきっと邪魔をすると思います。
私たちの「無意識」の心は、どんなにしんどいことでも、元の状態の方が安心、という
ちょっとおかしな働きをするので、それを維持するために「怖さ」を使って
私たちが新しい自分になる変化を阻止しようとしてくるんですね。

ですから、大きな変化をしようとすると、大きな怖さで引き止めようとする、
っていう感じなんです。

例えば、

> 飲み会などで、みんなが楽しんでいるときなどに、楽しいという感情を表に出せなかったりします。

というようなとき、「みんなの中心になってみんなを笑わせる」ようなゴールをイメージすると
そのハードルはぐんと上がり、抵抗や怖さが大きく出てきたりします。

ですが、
まわりの人に、お酒をついであげたり、ついでもらったときに笑顔でありがとう、と応えることが
ゴールだとすると、そのハードルは少し下がるのではないでしょうか。

ハードルが低いとは言え、「楽しい」という表現としては、それでも十分に伝わるものなんです。

日常的なことでも、まずは太郎さん自身の中にある、ゴールが少し高くなっていないか、というのを
チェックしてみてはいかがでしょうか。
それを少し下げる工夫をしてみると、行動に移しやすくなるのではないかと思いますよ。

上手く出来ないときは、カウンセラーと一緒に考えてみるのもひとつの方法です。
自分の見方だけではなく、誰か人の見方が加わることで、視野が少し広がるからです。
また、子供の頃に出来た心のブロックを直接外して行くには、
無意識のところに入り込んでしまった感情は、なかなか外に出てきにくくなっていますから
セラピーなども効果的かもしれません。

太郎さんの心の中にある、表現されたがっている感情を、少しずつでも開放してあげてください。

「自分を出す」ということに対して、まずは大きなハードルではなく、
小さなハードルをイメージすること。

自分というのは、自分の感情、と思ってみてください。
そして、感情の表現とは、言葉だけではなく、
私たちのコミュニケーションの7割以上は言葉以外の表現だったりするので、
姿勢や表情などでも十分にそれが伝えられると考えてみてください。

応援しています。

ご相談ありがとうございました。

嶽きよみ

この記事を書いたカウンセラー

About Author

柔軟な視点で問題を捉え「人間関係」「自己表現」「セクシャリティ」に関する悩みを多く扱う。 特に、現役で自身のビジネスも続けていることから、やりたいことを見つける、夢を叶える、など自己実現のサポートを得意としている。 「見た目の印象とは違い、声に癒される」との声が多く寄せられている。