愛されたい

相談者名
すいーと
こんにちは。私には「嫌われたくない欲求」があります。
中学時に体のことで男子から批判されていました。あと、
姉がいるのですがその姉から「お前の友情は上辺だけ」とか「外面がいい」とかさんざん言われていたんです。あと母親からも「人がいいんでしょ」とか色々言われたことがあります。姉は昔小学校の時人間関係に苦い思い出があったみたいで、きっと私みたいな上辺だけの人が嫌で批判してきたんだと思います。母は父親の外面がいいを私に反映して言ってきたんだと思います。私は劣等感だらけだったからいい子でいた…愛されたくていい子でいたのに分かってくれない。悪循環だってことは分かってるんです。今大学生なのですが相手に対してコミュニケーションを取ろうとしてないのは、きっとここから来るんだと思います。「また言われるんだろうな」って。去年は辛い思いは誰も分かってくれないって思っていて精神的にも肉体的にも崩れていたんです。だから大学で友達を作らず「偽るのもめんどくさいし、無理するのも疲れた」と思い一人でずっと行動してました。

でも、数人の友達に全てではないですが泣いてた原因を暴露したんです。友達はただ聞いてくれて励ましてくれて・・分かってくれる人はいるんだなて実感しました。今は心強いです。
今まで「これは駄目だ」とか「人の悪口を言ったら負けだ」とか変な禁止を持っていました。

これは自分が駄目になる原因だし多少の愚痴を言うのは悪いことじゃないことも気づきました。

私の家庭は昔本当に色々ありました。兄はひきこもり、姉は非行に、父親は仕事を放棄して一人暮らしをした時期もありました。そんな中母親は涙も見せずぐっと我慢して頑張っていました。ですから、母からの批判は理解出来ます。私はちゃんと大学まで行かせていただいてるしたくさん迷惑かけました。父親が家にいなかったのは父親のSOSだったんだって。だから親のことは憎んじゃいけないなって思っています。

誰かに聞いてもらいたい思いが強くてこのメールを送りました。

カウンセラー
大谷常緑
すいーとさん
こんにちは。ご相談を担当させていただく大谷です。
よろしくお願いします。

すいーとさんのご相談を拝見していて、今までずっと辛い人生を歩んでこられたんだなぁ、と思いました。
自分を責めながら、心のどこかで自分のことをわかって欲しい、自分を受け入れて欲しいと思い頑張ってこられた姿が目に浮かびます。

おそらく随分と考えたり心理学的な勉強をされてきたのでしょう、お父さんやお母さん、お姉さんの状況や立場を理解されて、許されたことは、とてもすばらしいことだと思います。
すいーとさんの勇気や優しさを感じました。

何人かのお友達に、ご自分の状況をお話しされたことも、とても勇気がいることですよね。
よくお話しになったなぁ・・・と感心しました。

すいーとさんがお持ちの「嫌われたくない欲求」ですが、これはほとんどみんなが持っている欲求です。誰しも、疎んじられたり、存在を認めてもらえなかったりするのは嫌なんです。人から求められたいし、自分のことも分かって欲しいものです。しかしながら、人間は自分の中で自分を責めている部分がある度合いだけ、人を攻撃したり、不自然な行動をとってみたりします。これはその殆どが、その人の怖れからきています。
何を怖れているのか、それは状況やその人固有の問題によって様々ですが、例えばどこかで「自分は悪い」と思っていて、それを感じたくなくて、「あなたが悪い」という場合もありますね。
だから、嫌われない自分を実現するには、先ずはご自分を責めないことが必要なんですね。

すいーとさんはもうおわかりになっているようですが、お父さん、お母さん、お姉さん、いずれも心に余裕がなくて、すいーとさんに様々な言葉を投げかけたり、行動を起こしたりされていたんですね。
すいーとさんはこれを聞いて「自分は駄目な人間じゃないか」とか「自分は迷惑を掛ける存在だ」などと感じて、「攻撃される自分」を感じられ、心を閉ざしていかれたと思います。

人間の持っている問題は、実は自分の内側にしか存在しません。人から何か言われたり、自分が思ったとおりうまくいかない状況は確かに外側に存在しますが、それをどう感じるかは人それぞれですよね。だとすると、その状況ですいーとさんがどう感じるか、が大切になってきます。
もし仮に、自分は迷惑な存在と感じていると、そんな言葉や状況に反応します。相手がそんなつもりで言った言葉ではない言葉にも敏感に反応してしまったりしますね。勘違い、行き違いもとても多いです。そして、その結果、相手を攻撃してみたり、人間関係を切ってみたり、ということをしてしまいます。本当は相手に嫌われたくないのに、どんどんそうなっていってしまいます。
いかに自分を責めないか、が重要なんですね。

いただいたご相談を読ませていただいて、すいーとさんは、決して迷惑をかける存在ではなくて、むしろ、優しさ溢れる人だと思いました。この優しさを持って、様々な人と接してみられるといいと思います。すいーとさんが持っておられるご自分の価値を、色々な人から気づかされると思います。

例え、相手が攻撃的と感じる言動をとったとしても、それは、その人に心の余裕がないだけ=愛して欲しいと言っているんだなぁと思ってください。そして、そんな人にもすいーとさんが愛をあげられるようになるといいですね。

人間関係の心理的なセオリーを一つお伝えします。
すいーとさんが愛されたい、と思われるのであれば、まず、すいーとさんから相手に愛をあげましょう。そうすると、相手からも愛が返ってきます。自分が欲しいと思うものを先ず相手に差し出すと、相手はそれを受け取り、同じものを返してくれます。
お父さんやお母さん、お姉さんの事を理解しようとされている気持ちもすいーとさんの愛ですよ。

最後に、ご相談を読ませていただいて少し気になったので書きますが、すいーとさんは何かをしてもらったときに「すみません」「ごめんなさい」をお礼の言葉としてよく使われているのではないでしょうか?
「すみません」「ごめんなさい」は、実は自分が迷惑をかけている感覚で使う言葉です。自分を見ている言葉ですね。もし、そうならば、できるだけ「ありがとう」を使ってください。「ありがとう」は相手に与える言葉、相手を見ている言葉です。何かしてくれた人も、受け取れる言葉です。

アドバイスがお役に立てれば幸いです。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。