人と自分

相談者名
りんご
はじめまして。ご相談なんですが、私はなんでもすぐに人と比較してしまいます。あの人は仕事ができるけど私はできないなどといったようなことではなく、性格を比べてしまいます。例えば、上司が私に対して冷たい態度をとったけど、Aさんにはそうではないとか。そこで私はいろいろと考えてしまうのです。「何か私、悪いことでもしたのかな?」とか「私は嫌われてるのかな?」とか。自分を責めていってしまい気分が沈み、他の人ともそのことがに気になり心から楽しんで会話もできないんです。他の人にもいつも顔色をうがっている自分がいます。本当は会社を辞めますと言いたいんだけどそれを言うと他の人に陰でなんか言われるのかな~とか思ったりしてしまいます。他の人の目が気になり自分のしたいように何事においても出来ません。人と楽しくコミュニケーションが持つことができ、嫌われていないと思えると自信が持てて明るく楽しくできます。人の気分次第で自分の性格もアップ、ダウンしてしまいます。
誰からも嫌われたくないという気持ちがとても強すぎるんです。いろんな人がいて当たり前で、みんなから好かれようとしても無理だということは頭では分かっているのですがなかなかできません。どのようにしたら人の態度や意見、気分に流されず、否定的な考えにならないで、自分は自分と思えるようになるでしょうか?ご意見のほど、よろしくお願いします。
カウンセラー
大谷常緑
りんごさん、こんにちは。
ご相談を担当させていただく大谷です。
よろしく願いします。

さて、御相談を拝見して先ず感じたことは、りんごさんが、どうやらご自分の価
値を受け取っておられないのではないか、ということです。
他の人がりんごさんを見ている目に比べて、りんごさんがご自分を見ている目は
とても厳しい感じがします。
人間は往々にして、自分のできていない部分、だめだと感じている部分をまるで
虫眼鏡で拡大するようにして眺め、そこに囚われてしまい、自分の評価を厳しい
ものにします。そして、その度合いだけ、自分の良いところ=価値を小さく評価
してしまうのですね。
御相談を拝見していて、りんごさんには、良いところ=価値が随分あるように感
じました。例えば、随分と他の人を気遣ったりできる人ですよね。そして、人間
が好きな人ですよね。

先ずは、ご自分の良いところ=価値を受け取ってみませんか?

人によっては、自分の価値を受け取る事に抵抗がある人もいます。
恥ずかしかったり、「天狗になって」とか「そんなあまいもんじゃないぞ!」と
誰かから攻撃されるような感覚になる人もいます。また、両方を感じる人もいま
す。
りんごさんはいかがでしょうか?
もし、恥ずかしいという感覚が強いとすれば、それは心のどこかで自分には価値
がないという感覚をお持ちなのではないでしょうか?
この感覚というのは、多くの場合、子供の頃、例えば兄弟姉妹の関係で親から大
事にされなかったと感じていたり、誰かに負けたと感じていたり、あるいは誰か
を助けられなかったと感じていた感覚が残っています。
もし、誰かから攻撃される感覚が強いとすれば、それは自分が悪い人という感覚
をお持ちなのではないでしょうか?
この感覚というのは、例えば、親に対する不満を持っていると同時に、親の期待
に応えていない自分を感じていたり、子供の頃、親から怒られる事が多かったり
した場合に、悪い自分を感じた感覚が残っています。
ご自分の子供の頃の状況を思い返してみてください。本当にそうだったのでしょ
うか?
今から思えば、子供の頃というのはそんなに力もありませんよね?親にも事情が
あったのかも知れませんよね?
りんごさん、今はこの事情がおわかりになるのではないでしょうか?

さて、この抵抗があるとすれば、先ずは乗り越えてということになりますが(完
全でなくてもいいです。ちょっとはわかったかなぁという程度で結構です)、次
に自分のよい部分=価値をご自分で、20個ほど紙に書き出してみられてはいか
がでしょうか?
例えば「人づきあいが良い」とか「料理がうまい」とか「肌が綺麗」「手先が器
用」「かわいい」「頑張り屋」などなど、どんな事でも思いつくままに書いて結
構です。
もし、誰かりんごさんが気軽に話ができる人がいれば、その人に「私のいいとこ
ろってどこ?」と尋ねてみてもいいかも知れませんね。
そして、その紙に書いた「私の価値」をもう一度ゆっくりと眺めてみてください。
そこにはどんな私が描かれているでしょうか?
そして、もし、そんな「私」のコピーのような人がりんごさんのそばにいたとし
たら、りんごさんはその人をどう感じますか?
その時、そのコピーのような人にりんごさんが感じるものが、実はりんごさんの
周りの人達がりんごさんに感じているものです。

自分の価値を受け取ることは、ご自分の自信を育みます。
自信ができると、自分の出来ていないところに着目してご自分を責めなくなりま
す。
人間は、自分を責めている度合いだけ、他の人や、自分が置かれている状況、時
にはそれを作り出している神のような存在を責めます(「神も仏もない」なんて
よく言いますね)。
従って、自分を責めなくなると、他人に優しくできますね。他人の気持ちや状況
がよく見えるようになります。
そうすると、みんながりんごさんの更なる優しさを感じて集まってきますね。
りんごさんの本当に望んでいる状態になっていくと思います。

先ずは、先の価値を受け取るエクササイズを試してみてください。

回答がお役に立てれば幸甚です。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。