無価値・・・?

相談者名
KATE
初めまして。KATEといいます。
私は今、海外で生活しており、こっちで出会った日本人男性と一緒に部屋をシェアしています。
性格や考え方も似ており、段々と彼のことが好きになってしまいました。
私は昔から好きな人に尽くすのが好きで、今も彼にご飯を作ったりいろいろしています。自分ではそんなに負担でもなく、楽しくしていたんですが、周りからは「恋人同士ではないのにそこまでするのはおかしい」と言われ、私もいろいろと考えるようになりました。、
それから、素直にいろいろ出来なかったり、彼に対して見返りを求めている自分がいます。確かに今は私はご飯を作るのが当たり前で、彼も感謝を口に出すほうではないので、次第に私って彼の何なのか?と考えるようになしました、
あと、彼はうつ病にかかっており、病院へ行ったり、薬を飲んだりしています。大分よくなっていると感じていましたが、本人はきついみたいです。最近学校に復帰したばかりで、帰ってくるなりソファにバタン、そして私のご飯が出来上がるまでごろごろしてるという感じです。
病気だとは分かっていますが。彼の性格なのか、それとも病気なのか?
イライラしている自分もいれば、見返りを求めている自分もいます。
そう考えていると本来の問題は自分になるのかもしれないと感じました。確かに今の自分に自信はないし自分を好きになれません・・・。
でもどうしていいのかわかりません。
他人の意見に振り回されている自分も嫌ですが、客観的に見ることも大切ですし、自分では気づかないことをおしえてくれるので大切にしないとと思っています。
どうしたら自分が好きになれるのか。
また、彼とは今後どんな接し方や関係を保っていけばいいのか。。
難しく感じます。
カウンセラー
大谷常緑
KATEさん、こんにちは。初めまして。
ご相談を担当させていただく大谷です。
よろしくお願いします。

KATEさんは、とても素晴らしいことに気がつかれましたね。
ご相談に書かれている、”本来の問題は自分になるのかもしれない”というくだり
です。
私達は、外から問題が私に忍び寄ってきて問題を引き起こすと考えがちですが、
実はそうではありません。
外からの影響は、実は自分の中にある問題を惹起するだけで、問題の根本はいつ
も自分の内側にあり、また解決策も自分の内側にある・・・というか、自分の内
側にしか存在しないのです。

さて、KATEさんは、周りからの”「恋人同士ではないのにそこまでするのはおか
しい」”と言われた事をきっかけにして、今、現れた問題に向き合っておられる
のですね。
この事にKATEさんが反応されたということは、KATEさんの心の中にある二つの問
題を示唆しています。
一つは、「私はどこかおかしな事をする人間ではないか」とKATEさん自身が思わ
れる傾向があるという事です。もう一つは、KATEさんがそんな風に言われる前か
ら、心のどこかで「恋人でもないのに」という気持ちを持ちながら彼にご飯を作
ったりされてきた、という事です。
前者は、おそらく随分昔にKATEさんの心に根付いた感覚で、このような自分を責
める感覚が自己嫌悪を生んでいます。
この自己嫌悪があると、それを否定する状況を作りたいという強い欲求(ニーズ)
が出てきます。
自己嫌悪を感じるのはとても嫌な感覚ですから、それを否定したいのだけれども
自己嫌悪を持っている自分では当然の事ながら否定できないので、自己嫌悪を否
定してくれるような状況を作り出して、先ず誰かがKATEさんの事を承認してくれ
て、自分でも「やっぱり私は愛される存在」と自分でも自己嫌悪を否定したいの
ですね。
そうすると、自分の自己嫌悪を否定するような、よい子の側面を表に出さねば、
と心が動きます。これは、我々が頭で理解できる顕在意識の動きというよりも、
寧ろ意識していない潜在意識的な心の動きではないかと思います。
だから、そうなるように好きな人に尽くして認めてもらおうとか、頑張って認め
てもらおうという行動を取るのですね。
そうすると、そこには認めてもらえるのでは?という期待を持って我慢している
気持ちがありますから、認めてもらえないと「なんで!」と怒りたくなってしま
います。
これが、今「恋人でもないのに」という気持ち、即ち「まだ認めてもらっていな
いのに」とか、「十分に見返りをもらっていないのに」という気持ちに繋がって、
今のKATEさんの状況や心の問題となっているのですね。
以上のようなKATEさんの心の動きを考えると、今の問題はKATEさんの自己嫌悪か
ら全てが出発している事に帰結します。
では、この自己嫌悪をどのようにすれば無くすことが出来るかですが、いくつか
方法があると思います。
一つは、自己嫌悪を感じるきっかけとなった原体験(一番最初の体験)について
思い出し、それが真実ではなかったこと(単なる自分の勘違いだったことや、そ
れを体験させた状況がKATEさんの問題ではなく、近親者の誰かの問題だったこと)
を理解し、その当時の傷ついた自分を今のKATEさんが癒す方法です。これは自分
お一人で行うのは難しいと思いますので、是非電話カウンセリングを受けられて、
カウンセラーと一緒に取り組まれる事をお薦めします。
二つ目の方法は、自己嫌悪ばかりに着目しないで、自分がよくできている部分に
目を向けることです。
私達は、気持ちが悪かったり、怖かったり、痛い部分に興味を示す傾向がありま
す。
日常生活の中でも怖いと感じるオバケ屋敷に行ったり、ホラー映画を見たり、歯
が痛いにも関わらず、そこを舌で触ってみたりという事をやりますね。
心の中で、これと同じような事をやっているのです。
そこに気持ちを集中するのではなく、逆の、自分のよいところや、自分のできて
いるところに着目すると、今まで駄目な自分しか見えなかったものが、本来の、
等身大の自分まで見えるようになります。等身大の私達は、自己嫌悪を払拭する
に十分なぐらいの価値を持っていることに気づくことができます。
これを進めるエクササイズとしては、眠る前にでも、今日一日のうちで頑張った
こと(結果は伴わなくていいです。自分が頑張ったとに対して)、今日一日のう
ちでよくやったなぁと思うことを取り上げて、自分を褒めてあげることを続けて
ください。例えば「電車の席を譲った」とか「道を教えてあげた」とか、「部屋
の片付けに着手したというような事でも結構です。もちろん「彼にご飯を作って
あげた」でもいいですよ。

さて、今後の彼との接し方ですが、彼が好きだというKATEさんの気持ちを先ずは
伝えてみられてはいかがかと思います。少し勇気が必要ですが・・・。
このままの状態では、KATEさんの気持ちも辛いのではないかなぁと思います。
もし、それが難しいようでしたら、彼のいいところを彼に伝えてあげながら今の
状態をもう少し続けてみてください。
彼は鬱にかかられているということですので、心のどこかで自分を責めておられ
るようです。KATEさんが彼の価値を彼に伝えることで、自分を責める気持ちが和
らいでいくと考えられます。
それは、彼から自分の価値を認めて欲しいKATEさんの気持ちと同じですね。

回答がお役に立てれば幸甚です。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。