恋愛の怖れ

相談者名
ゼラニウム
この約2年半の間に電話カウンセリングを15回程、面談4回利用しています。

仕事での人間関係や片思いの恋を成就させたいといった相談でした。そんな私に今年の4月頃から少しの変化がありました。
長年勤めた会社を辞めた事、彼ができた事です。
しかしその頃から動悸が頻繁にする様になりました。会社に苦手な人がいたのでそのせいかな?とも思いましたが退職後の今も、家で椅子に座っていると地震?と思うほどです。(病院で検査しましたが特に異常はありませんでした)
次の仕事がちゃんと見つかるの?という不安も感じながら今、休職しています。彼とは付き合って3ヶ月経ちますが、深い関係はありません。共通の趣味を持った友達の延長のようです。仕事の相談にものってくれる優しい人です。しかし最近は嫌な所も気になる時もあります。
私は20代の頃から男性を好きになっても付き合うのが怖いと思っていました。性行為に嫌悪感があり、そのことを彼に口にすることも怖くて出来ません。幼い頃に母の不倫相手が酔っ払って、夜中に自宅に入ってきたトラウマがあります。
まわりは結婚・妊娠する友人も増え、焦りも感じます。今一番会いたくないのは妊娠中の親友です。会ったら引け目を感じるというか。負けた感がしそうで怖いのです。でも私もいつかは結婚したい、長い一人暮らしを卒業したいと思っています。
もっともっと人とのつながりが欲しいのです。
克服できるのでしょうか?

カウンセラー
近藤あきとし
ゼラニウムさん はじめまして。
近藤あきとしと申します。
今回はご相談をお寄せくださいましてありがとうございます。
どうぞよろしくお願いいたします。

> この約2年半の間に電話カウンセリングを15回程、面談4回利用しています。
> 仕事での人間関係や片思いの恋を成就させたいといった相談でした。そんな私に今年の4月頃から少
しの変化がありました。
> 長年勤めた会社を辞めた事、彼ができた事です。

カウンセリングを利用しながら目標に向かって進んでこられたのですね。
そして一歩一歩前進して、目に見える形での変化も出てきているところですね。
素晴らしいことです!

> しかしその頃から動悸が頻繁にする様になりました。会社に苦手な人がいたのでそのせいかな?と
も思いましたが退職後の今も、家で椅子に座っていると地震?と思うほどです。(病院で検査しました
が特に異常はありませんでした)
> 次の仕事がちゃんと見つかるの?という不安も感じながら今、休職しています。

それは心配ですね。
病院では異常が見られなかったということは、何か心理的に不安に感じることや
プレッシャーや恐れのようなものをゼラニウムさんの心は無意識的に感じている
ということかもしれませんね。

私も以前会社を退職した時には、同じように動悸が続いて起きていたことがありました。
当時の私には、会社を辞めて本当に良かったのか? 次の職場は見つかるだろうか?
人間関係を上手くやっていけるか?
などの不安と恐れがたくさんありました。またそれらを感じるのもイヤになっていたので、
一生懸命考えないようにしてみたのですが、無理やり抑え込んでも心の底ではその恐れを
感じていたので体がその恐れに敏感に反応していたのかもしれません。

ゼラニウムさんが感じている、次の仕事が見つかるの?という不安以外にも無意識的に
感じている不安や恐れがもしかしたらあるのかもしれませんね。

> 彼とは付き合って3ヶ月経ちますが、深い関係はありません。共通の趣味を持った友達の延長のよう
です。仕事の相談にものってくれる優しい人です。しかし最近は嫌な所も気になる時もあります。

友達のような恋人のようなどっちとも言えないような感じなのでしょうか。
3ヶ月も付き合っているとだいたいロマンスを感じていた時期が終わるころですので、
最初のころのドキドキが減ってきて、ちょっと退屈になったり、相手のアラが見えだす頃
なんですよね。でも好きな彼の嫌なところが見えてしまうと悲しいですよね。

そういったチョットした悲しさ寂しさ虚しさが心に溜まってくると何だか分からないけど
不安になったり嫌な感じがしてしまって、居心地の悪さを感じることは良くあるんです。

退屈や寂しさや悲しさや不安などはできれば感じたくないモノですから心の中へしまい込んで
表面的には感じてないフリをすることはできるのですが、それが無くなったわけではないので
理由は分からないけど、イライラしたり落ち着かない感じになるのもこの時期なんですね。

どうしてそうなるのかというと、実はお互いがもう一歩近づいて関係を進める時期に
来ているからなんですね。次のステップに進む為に今以上の親密感を求めている時なんです。
それならば相手に一歩近づけばそれで済むのですが「親密になることへの恐れ」という感覚が
私たちにはあるんです。

ちょっと思い返してみてほしいのですが、
ゼラニウムさんは本当はもっと仲良くなりたいと思っているのに、
彼が近づいてきたら拒絶してしまうことってあったりしませんか?
あるいは自分からは近づかないように決めていたりはしませんでしょうか?

もしこれ以上近づいてしまったらもう後戻りできない、とか
コンプレックスや心の痛みがあって、これを知られてしまったらきっと嫌われるに決まってる!
という不安があると、私たちはある所からそれ以上は怖くて近づけなくなってしまうんですね。

彼のことは好きだからもっと親密になりたい、でも近づくのは怖いという気持ち同士の
心の中での引っ張り合いが起きてしまうんです。これはとてもしんどいですし、
ストレスになりますから、ゼラニウムさんの不安と恐れの元となっているモノを心の中から
探し出し拾い上げて向き合っていくことが、今の状態から楽になっていく為にはとても大切に
なってくると思います。

> 私は20代の頃から男性を好きになっても付き合うのが怖いと思っていました。性行為に嫌悪感があ
り、そのことを彼に口にすることも怖くて出来ません。幼い頃に母の不倫相手が酔っ払って、夜中に
自宅に入ってきたトラウマがあります。

子供時代に体験した怖い思いが、男性そのものへの恐怖になってしまったみたいですね。
「男は怖いもの、私を傷つけるもの、信用できないもの」というように。
ゼラニウムさんはその思いをずっと一人で抱えてこられたんですね。
それでもそんな思いがありながらも、好きな彼を受け入れたことは大きな一歩でしたね。

過去に男性によって怖い思いをして、心が傷つき痛みを負ったゼラニウムさんは
「二度とあんな痛い思いはしたくない」と思って、男性と距離を置いておかないと
安心できなかったのかもしれません。
この痛みを癒していくには、怖いかもしれませんがもう一度その当時のゼラニウムさんの
心に触れていくことが必要かもしれません。心の中の引き出しにしまい込んでからだいぶ
時間が経つと思いますが、その時に感じた恐怖と痛みは今も残っているわけです。
それをもう一度今のゼラニウムさんの心で救い上げて癒していきましょう。
そしてその痛みはカウンセリング等で癒して取り除いていかれるといいと思いますよ。

またセックスはこれ以上ない位お互いの距離を縮め、とても親密感を高める行為ですから
上に書いた親密感への恐れも重なって余計に拒絶したくなるのではないかと思います。

もうひとつ女性的な部分に対してネガティブな感情があるとセックスに対して
嫌悪感を持ってしまうこともあります。女性であることで損をした傷ついたという
否定的な思いがどこかにあると、女性的な部分を受け入れたくないという気持ちを
無意識的に感じることもあるんです。

「私が女だから何かされてしまうの?」という気持ちがあったとしたら、どこかで
「私が女だからいけないんだ!」という感情が生じることも決して珍しくはないモノなんです。
そうなると女性らしさを感じるものに嫌悪感を感じて遠ざけたくなったり、女性らしさを
自分には無いものとして自分を扱ってしまうこともあるんです。

> まわりは結婚・妊娠する友人も増え、焦りも感じます。今一番会いたくないのは妊娠中の親友です
。会ったら引け目を感じるというか。負けた感がしそうで怖いのです。でも私もいつかは結婚したい
、長い一人暮らしを卒業したいと思っています。

もしかしたらですが、ゼラニウムさんはの中に女としてすべきことをしていない、
女として劣等生などという自分の女性的な部分へのネガティブな思いがあるのかもしれません。
それが、結婚したい幸せになりたいという思いのブレーキになっているみたいですね。

性的なエネルギー(セクシャリティ)は単に性欲に関してのものだけではなく、
生き生きとした魅力、その人本来の魅力のエネルギーでもあるんですね。
女性のセクシャリティをポジティブに受け取め、自分にとって自然なもの・豊かさ・
恩恵として受け入れることができれば、きっとゼラニウムさんの持つ本来の魅力が
勝手に溢れてきてしまうようになりますよ。

そうなるには、先ほども書きましたが女性的な部分へのネガティブな感情が生じた
ルーツに触れていくこととそれを癒していくことは大事だと思います。これが一つ。

それともう一つには、彼との親密感を作っていくことで癒していくことです。
今の悩みや焦りや不安感から彼への感謝と愛情まで、コミュニケーションを
通じて向き合っていこうという気持ちを持ってみてください。

この時気をつけておきたいのがネガティブな感情も隠さずにコミュニケーションする
ということです。ネガティブな感情を抑えていると同時にポジティブな感情も抑えて
しまうので、せっかくのゼラニウムさんの愛情もブロックされて彼に届きにくくなって
しまうんですよ。それでは本末転倒ですからね。

そして是非やってもらいたいのですが、
ゼラニウムさんが今回相談してくださったことを思い切って彼に打ち明けて欲しいんです。
とても勇気のいることですが、とっても大事なことなんです。

私たちが問題を癒していく時やもっと幸せになりたい時、必ず「それだけは絶対にイヤ」
ということをやらなくてはこれ以上進めないという状況がくるんですよね。
もしかしたらゼラニウムさんにとってはそれが今なのかもしれません。

でも彼が本当のパートナーであるなら、ゼラニウムさんが自分の中で一番嫌だと
感じている部分、そこですら愛してくれるはずです。
どうか彼を信じてあげてほしいなと思います。

ゆっくりで良いので進んでいきましょうね。
そして助けが必要ならいつでも声をかけて下さい。
ゼラニウムさんは一人ではないのですから。

今回はご相談ありがとうございました。

近藤あきとし

この記事を書いたカウンセラー

About Author

超自立男性との恋愛・コミュニケーションに関わるお悩み・慢性的な生きづらさの解消などを得意とする。 理論的な“心理分析”と、感覚を使った“心理セラピー”を活用する多面的なサポートが好評。 問題の裏に隠れた「真実の物語」を読み解き「自分の本質を生きる」ことを目指すカウンセリングを提供している。