空の巣症候群?

相談者名
あみ
来年の春に長女が大学進学の為、家を出ます。ずっと頑張ってきたスポーツで結果を出せたので推薦をいただき、よりよい環境と素晴らしい先生の下でそれをもっと極めることができるということで相談して決めました。
ずっと毎日が娘の食事や生活面のサポート中心の日々で、一生懸命頑張る姿をこころから応援し、辛かったときも一緒に乗り越えてきたという思いが私にあり、進学が決まってから毎日の生活にやる気が起きず、すぐにいろいろ考えてしまい、涙がとまらない状態になってしまいました。
気持ちもいつもふさいで、そのせいかはわかりませんが、息苦しくため息ばかりついてしまいます。
主人に話すと「娘がすばらしい環境で思いきり練習しているところを想像しよう。また試合にも時々行けばいい」と慰めてくれます。
頭では前向きに考えるべきだと理解できているつもりではありますが、心が全くついていきません。
自分でも何とかしようと本を読んだり、HPを見たりして
「皆同じ。いつかはやってくること。前向きに自分の楽しみを見つけよう」と一時は気持ちを建て直しますが、無理をしているのか、ちょっとしたことがきっかけですぐにもっとひどい落ち込み状態に戻ってしまうという繰り返しで、苦しい毎日です。
まだ下の子もいるし、励ましてくれる主人の為にもしっかりしなければと思いますが。
どうしたら前向きに毎日を楽しめるようになるでしょうか。
カウンセラー
近藤みわ
あみさん、こんにちは、近藤みわです。
メールありがとうございます。

娘さんのために、あみさんが本当に一生懸命に生きてきた姿が目に浮かびます。
その甲斐あって、素晴らしい成果がでましたね、見事です。
お母様もお子様も充分ひたむきで、もしかして、いつでもどんなときでも前向きに
生きてこられたのではないでしょうか。
誰にでもできる事ではありません。そしてお母様の献身的な助力、深い愛情を、
娘さんは充分に感じ受け取って、さらに素晴らしい環境へ行かれるのだろう
と思います。

手をかけて愛情を注いできたのに、急にそのことでがんばらなくてもいい状況に
なったとなると、今度はいったいどうやって生きていっていいのか、わからなく
なりますね。

突然寂しさも襲ってくるかもしれません。必死で頑張ってきたことが
なくなって、燃えつきてしまったような気分のようでもありますね。
これまで必死でエネルギーを注いできた部分が突然空っぽになってしまうのは、
本当に辛いことです。

それから、娘さんの事を一生懸命応援してきたけれど、長い間ずうっと忙しくて、
あみさんご自身の気持ちについて、大切に感ずることが、ほとんどできなかったのかも
しれません。本当はそこにいろいろな気持ちが隠されていたのかもしれません。

あみさんの中に、いつでも子供のためにがんばらないと、前向きでいないと、
という気持ちがあまりにも強いと、本来は力を抜いていい、もう充分がんばったから
これでいいと、思ってもいい時にさえも、自分はこれではいけない、という気持ちが
働いてしまって更に辛くなるように思います。

そこでいつでも前向きでなければ、とはもう思わないでくださいね。
ゆっくり充電する時間も必要です。

寂しさ、虚しさがあったら、ひとりで何とかしなければと思う分、苦しい気持ちが
空周りします。その気持ちは一人きりで簡単に何とかできるものではありません。

でもあみさんはひとりではありません。そこにはアドバイスをしてくれる、旦那さん
もいます。旦那さんは今どういう気持ちでおられるのでしょうか。そこで夫婦
じみじみ、語り合ってみてもいいかもしれませんね。思い出話しをしてもいいし、
一緒に映画を見に行く時間などあったら、作ってみてはいかがでしょうか。

これから必要なのは、あみさんがこれからの人生を自分のためにどうやって生きて
いくか、それを見つけることかもしれません。もしかしたらあみさんは、それに
気付いているからこそ、今のような気持ちになっているかもしれませんね。

上の娘さんはきっとすごくうれしいと思います。まだこれから先、娘さんの未来を
見続けることはできます。今度は直接手をかけることではなく、娘さんを遠くから
見守るように、ただ心で見守っていく事で、上の娘さんにも、またご家族にも充分な
状況になっていくのではないでしょうか。

そして手が楽になった分、あみさんは好きなことを是非やってみてください。
あみさんの喜ぶ顔がご家族の幸せにつながります。燃え尽きて疲れた心を休めたら、
今度は自分のために生きることを考えてみる、そんな分岐点に差し掛かっている
ように思います。

ご主人と幸せに生きることや、今後の人生を楽しむことを考えていい時期なのだと
思います。これまで娘さんにやってあげたことをご自身にやってあげるように、
ご自身にもいろいろプレゼントしてあげてください。

お茶なら、お気に入りのお茶を自分自身に入れてあげるように、ひとつひとつ、
ご自分の好みにこだわってみてください。あるいは頼れる人や好きな友人など、
人間関係を探していくのもいいですね。

今は疲れて何もしたくないかもしれません。そんなときは、今までできなかった
ことで、本当はやりたかった事など、とりあえずリストアップしてみてください。

第2の人生は退屈するほど長くないかもしれないとしたら、どうかご自身のために
悔いのないように生きることを考えていってくださいね。

何か疑問に思われることや、これは違うとか、わからないことがありましたら、
電話をくださいね。あみさんが少しでも楽になれますよう願っています。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

柔軟な思考と深い洞察力を用いたサポートを得意とする。人間関係全般、介護、メンタルヘルス、セクシャルマイノリティー等のジャンルを扱う。理屈よりも寄り添う事を大事にしている。成人過ぎの子供を持ち、自らもいろいろな体験をしていて、知識も豊富である。産業カウンセラー