主人の代わり?に子供を怒鳴ってしまう

相談者名
えぬさん
初めまして。

なる子がいます。
生まれてから主人を憎らしく思うようになり、怒鳴ったり嫌味を言うようになりました。

今年に入り、主人が禁煙とダイエットに成功してから、私の気も収まり、だいぶ普通に接することができるようになりました。話はあまりしたくありませんが‥

その代わり、一日に二回位、子供を怒鳴ったり嫌味を言うように。

うるさい!泣かないの!とか。
お菓子を沢山所望する子供に「病気になっても良いんなら食べな」と暴言を吐き、
沢山あげたりします。ダメと言うのが面倒なのです。
子供は、泣きながら食べます。

主人は仕事が忙しくて、二~三カ月休みなしのときも時々、とにかく休みが少なすぎるので、必然的に家庭のことは私に丸投げです。
休みなしが続くと、私が子供に暴言を吐くことが増えます。言ったときはちょっとスッキリしてしまいます。

実家は事情により頼れないので、時々一時保育に預けたりしています。が、全然リフレッシュできません。

最近は、市販のサプリを飲んだりして気持ちをコントロールしようとしていますが、どうすれば、気持ちが安定しますでしょうか。

伸び伸び育てたいと思っていたのに、このままでは子供に悪影響を与えるのではないでしょうか。

ちなみに、主人に合わせて私が仕事を辞めたりしたので、主人のせい で人生が狂ったとか、逆恨みの気持ちがずっとあります。そして、今迄色々あって実家の父と姉も憎らしく思ってしまいます。母はいません。
これも関係ありますでしょうか。

カウンセラー
池尾昌紀
池尾昌紀と申します。
ご相談ありがとうございます。

「どうすれば、気持ちが安定しますでしょうか。」と書いてくださった、えぬさんからのご相談です。

最初にお伝えしたいのは、今、えぬさんは「家事と育児で手一杯」ということを、改めて知っていただきたいということです。

ご相談に書いてくださっているとおり、ご主人がこれほど忙しい、また、実家を頼れないとなると、本当にたった一人で子育てをしていかなければなりません。
これは、本当に大変なことです。

そもそも、子育てというのは、大変です。
男の私が言うのもなんなのですが、その大変さというのは、経験した人にしかわからないものだと思います。

でも、周囲も、また母親自身も、やれて当たり前、という感覚を持ってしまうようです。
社会的な背景や、自分の親の世代がそうだった等、いろいろな理由があると思いますが、特に日本の場合は、そうした観念(=~して当たり前という感覚)が強いように思います。

すると、子育てをしているお母さんは、無意識に、できていない自分を責めてしまうことがあるようです。
ところが、そうしたお母さんが手を抜いているかというと、そうではなくて、とても自分に厳しかったりするので、きちんとやれていたり、あるいは、できる範囲でベストを尽くしておられることが多いようなのですね。

子育ては、仕事と違って、終わりがありません。
そうしたことも、自分を追い込みやすくなる理由のひとつと言えるでしょう。

このように、一生懸命やっているのに、自分をほめてあげることができなくて、苦しんでおられる方が、本当に多いように思います。

ただでさえ、そうした大変さがあるのに、えぬさんの場合は、ご主人が本当に休みがないハードワークをされておられる方です。
すると、具体的に手伝ってもらうことができないというだけでなく、話をしたり、相談したりといった、頼り方もできなくなってしまいます。

そうした状態で子育てを続けていけば、心に余裕がなくなって、一杯一杯になってしまいます。
それでは、気持ちが安定しないのも、無理はないと思うのですね。

ですから、まず、
「私はとてもがんばっている、ベストをつくしている」と自分をほめてあげることから始められてみてください。
心からそう思えなくても結構です。
毎朝、また、夜寝る前に、ただ、この言葉を自分に向かって伝えてあげてください。

自分をほめてあげる、認めてあげることで、心は喜びます。
そのことで、心が楽になることがあります。

だって、それは、本当のことなのですから。

次に、心が一杯一杯である状態を、少しでも和らぐ工夫をしてみてください。

カウンセリングの中では、「一人になって休む時間を作りましょう」とご提案させていただくことがあります。
そして、それを実行する時には、大切なポイントがあります。

えぬさんがやっておられる「時々一時保育に預ける」というのは、とてもいい方法だと思います。

ところが、こうした一人の時間を作っても、なかなか休めない、ということが起こってきます。
えぬさんが書いてくださっているとおりですね。

それは、先ほどの「子育てに対する自分を責める気持ち」が生む心理であると言えると思います。

つまり、「子どもを放っておいて、自分だけ休んでもいいのか」という罪悪感が、心を休ませてくれなくなるのです。

そこで、付け加えるといい大切なポイントというのが、「一人の時間を作る時には、全力でぼーっとしようと思う」ということです。

ところが、これが言うは易し、とても難しいのですね。

私はカウンセリングでこの提案をさせていただく時には
「5分でいいから、何も考えない時間を作ろうと思ってください」とお伝えしています。

たった5分。でも、5分でも何も考えないでぼーっとできたら、それだけでも、随分違います。
この5分を段々と増やしていこう、と積み重ねていってみてください。
最初は難しくても、積み重ねて練習していくと、できるようになってきます。

逆に言えば、5分ですら、心を休ませることができないほど、がんばっているのだ、ということなんです。

24時間、寝ている時も、心が休まっていないということになります。

もしそうだとしたら、気持ちが不安定になっても、当然だと思いませんか?

他には、「誰かに今の思いを話す」という方法もあります。
友達、知人、誰でもいいので、できたら1週間に1回は、自分の思いを話せる時間が作れると、とても楽になれると思います。

なかなか周りにそうした人がいない、ということでしたら、カウンセリングサービスの無料電話カウンセリングをご利用いただいてもいいかと思います。
電話代をご負担いただかなければならないので恐縮ですが、誰かに話を聞いてもらえると、その時間は「あなたの時間」を作ることになります。

さて、次に、怒りをぶつけてしまう、ことについて書かせていただきたいと思います。

怒りを誰かにぶつけてしまう、というのは、子どもだったり、夫だったりと、自分以外の誰かへの怒りです。
ところが、心理的にみると、それは「自己攻撃」であることが多いようなのです。

怒りについて、こんな風に説明させていただくことがあります。

1.自分自身を責める気持ちが、心の中にできる。

2.自分を責める大きさが大きいために、どんどん苦しくなって、このまま続けていったら、心が死んでしまう感覚になる。

3.心の自己防衛本能が働いて、これ以上、自分を責めないよう、自分の心に壁を作って、感じないようにする。

4.ところが、怒りのエネルギーはなくならないので、それを放出する先として、他の人に怒りをぶつけることになる。

以上のことは、ほとんどの場合、無意識に、心の中で行われることがあるようです。

心が一杯一杯であればあるほど、自分の心の中に怒りをとどめておくことが難しくなるので、それは他の人に出やすくなります。

もし、このご説明が、えぬさんにも当てはまるとしたら、表面的には、子どもや夫に怒っているという形を取りながら、すべて、自分を責めていること、になります。
それほど、ご自身ができていない、だめだ、と自分に厳しくなってしまっているのですね。

そう思えば、実家の家族への怒りについても、
もしかしたら、「自己攻撃」の現れと言えるかもしれません。

ですから、「自分を責めることを止める」ことが、誰かを責めることを止める方法のひとつ、と言えます。

私達が、誰かを責める時。
それが「自分を責めている」ことを現しているとしたら。

そこに隠れている気持ちを整理して、気づいていくことが、自分を責めることを止めることに役立つことがあります。

それは、幼い頃に出来た、「自分が悪い」「自分はだめなんだ」「自分は愛されない」という思いであることがあります。

けれど、それは、誤解であることも多いのですね。
例えば、親が忙しくて、かまってもらえなかった子ども時代があると、かまってもらえないことで、「自分が悪いから、親はかまってくれないのだ」という思いを、子ども心に思ってしまうことがあります。

でも、親が忙しかったという事情があっただけで、子どもを愛していなかったわけでなない、と誤解が解ける場合もあります。

いろいろなケースがあるので、一概には言えませんが、子ども時代を振り返り、整理して、ずっと感じることができなかった感情を感じることで、その糸口が見つかることもあります。

もし、ずっと昔から「自分がだめなのだ」と感じているとしたら、そんな自分に厳しくなってしまいます。
もしかしたら、幼い時から、ずっと我慢して、弱音を吐けず、一人でやらなければならないと、がんばってこられたのかもしれません。

そうした、ずっと心の中に積もってきた、様々な思いが、心の中に満ちていることが、心を一杯一杯にしているかもしれないのです。

もしそうだとしたら、様々な思いを誰かに話すなどして、整理していくことができたら、心の中が整理され、心に積もったものを減らすことができるかもしれません。

あなたは「自分に厳しすぎるほど、自分を責めたり、追い込んだり」しなければならない方なのでしょうか。
でも、決してそうではありません。
先に書かせていただいたように、本当にあなたはベストを尽くしてがんばっておられるのです。
今も、昔も、ずっと、ずっと。

そして、こんな風に思ってみてください。

あなたが、とても優しく、愛にあふれた心の持ち主である、ということを。

子どもや夫や、もっと言えば、実家の家族を責めてしまうというお話。
もし、あなたの心が冷たいなら、そのことが全く気にならないはずです。

今、そのことに苦しんで、苦しみがあまりに辛いので、わざわざ、こうしてご相談をくださっておられます。

それは、本当は誰も責めたくない、ということを現しています。

あなたの心が優しく、大きな愛を持っておられるから、こんなに苦しんでいるのです。

どうか、ご自身の優しさと愛の大きさを感じてあげてください。

そのことが、あなたの苦しみを抜けていく大きな力になると思います。

ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。