自分を辞めたい

相談者名
モン
皆様のさまざまな悩みとそれに対する先生方のご回答を読み、とても励まされておりますが、やはり私個人への助言をいただきたく投稿いたします。
33歳にもなって「自己実現ができない自分」に嫌気が差しています。
これまでの人生で心の底から「楽しい」「嬉しい」と感じたことがなく、何事に対しても「為した」という実感が得られません。仕事・趣味など転々としましたが、実感が伴わないためいつまで経っても「経験として身につかない」のです。
幼少の頃から「自己表現」(自分の望みを相手に伝えること)が苦手でした。
職場や親戚同士の集まる場において、挨拶ができない、人の目(顔)を見て話せない、気軽な会話ができず常に深刻な雰囲気で周囲を疲れさせて(気を使わせて)しまう、といったことがあります。
結果、他人に不快な思いをさせるくらいならと、人と関わりを持つことや集まりの場に出ることはことごとく避けています。
以前は他人に対するそうした態度を、今では(この年齢ですから)そうした場を意図的に避ける姿勢を母親に咎められ、その度ごとに自分のふがいなさに死にたくなります。
また、私は小学生の頃から、自分が「女である」ことに違和感をおぼえ、嫌悪してきました。未だに気味が悪くて鏡に映る己の姿を直視できません。性同一性障害という言葉の存在を知った時、同じ悩みを持つ人がいるのだと安堵したのと同時に、当事者の方々のつらい体験談を読むにつけ、結局この私の女性嫌悪も、自分の幼稚さから来る単なる甘えに過ぎないのだと思い至るようになりました。
女でもなく、男でもなく、大人にもなれず、かといって無邪気な子供にもなりきれないのに、物理的な年齢だけは徒に重ねていく…。対外的には杓子定規な行動で他人からの(誰からの?)非難を必死に防ごうとしている…。
…疲れました。
最近、新たに稽古事を始めたのですが、経済的な事情でなかなか思うに任せないこともあり、仕事が休みの日も日がな悶々としています。
何とか明日も生きられる勇気をいただきたいのです。
カウンセラー
赤松わこ
モンさん初めまして、ご相談ありがとうございます。
担当させて頂きます、赤松わこと申します。
どうぞよろしくお願いします。

いつもHPをご覧頂いているんですね。ありがとうございます。

>「自己実現ができない自分」に嫌気が差しています。

モンさんのご相談を読ませて頂いて、「とても真面目な方なんだなぁ」
と感じました。モンさんの求めておられる『自己実現』とは、例えば
どんな自分になれたら、思う通りになったと感じられるのでしょうか?
「それが分からないから、ずっと悩んできたんです」と、仰るかも
知れませんね。その方法が分かっていれば、真面目なモンさんですから、
きっと一生懸命頑張って、実行されていたでしょうしね。

でも答えはご相談の中で、モンさんご自身が書かれているんですよ。

ーーーーー心の底から「楽しい」「嬉しい」と感じられて、何事に対しても
「為した」(=頑張れたと自分で認めることが出来た)という、実感が
得られたとしたらーーーーーこれこそ!『自己実現』だと思うんです。
『自己実現』とは、「何ものかに為る」、ことではないですよね。
「自分自身で選んで決め、実行したことを心の底から楽しみ喜べる」こと、
なのではないかな?と、思うのですが、モンさんはどう思われますか?

もしかするとモンさんご自身も、「『自己実現』する方法は分かっている、
でもそれが出来なくて悩んでいる」と、思っていらっしゃったのかも
知れませんね。

そこで小さい頃からモンさんが、「『自己表現』が苦手だった」と言うことが、
重要なキーワードになってくるんです。
『自己表現』=自分の望みを相手に伝えることと、モンさんは仰っています。
『自分の望み』とは「あれが欲しい!これをやりたい!」と言うことですよね。
それを伝えるのが苦手だったモンさんは、周りの人達にとても気を使って、
遠慮をされていたようですね。それだけ周りの人達を大切に思っておられた、
私にはそう思えます。だからこそ!敢えて関わりを避けているご自分自身を、
強く責めたり嫌悪したりしてこられたんでしょうね。

>他人に不快な思いをさせるくらいならと、人と関わりを持つことや集まりの
場に出ることはことごとく避けています。

周りの人達に不快な思いをさせないように、まずそのことをいつも考えて、
ご自分の行動を制限してしまわれたんですね。
人が嫌いで避けていた訳ではなく、人に嫌われないように避けていた訳ですから、
心の中は、淋しさでいっぱいだったのではありませんか?
そしてもう1つ、人を避ける理由になっていたことがありましたね・・・

>小学生の頃から、自分が「女である」ことに違和感をおぼえ、嫌悪してきました。
未だに気味が悪くて鏡に映る己の姿を直視できません。

自分の姿を「気味が悪い」と仰るほど嫌っておられる、「女である」ことの違和感
とは、どんな感じのものだったのだろうな?と思いましたが、想像がつきません。
同じ悩みを持つ人達がいることを知って、「もしかして自分も・・・」と思われた
こともあったのだろうか?と考えると、モンさんの「女である」ことの違和感とは、
「男でない」ことの失望感に近いお気持ちだったのだろうか?とも思いました。
モンさんご自身が、違和感や嫌悪感を抱いて、ご自分を見ておられたとすると、
そのお気持ちは周りの人達に映し出されます。(心理学では『投影』と言います)
「自分がこんなに嫌っているんだから、周りの人達もきっと好きにはなってくれない」
そんな風な心理を作ってしまうんですね。その気持ちがまたモンさんに、人を
遠ざける行動を取らせてしまっていたんですね。

>対外的には杓子定規な行動で他人からの(誰からの?)非難を必死に防ごうと
している…。…疲れました。

『自己表現』が苦手だったことと、「女である」ことに違和感を感じておられたこと、
その二つのことが原因で、モンさんはずっとご自分を責め続けてこられたようですね。
他人からの非難と思ってしまって、モンさんを疲れさせてしまっていたのは、実は
ご自分自身を責めていたモンさんの、ご自分への非難の気持ちだったんですよ。

>挨拶ができない、人の目(顔)を見て話せない、気軽な会話ができず常に深刻な
雰囲気で周囲を疲れさせて(気を使わせて)しまう、

その時にモンさんが感じておられたお気持ちは、「何を話せばいいのか分からない」
「自分がどんな表情で話しているのか、気になって仕方がない」と言ったような、
『不安』や『怖れ』だったのではなかったでしょうか?
モンさんだけではなく、誰でも人と接する時『不安』や『怖れ』を感じるんですよ。
ただ・・・モンさんの場合は、その度合いがとても強かったんだろうと思います。

ずっと昔の幼い頃のことを、思い出してみて頂きたいのですが、ご両親から常に
厳しく躾けられていて、軽々しく話せなかったとか、ご両親や周りの人達がとても
忙しくて、いつも1人で我慢して、待っていなくてはいけなかったとか、
そんなことはありませんでしたか?なぜそんなことを伺うかと言うと、
その当時モンさんがずっと感じてた気持ちが、今のモンさんの行動を、抑え込んで
いると思われるからなんですね。
自分が何かを言ったり行動したりすることは、周りの人達に、「気を使わせる」
「不快な思いをさせる」と、思い込んでしまう程に強く、モンさんが大人になった
今でも、未だに消えずに残っていると言うことなんです。

幼い頃に思い込んでしまったことが、モンさんの心の中で大きなブレーキになって、
モンさんの『自己実現』を阻んでいたと言うことに、気づいて頂きたいんですね。
そのブレーキを外してあげれば、モンさんに楽になって頂ける訳です。
『自己表現』が苦手だったことと、「女である」ことに違和感を感じておられたこと、
この2つの心の中の重荷を下ろして頂くことも、もちろん!出来ると思います。
今日までモンさんは本当に頑張って、日々を過ごして来られたと思います。
でももうこれからはモンさん1人で、頑張らなくていいと思います。
これまでもそれだけの勇気があったんです、今度はその勇気を、ご自分を変えるために
使ってみられてはいかがでしょう?今必要なのは、「変えたい!」と心の底から感じて、
1歩を踏み出す勇気です。もしよければ私達カウンセラーに、モンさんの『自己実現』
の、お手伝いをさせて頂けたら嬉しいなぁと思います。いつでもお待ちしております。
ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

家族関係・対人関係・パートナーシップ・自己肯定自己実現を得意分野とし、がん看護・認知症介護の経験から医療・福祉関係にも精通している。 深層心理への唯一のアプローチである【感覚・感情】を解放する、癒しのスペシャリスト。 「体感で楽になった」「腑に落ちる」「納得がいった」と好評をえている。