彼に対して感じる恐怖

相談者名
こんにちは。
ご相談したいことは、つきあっている相手に対して、怖いと感じてしまうことです。
知り合ってからまだ日が浅く、つきあいはじめたばかりで、相手のことをよく知らないせいなのかとも思いましたが、どうも、昔のことが原因なのかなと感じます。
子供の頃に、近所の男の子たちにいやがらせ(暴言を吐かれたり、叩かれたりなど)を受け、男=私を傷つけるこわいもの、と思い込んでしまっているようです。

また、自分自身に対して、いやがらせをされるような、愛される価値のない女、と思ってしまっています。
今つきあっている相手は、そのことを知っています。
知っていて、私を受け止めようとしてくれています。
彼の気持ちにこたえたい。
でもどうしたらいいのかわかりません。

よろしくお願いします。

カウンセラー
大門昌代
郁さん、はじめまして。大門と申します。どうぞよろしくお願いします。
つきあっている彼に対して「怖い」と感じてしまうのは、とてもつらいでしょうね。
彼は郁さんに愛情を注いでくれているのに、それを受け取れないわけですから、彼に対してなんだか申し訳ない気持ちにもなりますよね。

お付き合いが始まって、まだ日が浅いとのことですから、彼のことをあまりよく知らないというのも、確かに原因の一つかもしれませんね。
人は、知らないもの、わからないものに対して、怖いと感じますからね。
でも、このあまりよく知らないものに対しての「怖い」は、ワクワクドキドキする胸の高鳴りにもなりえますから、これだけが原因とは、やはり言えないでしょう。

ご相談文に書いて下さっているように、幼いときに男の子たちに嫌がらせをされて、「男=私を傷つける怖いもの」となってしまっていることは、彼に対して怖いと感じる大きな原因だと思います。
「男=私を傷つける怖いもの」ということは、その裏側には「私=男に傷つけられる弱いもの」という思い込みもあるでしょう。
そして、その下には「私=愛される価値のない女」という思い込みも隠れていますね。

私は愛される価値のない女という思いを、無価値感と言います。
無価値感があると、例え彼が「愛している」と心から言ってくれたとしても、自分には価値がないという思いを信じているので、彼の言葉が受け取れなくなってしまい「嘘でしょ」となってしまいます。
それは彼にとっては、とても悲しいことでしょうし、郁さんにとっても大好きな彼を悲しませることになりますから、なんとかしたいと思いますよね。

郁さんの場合は、無価値感を感じてしまった原因が、子どの頃に男の子たちにいやがらせをされたことによる部分が大きいかと思いますので、無価値感を癒していく方法としていくつかご紹介しておきますね。
まず一つ目は、「私には無価値感があるのだな」と受け入れていくことです。そして、「無価値感を克服しよう」という意思を持っていくことです。
それだけ?と思われるかもしれませんが、そういう思いがあるのだと意識するだけで、無意識で愛情を受け取れなかったものが、受け取ってみように変化することもあります。

次の方法は、�自分に価値を与えていってあげる方法です。
この方法は、地道にコツコツと根気よく続けていっていただく必要があります。
人には必ずいいところや、素晴らしところがあります。それを発見していくのです。
この方法は、毎日コツコツと気長に続けていっていただくことが大切です。

「私って、けっこう笑顔がかわいいな」
「彼の気持ちにこたえたいと思える私は素敵だな」
「今日もお仕事頑張れたな」
「私は挨拶をきちんとできるな」
「私の手って、小さくてかわいいな」

何でもいいのです。自分のよいところ、素敵なところを、探そうという目を持ってやってみて下さい。
自分でどうしても思いつかないようでしたら、お友達やご家族に「私にいいところってどこ?」と聞いてみて下さい。
自分では気付かない部分を教えてくれます。

無価値感を感じているので、誰かがいいところを教えてくれたり、自分で発見しても、即座に「いやそんなことはない。私には価値がないよのよ」と打ち消したくなるかもしれません。
例え打ち消してしまったとしても、そんな自分がダメなんだと自分を責めるのではなく、またいいところを見つけてみようとコツコツと続けていくのです。

カウンセリングでは、無価値感を持ってしまった過去をもう一度振り返り、考えてみるということをやることがあります。
郁さんの場合なら、「あの時、男の子たちは、私にずいぶんとひどいことをしたけど、私は本当に、そんな扱いを受けて当り前の人間だったのだろうか?」「もしかしたら、あの男の子たちが言ったことは、本当のことではなかったのかもしれない」
「あんなひどいことをされて、私は自分には価値がないと思ったけれど、そんなことなかったのかもしれない」「あのときは、小さかったし男の子たちが、とても怖い存在に思えたけど、大人になった今なら、嫌なことは嫌と言えるかもしれない」
こんな感じですね。
この方法も、すぐには考えを変えることができないかもしれませんが、何度も何度もやっていくことが大切です。

そして当時の怖かった感情や、悲しかった感情を解放していってあげるということも、方法の一つです。
未処理の感情を抱えたままですと、同じような状況が起こったときや、起こりそうだと感じたときに、昔の感情が出てくることがあるのです「男=私を傷つけるもの」と思ってしまった当時の感情を、処理していってあげることで、今の彼と、昔いじわるをした男の子たちを、別物として感じることがでるようになります。
感情を処理するには、感じきるというとてもシンプルな方法を使います。
感情は感じ切ってあげると、処理されていきます。
ですが、あまりに怖すぎたり、あまりにショックな状況ですと、感じきることができずに、未処理の状態で、心の奥にため込んでしまうことがあるのです。
この昔の感情を感じ切って解放していってあげることができると、過去の出来事を通して、今を見なくてすむようになります。
ただ、感情を一人で感じ切ろうとしても、頭で考えてしまって、感じきることができなかったり、余計に気分が落ち込んでしまったりすることがありますから、この方法を試されるのでしたら、カウンセリングをご利用いただくのも、ひとつの方法かと思います。

最後に、郁さんは「彼の気持ちにこたえたい」というとても素晴らしい心をお持ちです。
無価値感が強い場合、自分のためにはなかなか頑張れないということもあるのですが、彼の為と思うことで、色々なことにチャレンジしやすくなるのではないかと思います。
郁さんが自分の価値を受け取って、彼と幸せになれることを祈っています。
ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

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恋愛や結婚、浮気や離婚など男女関係、対人関係やビジネス関係、家族関係や子育て、子供の反抗期、子離れ、親離れ問題など幅広いジャンルを得意とし、お客様からの支持が厚い。 女性ならではの視点と優しさ、母としての厳しさと懐の深さのあるカウンセリングが好評である。PHP研究所より3冊出版。