遠距離恋愛と心の隙間

相談者名
めい
遠距離恋愛中の彼がいるにもかかわらず自分の浮気心に気づいて戸惑っています。

彼は留学中に知り合った台湾の人で付き合い始めて間もなく遠恋スタート、約二年になります。私は大学卒業後日本で就職し、彼は海外大学院へ進学予定。

彼はとても誠実な人で、将来を共にしたいと二人で話しています。ただ、私の方は気持ちが募るほど不安定になりがち。電話・メールは毎日、会う頻度は三ヶ月~半年に一度。遠くにいても心理的な距離が離れる心配がないほど、彼の優しさと愛情は十分伝わってきます。それでも、すぐに会えない・エッチできない寂しさに襲われ「こんなに想ってくれてるのにどうして私って強くなれないんだろう」と嫌になります。最近は将来に対する不安とプレッシャーで、電話越しに彼に泣きつくことも。

近頃、私の心に影がさす出来事がありました。高校の先生にひそかな浮気心を持っている自分に気づいたのです。先生は50代後半で私の在校中から独身(奥さんとは随分前に別れた模様)。現在は海外の大学院に留学中の女性と交際しているそう。高校に遊びに行ったことがきっかけで飲みに連れていってもらい、その後インスタントメッセンジャーでチャット(私がオンラインの時はたいてい話しかけられて、適当な所で会話を終える)していました。

私に限らず教え子とよく連絡をとっている先生なのですが、最近調子が変わって、「私のことを教え子というよりも女としてみているのでは」と感じるようになり、動揺しました。高校時代の私にとって先生は自分の胸のうちを打ち明けられる存在で、真剣な恋ではないものの好意を持っていました。まさか先生と男女の仲を意識するとは思ってもなかったので、私の方は、あるはずもないハプニングを想像しながら一人で恋愛ごっこをして、自分の心を解放していた感があります。海を隔てても心のつながりはうんと感じられる彼ですが、やっぱり体はさみしくなるもので、実際に他の男性と体の関係を持つことは望んでいないものの、どこか拠り所がほしかったんだと思います。

現時点で先生との間に特別な関係はなく、このまま連絡をとらなければ済むようにも思います。一方で、何かきっかけさえあれば浮気してしまいかねない心理状況にある自分がいると知ったことがショックで、でもさみしいし集中できないし、どうやって自分を立て直せるか悩んでいます。

カウンセラー
ながのひろみ
めいさん、はじめまして。
担当させていただくながのひろみです。よろしくお願いいたします。

彼の愛情が十分に感じられるのに、すぐに会えないのは辛いですよね。
しかも相手が住むところが海外となると、簡単に会えるものでもないので、
いっそう辛さが募ると思います。

人が外界からキャッチする感覚のうち、好ましい心地よい感覚というのは、
人によって違います。たとえば、愛しているという表現をパートナーからもらう場合に、
言葉で愛していると伝えてもらうことが最も嬉しく感じる聴覚派もいれば、
プレゼントのように目で見える形でもらうことが一番の愛情確認になる視覚派、
体で触れ合うことで最高に満たされる触覚派などです。

めいさんは体の触れ合いをとても大切にされているようなので、触覚派なのかもしれません。
電話やメールによっても心のつながりは十分感じれるのだけれど、
実際に会って、見て、触れてというダイレクトな感覚に比べたら、
どことなく物足りないような気持ちも出てくるのでしょう。
加えて、なかなか会えない相手だからこそ、その会えた時間が最高に幸せで
嬉しく愛おしいものにも感じれる反面、会えない時の気持ちの落差も大きく
落ち込んでしまうように思います。

そんなときに、自分の中に浮気心を見つけてしまうと、本当にショックですよね。
こんな私は人として弱いのではないかとか、体のつながりを求めてしまう私は
至らないのではないかいう責める思いが出てきてしまうと思いますが、
そんなに自分を責めないでくださいね。

何故なら、めいさんが感じている物足りなさを感じる気持ちは決していけないものではない
からです。触覚派の方の遠距離恋愛の状況だと、誰でもそういう気持ちにはなると思います。
求める気持ちを実際に行動に移す必要はありませんが、その気持ちを持ってはいけないと
無理に抑えこもうとすると、そのエネルギーが思わぬ方向に向かってしまい、
とてもしんどくなりますから、私はそういう気持ちを持っているなぁと
ただ認めてあげてくださいね。

「私のことを教え子というよりも女としてみているのでは」とめいさんが先生に対して
感じたとありますが、それは、めいさん自身が自分の中の“女”の部分を意識する気持ちが
強くなったのかもしれません。

心理学に投影という言葉があります。よく例えられるのは晴れた日の空の色ですが、
空の色はいつも変わらないのに、自分の気持ちによって、空の色が悲しく見えたり、
澄んで爽やかに見えたりします。これは自分の気持ちを空に“投影”しているのです。

自分の中の女性の部分を意識する度合いだけ、まわりもそのような目で見ているように
感じるのですね。しかし、これは、これまでの自分よりも大人の女性の部分に気付くことが
出来たということですから、むしろ喜ばしいことなんです。

心理学の世界では、父親との心の距離を取っている人は遠距離恋愛になりやすいと
言われています。その点で、めいさんにもし何か心当たりがあるとすれば、
お父さんと心の距離を取ってしまった子供時代を癒すことで、今の不安や寂しさを
解消できるかもしれません。
よかったら、そのお手伝いをわたしたちカウンセラーにさせてくださいね。

めいさんが、満たされた気持ちで彼とのおつきあいができますように応援しています。
今回のご相談、ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

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