彼に希望をもってほしい

相談者名
初めまして。24才女性です。いつもこちらのホームページを見て、今までも沢山ヒントをもらったり迷いが解けたり。感謝しております、ありがとうございます。
私の相談内容なのですが、3才年上の好きな男性のことです。彼と出会ったのは1年前、習い事の学校でした。(セラピストの資格取得のために受講していました)出会って急速に親しくなり、私は彼を異性として愛するようになりました。けれど彼は出会った頃から自分のことで悩みや葛藤がいっぱいで付き合えるような状況でないので、(実際彼にもそう言われました。)友達として仲良くしていました。最初付き合えないという時点で新しい恋にいこうと思い距離をおいたのですが、「付き合えないのに調子いいかもしれないけどそばにいてほしい」と言われたとき、それでもいいかな、と思いました。私自身、彼といる時本当に無理のない自分、自然な自分で幸せでいれるからです。体の関係は持っていません。時々誘われたことも何度かありますが、私の中で「つきあっていないのに、できない」というこだわりがあり、そのつどやんわり断ってしまいました。彼も私のこだわりを分かっているらしく、特に何も言いませんでした。彼の葛藤や悩みは自分の将来と人間関係にあるようです。昔、嫌なことがあって海外に放浪して帰ってきてから、ますますこの国が自分に合っていないと思ったようです。はたから見ていて繊細で傷付きやすいというか、芸術家っぽい感じなので、男性社会ではいろいろきついと感じることが多いそうです。昔は男性社会でバリバリやっていた時もあるのですが、そのためにかなり感情やハートを抑圧したらしく、その反動で過度なアルコールやドラッグに手をだし、飲み過ぎた時は知らない人とケンカしたりもしてしまっていたのです。会っているときはそのような話もふくめいろいろ話したり、でも普通の明るいデートです。いつもお互い終電を逃し、朝まで一緒にいますが、やはり体の関係は持っていません。でも彼にたいして信頼やホッとできる安心感が益々深まってきた最近、彼と結ばれたいとおもうようになりました。(つきあっていなくても)ただ彼は最近、仕事の人間関係がうまくいかず自分の将来にたいして希望がなくなったと言って、引きこもりがちになってしまいました。どんどん元気がなくなっていく彼をみて、自分がなにもできないのが辛いのと、普通の楽しい恋愛をしたい気持ちがでてきて、彼ともう会わないようにしようと思ったことが何度もあります。(それほど彼はいつも悩みや葛藤でいっぱいいっぱいの様子なのです。どうしてそんな小さなことでと思うことも。)こちらのホームページを見させていただいて、勉強しながら、「私が前に進めばいいのかな?」って思いました。でも、彼にたいしてはどんな自分でどう接したらいいのか分からなくて困ってしまいました。彼に元気になって、希望をもってほしい。そのために私はどんな私でいればいいのか、与えたい愛をどう表現すればいいのか、彼から何を受けとったらいいのか・・私1人では
全くわからない状態だったので、メールさせていただきました。長い文になってしまい恐縮ですが、アドバイス頂けたら幸いです。どうぞ宜しくお願い致します。
カウンセラー
多田陽子
はじめまして薫さん。
今回はご相談有難うございます。

ご相談を拝見して最初に感じたことは
「薫さんは本当に彼を助けたいんだなあ」ということでした。

彼はとても感受性豊かで、繊細な方のようですね・・・。
そしてとても才能豊かな方なのでしょうね。

彼の隠れた才能を一番信頼し、見てあげているのは
きっと薫さんなのではないでしょうか。
だからこそ今まで諦めずに
彼の力になりたいと悩みぬいてこられたんですよね・・・。

感性が優れ、才能豊かな方が陥ってしまいやすい「罠」があります。
感受性をあるがままに生かし、表現することが出来ない状況が長引くと
それは逆に多大なストレスと化して自分を罰してしまうのです。

その感受性の大きなエネルギーを使って、何かを創造したり
自由に表現していくことができなくなった度合いだけ、
今度はそのエネルギーをドラッグやアルコールなどの
自己破壊的な方向へ向けてしまいます。
(創造性と破壊性は表裏一体のエネルギーですから、どちらかに方向付けされて
しまうのです)

薫さんもお分かりのように、彼は今、自己攻撃の真っ只中にいらしゃるようですね・・・。

この状況で一番辛いのは
「私が何をしても彼が受け取ってくれてない感じがする」
「私じゃ役に立たないのかな・・・」という
無価値感と失敗感ではないでしょうか・・・?

この感覚があると、これ以上どうしたらいいのかわからなくなるし
長期にわたると、「もう逃げ出したい」というような気持ちになるかもしれませんね。

ご相談の後半に、薫さんがもう自由になりたいと感じているような部分がありましたが
それは当然の感情だと思います。
今のこの状況で一番大切なのは
まず、薫さんご自身が楽になっていくということだと思われます。

薫さんもご自覚の通り、
「自分が変われば、相手や状況も変わる」というのは真実です。

まず薫さんがリーダーシップを取って
自分自身を癒していくことをお勧めします。

もし彼だけでなく、過去の恋愛でもこうした辛い状況の男性に惹かれるパターンを
お持ちなら、それは薫さんのご家族の誰かがとても辛い状況であったのに
「自分は助けられなかった」「役に立てなかった」という無価値感や、または
「私は誰かを見捨ててしまった」という罪悪感が潜在意識に隠れているのかもしれませんね。

その感覚があると、自分が自由に楽しむことに罪悪感を感じてしまったり
誰かを助けようと頑張ってみても結局受け入れてもらえなかったりなどの
辛いパターンが無意識に創られていきます。

それともう一つは
パートナーシップの無意識の力学として
「現在一方が感じている感情は、相手が以前に感じていた感情である」
というのがあります。

上記に書かせていただいた「失敗感」に関して、薫さんが今もし自覚がない場合、
それは彼が今感じている感情ということになります。
逆に今薫さんが感じておられるのであれば
その感覚は彼がずっと昔から感じていた感情を共有している、ということです。
(要するにバランスを取るわけです)

ご相談の文面からも
彼の悲痛なまでの失敗感、罪悪感、無力感が表れていますね・・・。
そしてとても心を閉ざしていらっしゃるようです。
この感情の海の中に一緒に入って、そして一緒に抜け出してあげられるのは
薫さんしかできないことかもしれませんよね・・・。

この苦しみの中に一緒に入ってあげることは
多分薫さんは既に何度もしてあげている(無意識にかもしれませんが)と思います。

ただ、そこから出てゆく出口がないような感覚に捕らわれているのかもしれませんね・・・。
そして迷って、疲れて、もうヘトヘトになってらっしゃるのかもしれませんね・・・。
ここの部分は、お一人では無理な領域だと思います。
(一人ではどうしても背負ってしまうからです・・・)

よかったら出口を探すお手伝いをさせてくださいね。

ご相談有難うございました。
それでは。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

対人関係、恋愛、個性、才能、感情の問題など、様々なお悩みに対応するベテランカウンセラー。 深い意識を熟知し、問題を根本解決へと導く。 世界各国で長年にわたり精神世界を学ぶ一方、大手芸能事務所の番組制作協力をワンクール担当する等、豊かな感受性を生かしてカウンセリング生活を楽しんでいる。