些細なことで。

相談者名
ぱに
こんにちは。

最近、自分でも馬鹿みたいだと思うような些細なことで思い悩んでしまい、落ち込んだあげく死にたくなります。
上手く説明できないのですが、全てが自分にとって悪い方へ悪い方へ流れていくようで不安になり、問題への対策を思いつくことができても悪い想像ばかりしてしまい、パニックになります。
自分はついていない、運が悪い、なにもかも上手くいかない気がする、などの気持ちがとまらなくなります。
自分の力ではどうにもできないように感じて、いっそ死にたいと思ってしまいます。
それが辛くて、心の中で人のせいにして責めはじめ、それも辛くて、今度はまたやはり悪いのは自分なのだと自分を責めます。

きっかけとなることは些細なことで、たとえば物(特別なものではなく買い替えのきく物)をなくしただけで、自分の身にこんなことが起こるなんてやはり自分はついてない、もう終わりだくらいに思ってしまいます。
これほど悩む自分を頭ではバカみたいだと分かっているんですけど、冷静になれません。
実際にいじめにあってはいませんが、気持ち的には世界中の人にいじめられているような、嫌われているような気がしているかもしれません。

思い当たるできごとは、数年前に趣味の集まりの人間関係でトラブルがあったことと、不景気になってから、重要な役目にない自分がいつクビになるかと毎日ビクビク過ごしていたことくらいです。
自分は役に立たない、誰からも必要とされていないと思う気持ちも、常にある気がします。

こんな自分とどう付き合ったらいいのか、アドバイスいただきたく投稿しました。
分かりづらい説明で申し訳ありませんがよろしくお願いします。

カウンセラー
池尾昌紀
ぱにさん、こんにちは。
池尾昌紀と申します。ご相談ありがとうございます。

これほどの苦しみがあるでしょうか。
ぱにさんは、本当に苦しんで苦しんで、毎日を過ごしておられるの
が文面から伝わってきます。
些細なことで落ち込んでしまう、ということは、悩んでいることそ
のものがおかしいのではないかと思い疑い、悩みそのものが苦しみ
であるように感じておられるのかもしれません。
それ故に、誰にもこの苦しみをわかってもらえない、そんな風に
思っておられるのかもしれません。
この悩みは小さな悩みでも、ぱにさん特有の悩みでもありません。
本当に苦しい、なんとか解決してほしいと思う、大きな悩みです。
この苦しみとつきあいながら、ここまでがんばってきた自分自身
を、どうか褒めてあげてください。

こうした状態になった原因について、数年前の趣味の集まりの人間
関係のトラブルと、不景気になってから仕事をクビになるのではな
いかと思うようになったこと、をあげておられます。
確かに、そうしたことが影響をしていると思いますが、それはきっ
かけになっているだけで、ずっと昔からこうした「自分を責めてし
まう」ことを抱えておられたのではないでしょうか。
そうした根本には、幼少の頃のことが関係しているのではないかと
思います。

例えば、ご自身が小さかった頃、育った家庭がとても辛い状況だっ
たとしたら。
いつもきちんとしていないといけない、しっかりしていることを求
められるなど、厳しく育てられた。
あるいは、いつもダメだしをされるなど、小さなことで責められていた。
こうした状況で育っていくと幼心に「自分は期待に答えられない価
値のない人間なんだ」と思うようになっていきます。

直接、ご自身が辛くあたられた経験がなくても、まわりの状態が辛
いと同じことになります。
例えば、両親がケンカばかりしていた、とか、
両親と同居している祖父母との折り合いがわるかったとか。
経済的な理由などで、いつも家庭の中が緊張していたとか。
こうした状況下では、例え、直接的に責められることがなくても、
まるで自分のせいで両親が辛い思いをしているように子どもは受け
取ってしまうことがあります。

遠回りのように思われるかもしれませんが、こうした、ご自身の根
本を探ってみることで、今の辛い状況の源を見つけることができる
ヒントが得られるかもしれません。
一度、ぱにさんの家族がどんな家族だったのか、紙に書いて整理し
てみてはいかがでしょうか。
ご兄弟、ご両親、父方の祖父母、母方の祖父母、父方の兄弟、母方
の兄弟。
ご自分から順に、アミダを書くようにご家族・親類を書き出して、
何か大変だったことはなかったかを書いてみます。
実際に視覚的に表してみると、頭で思っていた時と違った発見をす
ることがあります。

まずは、気が付いて、そして、それを心で感じてみる。
自分を癒す第一歩は、そこからはじまります。

次に、あまりにも自分自身を責めてしまうことを、少し緩和するや
り方をご提案させていただきたいと思います。
ぱにさんは、自分の評価があまりにも厳しすぎるため、些細なこと
でご自身を責めてしまうのだと思います。
完璧でないと自分が許せない。それほど、自分に厳しい。
ですから、ご自身をまず、褒めてあげましょう。
具体的には、毎日、寝る前に5つ自分を褒めてあげてください。
ここで大切なことは、褒める内容は、文字通り「些細なこと」でい
いということです。
例えば、朝ちゃんと起きて仕事に行けた、とか、歯を磨いて寝られ
た、とか。
当たり前じゃないか!と思うようなところまでハードルを下げてく
ださい。
そうでないと、5つ自分を褒めることができないことに気が付かれ
るでしょう。
それほどご自身に対して厳しい評価をしておられるのです。

この世の中に存在価値のない人は誰一人いません。
それどころか、誰もがとてもすばらしい才能を持っておられます。
それは何百というカウンセリングの中で、体験を通じて僕自身が確
信するようになったことです。
信じられないような辛い状況でも、元気に自分を回復された方のお話。
あまりにひどいことをしてきた、と生きることを嘆いていた方が、
本来の才能に気が付いて生き生きと生活できるようになられたお話。
そんなたくさんの方の経験から、確信するようになったことです。

ぱにさん。
あなたは素晴らしい方です。
どんなに周りを責めようとも、やはり自分が悪いのだと自分自身を
責めておられる。
本当に優しい方なのだと思うのです。
だから、周りでなく、自分を責めておられるのです。

どうか、ご自身に価値があることを少しづつでも受け止めてあげて
ください。

ありがとうございました。

 

この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。