機能不全家族に育って

 

相談者名
えむこ
37歳主婦、夫、子ども2人います。

幼少期から両親は不仲で、母から愚痴を聞いて育ちました。
父に対するあらゆる愚痴、母の生い立ちの愚痴、母の母親の愚痴、人を悪くいうことをいつも聞いていました。
両親には会話がなく、何かあると文句を言い合い、時に声を荒げ、私はどうなるのかとどきどきしていました。
父は1人で旅行によく出かけ、その中には浮気もあり、私が中学生の時には女性が家に来て、母と父と離婚がからむ話をしていたり、どっちに付く?と聞かれたこともありました。
4つ上の姉がいますが、いつの頃からか姉妹も仲が悪く、現在全く機能していません。
私が結婚し、姉は家を出て、両親2人になり、母は私に依存して同居を望みましたが、私自身が自分でなくなるような気がして同居を断り、父が遠い土地に家を建て両親別居、私にも拒まれ1人になった母が不安定になり、泥沼になりました。
父が数年で死亡、死後処理の際にも、いろいろな思いから、私に対して攻撃の言動があり、泥沼でした。
現在母はワンルームの1人暮らし65歳、5、6年の間、数回の連絡以外、連絡を絶っています。
私は友達がいなくて、人の輪に入れなくて、話せなくて、何か外界から遮断されたものに閉じこもりたいと考えるような思春期でした。
実際こもったりしませんでしたが、人と壁を作って、付き合わないことで何とかやってきた感じです。
現在も消えたい、と時々思います。
過去を消したい、過去がない、堂々と話せる過去がない、家族がない、人に言えない。
結婚以前は個人対個人での人間関係だったので家族という単位で深く考えませんでした、自分の家族ができ、子どもを介しての付き合いができると、世間の家族が見えて、自分の育った家族について考えました。
現在の私は、夫に対しても、愛情を持つことができず、
話せばいいことでも話さず、同じ空間に居たくなくて、健全な関係を持てません。
母との関係をどうしていけばいいのか、母に対する気持ちや、育った家族に対する気持ちや、私の今までのすべての気持ちをどのように整理し、母に対していけばいいのか、アドバイスお願いします。
母に対しては恨み、嫌悪感があり、ひとりで寂しいだろうという気持ちもありますが、でも電話をするにもためらいます。
夫についても触れましたが
全般に生きにくさや、人との不和を感じます。

カウンセラー
根本裕幸
えむこさん、こんにちは。根本裕幸と申します。
ご相談ありがとうございました。頑張って生きてこられた、何とか生き延びてこられた、そんな感じかもしれませんね。
これだけご両親始め、これだけ心が痛んでいる人たちに囲まれれば、どうしたって、
えむこさんだってめちゃくちゃな思いを抱いてしまうだろうと思います。

家族、というものに対して、そして、人との近い距離において、非常に強い恐怖心を
お持ちなんだろうと思います。
もちろん、それは育った環境からしておかしいことではありません。無理ないものです。

でも、何となしに、何とか家族をつなげようと、うまくやろうと、お母さんを救おうと、
頑張ってこられた時期もあるような気がするんですよね。
それが昔なのか、ついこの間なのか、お父さんが亡くなられたときのように、つい、
助けようとしてしまうのか(たとえそれがうまくいかないと分かっていても)は、
分かりません。

こうした家族関係の下では、未だに「どうなるかとどきどきしていた」私が心の奥に
ちょことんと居続けてしまいます。
大人になっても、ビクンとして、ドキッとして、体が固まったり、心臓がどきどきして
しまうことってありませんか?荒げた声を聞いたときなど。

他にもたくさんあると思いますが、子ども時代から自分がどうなるか、お母さんが
どうなるのか、不安や怖れでいっぱいいっぱいな毎日を送ると、それが癖になったかの
ように、大人になってからも、そのパターンを引きずることが少なくないと思うのです。

特にそれがお父さんがきっかけ、原因だと感じていれば、やがては、今のご主人との
関係性(不仲)にも通じることになるんです。

そういう意味では根源的な問題は、やはりお父さんと言えるかも知れません。
そして、そのお父さんに傷つけられたのか、とても依存的になってしまったお母さん。
そのお母さんのことこを放っておけずにずーっと心配されてしまうのかもしれません。

さて、そんな状況ではありますが、日常の中では、まずは今の家族に注目することが
一番得策かと思うんですね。
今の土台になる部分ですから。
お子さん達との関係はいかがでしょうか?
もし、ご主人と向き合うよりも、お子さん達と向き合う方がやる気になるのであれば、
今よりもっといい関係をお子さん達と築こうと思ってみてください。
まずは、そこからが出発点です。

つい私達は難しいところから手を付けようとしてしまいます。
でも、普通は難易度の低いところから徐々にチャレンジしていくものですよね?
オリンピックの高飛びの選手だって、いきなりバーを最上段にして始めません。
確実に飛べるところから徐々に高くしていきます。

そして、お子さん達との更に太い絆を作りつつ、ご主人、お母さんへと広げていくのが
いいんじゃないでしょうか。
特に日常ではそんなに過酷な課題を自分に与えない方がいいでしょう。

そして、お母さんやお父さんといった根の深い問題については、カウンセリングや
セラピーの場を利用されるといいでしょう。
人との親密感やおそらく癒着の問題などもあろうかと思いますから、グループでの
セラピーなんかもお勧めしたいところです。

そうした中で、知らず知らずのうちに押し込めてきた感情を解放し、さらには、
お父さんやお母さんが、あんな人生になってしまった背景などを理解していくと、
やがては「許し」という境地に達せられるかと思います。

焦る必要はありません。
今まで知らないうちに抱えてきた感情を解放するということは、今の自分を認め、
許し、ありのままを受け入れてあげるという意味です。
まずは、「今の私」から始めてみようと思ってみてください。

それでは失礼いたします。
有難うございました。

この記事を書いたカウンセラー

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