夫のアルコール依存と手放し

相談者名
K
結婚20年、息子は18歳です。出会った頃、夫は自営での成功を夢見ていましたが、私の説得に応じて大手企業に就職。まじめに働き優しく大変子煩悩ないい父親でした。しかし事業で成功したいという夢が再びわき、7年ほど前私の反対を押し切りついに脱サラ。家族の生活が激変します。
ある日事業のため大きな借金をしたいと言われました。私は実績をあげられていない夫を非難し、リスクが大きすぎると反対しました。反対すれば諦めてくれると信じていました。しかし、どうしても反対するなら離婚して財産分与をすると言われたのです。驚愕しました。夫の決意の固さに、借金を承諾するほかありませんでした。夫は寝る間もなく働き、家族との時間は皆無になりました。夫婦生活もなくなりました。仕事は順調ながら、従業員やパートナーとのトラブルなど、大きなストレスを抱えていた様です。私は寂しいと感じつつも、夫を心から応援したり思い遣る行動はとれませんでした。夫の心は私や家庭から離れ、4年前『もう愛していない。子供のためだけに同居人としてやっていく』と言われました。本当に悲しかったです。今までの自分のあり方や苦しんでいた夫の気持ちを初めて考えました。そんな時こちらのサイトを見て、一心に『手放し』を念じ、実行する努力をしました。長く苦しい日々でしたが諦めきれませんでした。少しずつ夫に笑顔がもどり、再び『愛している』と言ってくれた今年の始め頃、夫の飲酒が常識を越える範囲になっていることに気がつきました。

深夜まで連日の飲酒と二日酔い状態。怒号や暴言。飲酒運手等の危険行為や奇行。アル症に対する正確な知識もサポートもなかった私達は、お酒を止めさせようと必死になりました。しかし止めるはずはありません。息子と夫が大喧嘩をし、1ヶ月前ついに別居。世間的には、夫は社会人としては機能している酒飲みです。でも家族にとっては受け入れ難い病んだ毎日でした。本気で離婚を考え、まだやるべき事があると確信してから、アル症の家族会に通い自分を変えるために勉強をしています。夫は飲み続けていますが、それは彼の問題なんだとわかってきました。『夫(結婚)を手放し、自分自身の問題に向き合う』4年かけてやっと夫の笑顔が戻ってきたのに、また一からやり直し。夫を、家族の絆を、今度こそ永遠に失ってしまうかもしれないという不安に心が折れそうな私にアドバイスをお願いします。

カウンセラー
赤松わこ
Kさん初めまして、ご相談ありがとうございます。
担当させて頂きます、赤松わこと申します。
どうぞよろしくお願いします。

4年間ご主人との関係を修復するために、一生懸命頑張って
こられたKさん、本当に大変だっただろうと思います。
ご主人に気持ちが通じて、再び『愛している』と言う言葉が
聞けるところまでこられた時は、嬉しかったでしょうね。
「頑張ってきてよかった」と思われたのではないでしょうか。

その安堵感が大きかった分、ご主人の飲酒が度を越していると
気づかれた時の、ショックは大きかっただろうと想像できます。
それでも「まだやるべきことがある」と、ご自身を奮い立たせて
家族会に通っておられるKさんからは、ご主人に対する思いの深さ
が伝わって来ます。

そこでお伝えしようと思ったのは、「ご主人も又Kさんや息子さん、
ご家族を大切に思っておられたんですよ」と言うことでした。
それを理解して頂けるように、少しご説明させて頂きますね。

男性が『成功した』と感じるには、2つの要素が必要だと言われて
います。1つは社会的に認められること(=事業が上手くいくこと)、
そしてもう1つは家族を幸せにすることなんですね。
事業が上手くいったとしても、家族の関係がギクシャクしてしまっては、
『成功した』とは感じられないと言うことなんです。

ご主人の場合ご自身の夢を追って、反対を押し切って起業された訳です
から、その時点で、ご家族(特に奥さんであるKさんに対してですが)を、
「自分が夢を追うために犠牲にしてしまった」と、大きな罪悪感を抱えて
しまわれたと考えられます。ご主人が意識されていたかどうか?に関係なく、
罪悪感があると、ご家族に対して負い目や引け目を感じてしまいます。
伝えたいこと分かって欲しいことも、言えなかったかも知れないんですね。

言葉や態度には、表れてはいなかったかも知れませんが、「悪いことをした
申し訳ない」と、心の中では思っておられたと言うことなんです。
ただ夫婦は距離が近すぎて、素直に言葉にして伝えることが、難しいんです。
(気恥ずかしい、言わなくても分かるだろうと思ってしまう)、
その分無理をして、抱え込んでしまうことが多いんです。

ご主人は寝る間も惜しんで、家族との時間もなくなるほど必死になって、
とにかく1日も早く事業を軌道に乗せて、Kさん達を安心させたかった
のだろうと思います。ご自身の夢を叶えることで、家族にも幸せになって
欲しかったのだろうと思うんですね。でもなかなか上手くいかなかった。
元々真面目で優しくて子煩悩な方だったご主人ですから、「家族の幸せの
ために頑張っている」はずが、頑張れば頑張るほど、家族との時間はなく
なり距離を感じるようになって、スタートから抱えておられた罪悪感が、
どんどん大きくなってしまったのだろうと思います。

「家族を犠牲にしてしまった」「悪いことをした申し訳ない」そんな気持ち
が、ご主人をお酒に向かわせたのではないかな?と私は感じました。
「家族を幸せに出来ていない」自分が、辛かったんじゃないでしょうか?
そんな自分を許せなくて、ご自身をいつも責めておられたのだと思います。
だからこそ「これ以上迷惑や心配をかけたくない」と、トラブルがあっても
愚痴も悩みも、抱え込んでしまわれたのではないかな?と思いました。
そのはけ口がお酒だったのだろうと思うんですね。

一時でも目の前の辛さを忘れるためであったり、結果が出せない苛立ちを
鎮めるためだったり、理由は沢山あったと思うのですが、何よりご主人が
お酒に依存してしまったのは、大切なKさんや息子さんに、迷惑や心配を
かけたくなかったからなんだろうと、私には思えたんです。
依存症は、どんなものでもある程度の時間の積み重ねで起きます。
独立されてからずっと、ご家族への『愛情』があればこそ!、1人で抱え
込んで頑張ってしまわれた。でもしんどかったはずですよね。
Kさんもご主人も、お互いを大切に思っておられたからこそ「相手のために」
良かれと思ってしたことなんですよね。
そのことを理解してあげて欲しいなと思うんですね。

ただ今のままではKさんが、心身ともに参ってしまわれるのではないか?と
感じました。4年間頑張り続けてこられただけに、「気持ちが通じた」と
感じられた時には、ホッとされただろうと思うんですね。
張り詰めていた気持ちも、一気に緩んだかも知れません。
気が張り詰めている時は頑張れますが、今はお疲れが溜まりに溜まっている
ように感じられました。ずっと頑張ってこられたのですから、無理はないと
思うんですね。
そこに今回のご主人の問題が表面化してきて、心身ともに疲労の限界のように
お見受けしました。まず第一に考えて頂きたいことは、Kさんご自身の、
気持ちの建て直しだろうなと思いました。
1人で頑張らずに、よかったら私達カウンセラーにお話を伺わせて下さい。

カウンセリングサービスでは、お電話でのご相談も承っております。
初回は無料ですので、ご遠慮なくご相談下さい。
1日も早く、Kさんのお気持ちがご主人に届くといいですね。
この回答が、少しでもお役に立てば幸いです。
ご相談ありがとうございました。

 

この記事を書いたカウンセラー

About Author

家族関係・対人関係・パートナーシップ・自己肯定自己実現を得意分野とし、がん看護・認知症介護の経験から医療・福祉関係にも精通している。 深層心理への唯一のアプローチである【感覚・感情】を解放する、癒しのスペシャリスト。 「体感で楽になった」「腑に落ちる」「納得がいった」と好評をえている。