仕事を決めなくては・・・

 

相談者名
桶屋
42歳独身男性、無職です。
3年半前、12年勤めていた会社で臨時から正社員に登用されましたが上司のプレッシャーが厳しくなり3年前にうつ病を発症、1年間通院しながら仕事を続けましたが悪化の一方で2年前に医師から入院を勧められ退職しました。
その際「やっと掴んだ正社員、手放したくない、でももう限界」との思い・絶望感から睡眠薬を大量服用し自殺を試みましたが失敗、2か月の入院の後、現在、通院治療中です。
1年前に医師から就労許可が下り就職活動を開始。
今まで30社以上受けましたが決まりません。
大半が病気で落ちると分かってからは退職理由を「ちょっと体調崩して」と、やんわり病気を隠して臨みましたがダメです。
夏からはハードルを下げ緊急雇用やコンビニのバイトなども受けましたが、やはりダメです。
病気を隠し回答も無難なのになぜ?後味の悪い疑問だけが残ります。
現在、母と二人暮らし、生活費は母に面倒見てもらい、小遣いは自分の貯金を崩しています。
母は明るく「次があるさ。
嫌な仕事まで無理して受ける必要ない。
貯金が尽きたら私が小遣いあげる。
」と言います。
その言葉が返って辛いです。
貯金が尽きたら死のうかと考えています。
隣に妹夫婦がおり、高2の姪と中2の甥が大学進学希望ですが生活ぶりから学資を払えないのは明らかです。
私が死ねば、母の援助は子供に向けられますし、私の生命保険が二千万円入ります。
それだけあれば子供の学資だけでなく、将来の母の介護費用にも充分です。
私が死ねば、悲しみは一瞬、後は皆が幸せになれます。
ホントは死ぬのは怖いし私が早く仕事を決めるのがベストな事は分かっています。
ただ、ここまでの状況、自分は一生就職できないんじゃないか?それなら家族のために自分が死ぬのが、実は一番ベストではないか?最近そう考えるようになりました。
タイムリミットは姪の進学時期再来年3月。
それまでに仕事を決められなければ死のうと覚悟しています。
しかし、連戦連敗で、気力が湧きません。
タイムリミットを待たずして、もう、心が折れてしまいそうです。
カウンセラー
近藤あきとし
桶屋さん はじめまして。
近藤あきとしと申します。
今回はご相談をお寄せくださいましてありがとうございます。
どうぞよろしくお願いいたします。きっと多くのストレスにさらされた中で仕事を続けてこられたんですね。
「しんどいけど、やっとの思いでなれた正社員だし、辞められない」って
思いながら頑張り続けてこられたのでしょうが、桶屋さん心はバランスを
保つことが出来なくなってしまったみたいですね。

桶屋さんはもしかしたら責任感が強くて全てを完ぺきにこなすことを自分に
求めてしまう方ではないでしょうか?辛くても誰にも頼らずに自分だけの力で
努力することで乗り越えていかなくていけないんだと、そう思いながら頑張り
続けてこられたのではないかと感じました。
しかし心はその思いについていくのに精いっぱいで疲労は溜まる一方。
限界と感じた瞬間は張り詰めていた糸が切れるような、全てが崩れていくような
感覚ではなかったかと思います。

私自身もサラリーマン時代にうつ病になった経験があるんです。
自己評価がとにかく低かったので、人の倍働かないと認めてもらえない、
もっと頑張って人の役に立たないと評価してもらえないんだという気持ちで
一杯だったので仕事をしていても辛いばかりだったのですが、そんな感情を
抑え込んで平気な振りをして自分を誤魔化し続けていたところ、桶屋さんと
同じように限界がきて、部屋から一歩も出られなくなってしまったんです。

その時期は幻聴や自殺願望がいつもつきまとっていて、とても苦しい思いをしました。
私は実際に自殺を試みはしなかったのですが、刃物やロープ状の物を見ると
実行してしまいそうな気がするので家中からそれらを隠して目につかないように
していたものです。

しかし今では全部病気がそう思わせていたんだと考えています。
うつ病は自分を責めることが止められない病気だと思うんです。
食事をしていても、テレビを見ていても、ボーっとしていても
寝ていても、ずっと自分を責め続けているのがうつ病なのかなと
今はそう思います。

だから、今桶屋さんが上手くいかないことも全部うつ病のせいだと
思って良いと思います。逆に言うと病気が良くなれば、桶屋さんの
思うように物事が運んで行くようになるんですよ。

今桶屋さんはどんな気持ちでいますか?
辛い気持ちや不安な気持ちで一杯だとしたら、そしてそれが病気になった時と
あまり変わっていないとしたら、それは病気のせいだと思って良いですよ。
そこから楽になっていくこと、心に余裕を持てるようになることを目指して
治療やカウンセリングを受けてみて欲しいんです。

「それよりも仕事が」と思ってしまうかもしれませんが、仕事に対する気持ちに
目を向けてみた時に感じるものは以前と比べていかがでしょうか?
仕事は辛いもの?しないといけないもの?楽しいもの?もっとしたいもの?

もし以前とあまり変わらないとすれば、どこかで同じような問題が出てくるかも
しれません。私たちの心の感じ方にはパターン化している部分があって、
時期と場所と人を変えても、以前にぶつかった問題と同じものにぶちあたる
ことは本当に良くあるんです。

そしてそれは自分の乗り越えるべきテーマを示してくれているんですね。
自分のパターンに気付きなさいということであったり、癒すべき心の痛みが
あるということであったり、許していない誰かへの復讐を続けますか?という
問いかけだったり。

私自身はうつ病になってカウンセリングと出会ったことで、本当に好きなことを
仕事にするチャンスをもらったと思っています。それ以前は、仕事とはお金を
稼ぐためのもので辛かったり嫌だったりするのは当たり前だと思っていました。

私がそれをOKとする人間であれば何の問題もなかったのでしょうが、
本来の私は嫌なことを耐えて仕事をすることには我慢ならない人間だったので
当時のまま仕事を続けることは心にとっては引き裂かれるような苦しみでしたので
私の心はブレーカーを落として何も出来なくすることで私を守ってくれたのでは
ないかと思っています。
その結果、得られたのは「好きなことを仕事にしても良い」という新しい選択肢
だったんですね。

桶屋さんにとっても、きっとうつ病になったことは本来の桶屋さんがしたいことを
やっても良いタイミングが来たということではないかと思いますよ。我慢することは
もう充分にやったと思いますから、きっともうやらなくて良いんですよね。
心がワクワクする方向を向いた時、好きなことをしている時にはうつ病はどこかへ
行ってしまっているんですよ。楽しい時は自分を責めていられないですから。

本来の桶屋さんで生きていくことを選んでも良い時がきているのだと思います。
ぜひそれを選んで欲しいなと思います。

詳しくお話を聞かせていただければより具体的な提案も出来るかと思いますので
ぜひ私たちに相談して下さいね。

今回はご相談ありがとうございました。

近藤あきとし

この記事を書いたカウンセラー

About Author

超自立男性との恋愛・コミュニケーションに関わるお悩み・慢性的な生きづらさの解消などを得意とする。 理論的な“心理分析”と、感覚を使った“心理セラピー”を活用する多面的なサポートが好評。 問題の裏に隠れた「真実の物語」を読み解き「自分の本質を生きる」ことを目指すカウンセリングを提供している。