勇気が欲しいのです

 

相談者名
おこたこ
はじまして、よろしくお願いいたします。

今勤めている職場を辞めようと思っていたんです。
上司とうまくいかず、毎日神経をすり減らしてもう疲れてしまいました。先日も理不尽な叱責を受け、一日ほんとにやりきれませんでした。

ただ私は、とても人付き合いで思惑を気にするほうで、人といることが楽しめないことがとても多かったのでんす。だからこうなるんだと、自分がどうにかしないと、とかなり悩んできましたがもう限界です。

仕事を辞めて以前からやりたかった勉強のために塾にも通いだしたんです。
その矢先に主人が失業してしまったのです。2度目です。それ以前にも仕事でうまくいかず借金ができてしまって、長い期間返済してきました。

もう私はいやでいやで「どうしてわたしはいつもこうなの。どうして自分のやりたいことをやっちゃいけないの。もういや、もう死にたい。楽になりたい。」そう何度泣き叫んだか知れません。

ほんとに辛くて辛くて。

私の両親は自殺しています。ですから残されたものの苦しみはいやというほどわかっています。でも、もう頑張りたくないと思いました。

でも、また頑張らなくてはならなくなりました。
どんなに怖くても働くなくてはならなくなりました。

主人が失業中でもやっぱり今の職場にはいたくありません。

一歩踏み出さなくはならないのです。
勇気がほしいのです。よろしくお願いいたします。

カウンセラー
池尾昌紀
池尾昌紀と申します。
ご相談ありがとうございます。本当に大変な状況だと思うのです。
こんなに大変な状況だったら、どんな人だって、あきらめてしまいたくなるのではないでしょうか。
でも、あなたは、あきらめていません。

もう折れそうなくらい辛い。
そんな思いが切々と伝わってくるご相談でした。
でも、あきらめていない。
そうでなければ、こうしてご相談を送ってこられることはないからです。
そう思うことが、どれほど大きな力を必要とするでしょう。

大変な状況の時、私たちは、自分には力がない、と自分を責めてしまうことが多いようです。
また、そうなると今までの自分の努力も、評価できなくなってしまいます。

自分を評価できないと、前に進む力が出てきにくくなってしまいます。
でも、評価できないのは、自分で自分のことを評価できなくなってしまうからなのですね。

自分を責めてしまっている時は、なかなか、自分を評価したり、ほめたりできにくくなります。
でも、責めているだけではなく、そうした方の多くは、とても自分に厳しいために、ほめられないようなのです。

本当は、今まで、誰にもできないような努力と苦労をされてきた方。
でも、自分に厳しいが故に、自分がいかにがんばってきたか、いかに我慢強く、そして、あきらめずにここまでやってきたか、ということを、ほめられない。
また、そのすごさや、その力に気がつかないでおられることが多いように思います。

まず、こうしたご自身の今までのがんばりを、ほめてあげていただけないでしょうか。

あなたは、今まで、どれくらいがんばってこられたのでしょう。
本当に、本当にがんばってこられたのではないでしょうか。
もしかしたら、そんな風に自分のがんばりをほめることができないかもしれません。
もしそうであれば、それは、がんばること、我慢することに慣れてしまっているからだと思うのです。

今回、ご相談いただいている内容は、ほんのわずかな文章です。
でも、それだけでも、ものすごく「がんばってきた」方だと私は思います。
どんな人が聞いても、あなたががんばってきたことは、本当にすごいことだ、と言うはずです。

この文章だけでも、そう感じるのですから、今までの人生の出来事をすべて伺ったら、
どんなにすごいと思うでしょう。

最初に、今までのあなたのがんばりをほめてあげていただきたいのです。
「よくがんばってきたね」
「よくあきらめなかったね」

そんな風にご自身に言ってあげていただけないでしょうか。

そして、それに付け加えて、こんな言葉をご自身に言ってあげてください。
「私は悪くない」
「私のせいじゃない」

自分を責めてしまう方、自分に厳しい方は、例え自分が原因で状況が悪くなった場合でも、全部、自分のせいだと思ってしまわれることがあります。

無意識にそうやって自分のせいだと思ってしまわれたり、あるいは、自覚していても頭ではわかっても、心では自分のせいだという声を止められなかったり。

そうなると、苦しいのは状況だけではなく、自らを責める声がプラスされてきます。
こうした場合、この自分を責める声の大きさも、苦しみをとても大きなものにしていることが多いようです。

すぐには思えなくても結構です。
「私は悪くない」「私のせいじゃない」と自分に言ってあげてください。

それで状況が変わる訳ではないかもしれません。
でも、自分を責める声を減らすだけで、心の負担を減らすことができます。

もし、あまりにこの言葉を言うのに抵抗がある場合は、
「らしい」
という言葉を最後につけてみてください。

「私は今までがんばってきた、らしい」
「私は今まであきらめずにやってきた、らしい」
「私は悪くない、らしい」
「私のせいじゃない、らしい」

まっすぐな言葉でなくとも、楽になることがあります。

そして、次に、あなたの大変さをわかってくれる人を探して、話を聞いてもらってみてください。
あなたの周りに、こんなに大変なあなたのことを心配したり、応援してくれる人はいませんか?
それを探してみてください。

話を聞いてもらうだけでも、随分楽になると思います。

周りにそうした人がいない、あるいは、いるけれど話せる状況ではない、という場合は、いろいろなところにある相談窓口などを使ってみるのも一つの方法です。

例えば、カウンセリングサービスでは、電話代がかかってしまいますが、どのカウンセラーも初回無料の電話カウンセリングをご利用いただけますし、何度使っても無料なボランティアカウンセラーもおります。

誰かにあなたの思いを話してやってください。
その時、きっと、多くの人が、あなたのがんばりと、あきらめないその心を素晴らしいと言ってくれると思います。

たくさん詰まった思いは、話すことで心の外に出て、軽くなることができます。
また、あなたのがんばりを他の人にほめてもらうことで、あなたが自分を責めたり厳しくしたりする部分を減らしたり、こんなにがんばってきたんだ、と自分を認めてあげるきっかけになることもあります。

そして、最後に、あなたが今すでに持っている「勇気」を信じてあげていただけたらと思うのです。

カウンセリングのご相談は、相談された時点で、すでに大きくあなたは進んでいるといわれます。
なぜなら、相談する、という行動には、とても大きな意欲と勇気が必要だからです。
その行動を起こした時点で、起こす前と違う自分になっている。
そんな風に表現することがあります。

この苦しい状況の中で、こうしてご相談くださった、あなたの「勇気」。
それを感じていただきたいと思うのです。

勇気。
それを持っていることを、私たちは、自分では気がつかないことが多いように思います。
でも、あなたはこんなに大変な状況でも、あきらめずにご相談をくださいました。
それはどうして行動できたのでしょう。

どうしようもないほど、大変な状況だから?
苦しくて誰かに聞いて欲しかったから?

もしかしたら、そうかもしれません。

でも、私はそれだけではなく、誰かのために、前に進もうと思われた。
勇気を持ちたいと思われたと感じます。

誰かのために、あきらめずに前に進もうとする思い。

それを「勇気」と呼ぶのだと思うのです。

どうか、そんな素晴らしいあなた自身に気づいてあげてください。
本当に本当に素晴らしい思いをお持ちだと私は強く感じます。

ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。