両親との不仲のトラウマ

 

相談者名
もも
家族(特に両親)とは、幼い頃から馬が合わず、結婚して海外に住むようになってからは疎遠になりました。
引っ越した今では住所も知らせていません。父親は、子供が3人(私と弟が2人)も居るのにも関わらず、安月給なのにその殆どを自分の遊行費として使っていました。

母親は、足りない生活費を稼ぐために内職(子供達が手を離れてからは事務の正社員)をしていました。

その為、夫婦喧嘩が絶えない家庭で育ちました。

姉弟の中で、私だけが知能が高く、勉強せずに地元で一番の高校に進学(親の見栄の為)したり、ほとんど独学で英会話をマスターしたりしました。

でも、両親から褒められた記憶は全くありません。
私が他人から褒められると、人前ではニコニコして聞いていても、後で必ず「お前なんか大したこと無いんだからいい気になるな。」と言われてました。

夫は、優しく寛大な人柄で、叩き上げで資格を取り、現在は契約で仕事をしています。
お蔭様で夫婦仲も良く安楽な暮らしをさせてもらっております。

両親を海外へ招待したことが2度あるのですが、最初はアジアの国、2度目はヨーロッパの国でした。
私が自分達よりも遥かに良い暮らしをしているのを妬んだ両親は、夫の居ない時を見計らって、私に罵詈雑言を浴びせました。
それこそメチャクチャな言いがかりでしたが、黙って耐えました。
これを契機に両親との連絡を絶ちました。
今では生きているのかどうかも分かりません。

私が両親と疎遠だと知ると「親不孝だ」などと短絡的な考えをする人が多いのですが、親との確執の詳細を話す気にもなれません。

今でも両親から浴びせられた罵詈雑言を思い出しては悲しくなることがあります。仲の良い家族の姿や話を見聞きすると惨めな気持ちになります。

この気持ちの整理をするには、どうしたら良いのかアドバイスをお願いします。

カウンセラー
山下ちなみ
ご相談、ありがとうございます。
山下ちなみと申します。よくがんばってこられましたよね。
このような環境で、自分に負けることなく、ヤケになることもなく、向上心を持ち続け、勉強にも励み、独学で英語をマスターしたのですね。
さらに、素敵なパートナーとの出会いと結婚、そしてご自分の人生を大切にしておられるなんて、すばらしいですね。
きっと、そんなももさんだからこそ、今のしあわせがあり、ご夫婦も仲良くされていらっしゃるのでしょう。

そんなご自分を、誰よりも誇りに思っていいのですよ。
ご主人にも、たくさん愛してもらってくださいね。
ご自分で築き上げたしあわせを、ぜひ、大切にしてください。

さて、その上で、ご両親との間での気持ちに整理をつけるとしたら。
心理的な意味での「親離れ」が必要なときかもしれませんね。
あくまでも、ももさんの中での整理なので、無理にご両親に会ったり、伝える必要はありません。
「親離れ」とは、ご両親と対等な目線で見る、ということです。

ご両親に対して、怒り、惨めさが出てくるとき、どこかで「親なのに」「親だから」という気持ちが入っています。
もちろん、親なのですから、当然といえば当然かもしれませんが、この「親だから」という心理の下にあるものは、子供側から見た「こうして欲しい」という要求なのです。
「こうすべきなのに」「こうしてくれなかった」と思うとき、自分の目線は下ですね。
あるいは、海外に招待してあげたというとき、目線は上かもしれません。
いずれにしても、対等ではないのですね。
この、子供の目線を手放していきましょう。

目線が対等でないとき、必要以上に期待をしてがっかりしたり、いいことをしても無意味に感じて傷ついたり、無力感に襲われたりしてしまいます。
自分の力のなさを感じ、これが続くと自分で自分を傷つけてしまうような感覚になってしまうのですね。
この状態から逃れるためには、「目線を対等にする」ことなのです。

例えば、「親だから」という目線をはすずので、便宜上、ご両親が赤の他人だったとしたら、と仮定してみましょうか。
よその単なる大人だったとしたら。
ご両親のことをどう感じますか。
彼らの不幸はどう感じるでしょうか。
自分たちの面倒を見てくれたことに対して、どう感じますか。
また、自分のご両親に対する態度や姿勢はどうでしょうか。

この見方ができると、過去の痛みもリアルになります。
あまりにつらいときには、ムリをしないでくださいね。
少しずつ、クリアにしていきましょう。
ひとりでやろうとせず、カウンセリングも利用してみてください。

ご両親との確執は、感情の逃げ場がないので本当につらいですね。
それでも、あなたはご両親のことを本当の意味で憎むことはできませんでした。
だからこそ、今、連絡を取らずにいるのです。
その下にあるのは、本当の憎しみではありませんね。

あなたは親不孝ではありませんよ。
憎しみがあるなら、親不孝なら、あなたは今、しあわせであるはずはないのです。
どうか、このことを忘れないでください。

幸福は、最大の復讐といいます。
なぜなら、復讐ではないからです。
何に対する復讐か、という話ですが。
人生というか、運というか。
あなたがご両親の元に生まれてきたことが、どんな意味を持つのかは分かりません。
けれども、あなたは合格しているのですよ。
最大の勝者なのです。
この場で負けているひとは誰一人いません。
これは、あなたの愛の表れなのです。
あなたの強さなのです。
ご自分のしてきたことを、どうぞ、信頼してください。

今のあなたに必要なことがあるなら、握り締めている悲しい過去を手放す、それだけです。
その先があるかもしれませんが、あなたがすべきことはこれだけです。
あとは、流れにまかせるしかありません。

ここまで来たのですよ。
今の幸福を享受してくださいね。
そして、誰に遠慮することもありません。
もっともっとしあわせになってくださいね。

ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

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