被害妄想ぎみの人への対応

相談者名
ゆな
職場の女性(50代)が最近被害妄想ぎみで困っています。
以前から気にしすぎな方でしたがここ2年くらい悪化しています。

普段は「頼りになるのはゆなちゃんだけ」とか
「信じてるのはゆなちゃんだけ」と私のことを信じているような発言をします。

でも一月に一度くらい発作?がおきるのか
彼女が苦手としている二人が笑いあっていると
「私の悪口をいってるんだ」となり、上司に仕事のことで注意されると
「あの二人が告げ口したんだ」となります。
朝、「おはようございます」と言って返してくれなかった人を
チェックして、その人に嫌われているんだと落ち込んだりします。
そしてその結果、私を無視するんです。

昼食を食べているときに「誰が告げ口したの!」と泣き出し
その後、一ヶ月に渡って無視されたこともありました。

最初は、私の慰めかたや言葉が悪かったのかと思っていましたが、
どうも私が悪いのではないみたいです。
それなのにどうして私を無視するんでしょう。
無視されるのは辛いです。
今後、どう彼女に対応していったらいいのでしょうか。
彼女が昔のように戻る可能性はありますか?

カウンセラー
松尾たか
ゆなさん、はじめまして。 今回ご相談を担当させていただく松尾たかです。
どうぞよろしくお願いします。

職場の50代の女性の方への対応に困っていらっしゃるんですね。
彼女(Aさんとしますね)の話をいつも聞いて慰めたり励ましたりしてあげているゆなさんは、とっても優しく思いやりのある女性だと思います。
なのに、無視されることがあると本当に辛いですよね。 まるで自分が悪かったかのように感じてしまうくらい、ゆなさんはAさんのことを気にかけ、もっと明るく楽しい気持ちになって欲しいと願っていらっしゃるんですね。

ゆなさん以外の方は、Aさんにどんな対応をなさるのでしょう。 Aさんのことをあまり相手になさらないのではありませんか。
もしそうだとすると、Aさんには周りの誰からも私は理解されないという強い思いがあると考えられます。 何をやっても人から否定されているかもしれないし、話すら聞いてもらえていないのかもしれません。彼女にとっては、周りはすべて敵のように思えてしまうのかもしれませんね。
そんな職場で、ゆなさんは、自分が思ったことを話しても聴いてもらえ、安心できる人なんです。
だけど、Aさんが人の態度や言葉に傷ついてしまった(間違った解釈をしてしまった)時、ゆなさんにさえも心を閉ざしてしまうのでしょう。 Aさんは無視するつもりはなくても、ゆなさんにすら話をすることも怖くなってしまうのかもしれません。
わざと無視しているのではなく、安心しているからこそゆなさんには無理に話かけなくても大丈夫、と甘えも出てしまうのだと思います。

私たちは人が傷ついて落ち込んだりしている時、一生懸命に励まそうとします。
ただ、相手の気持ちを受け止めてあげる前にどうしても相手を励まそうと考えを変えてもらおうと「そんなことないよ」と言う言い方をしてしまうことが多々あります。

でも、私たちは自分の気持ちや意見が受け入れられた、わかってもらえたと感じられた時にホッとします。
例えば、「あの人が私の悪口を言ってる」と相手から聞かされたとき、「そんなことないよ。気にしすぎじゃない?」と受け答えすることがあります。
本当に気のせいかもしれませんが、当の本人にとっては、思っていることが真実なんです。
そうすると、私の言い分は信じてもらえない、わかってもらえない、という思いが強くなります。 そうすると、「そんなはずはない。あの人たちは絶対にそう思ってる」とさらに強く主張したくなります。そうしないとわかってもらえないと思っているから。

そんな時、一旦、相手の主張を受け止めて、「○○さんは、悪口を言われてるように思うんだね。そう感じるんだね。そう思うと悲しいよね、辛いよね」と相手の気持ちをわかってあげるのが重要です。
それは、彼女の言い分に同意(賛同)するのではなく、その主張している気持ちをわかってあげるということなんです。
相手が自分の気持ちをわかってもらえたと感じると、自然と心が落ち着き、話を聞く余裕が生まれるんですね。
わかってもらえたという体験が増えるにつれ、だんだんと変化がおきると思います。

最後に、ゆなさんは彼女の感情をわかろうとして、Aさんと同じ痛み(無視される)を感じてしまったり反応してしまうことがあるのだと思います。
そんな時、ゆなさんはAさんの態度に傷つくのではなく、それはAさんが感じていることで、自分が振り回されることではない!と思ってみてくださいね。

今回はAさんが被害妄想ぎみというだけで、実際には病気とは診断されていないという前提でお話をさせていただきましたが、何かの参考になれば幸いです。

ゆなさんもAさんも職場で気持ちよく過ごせることを願っています。
ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

自己否定、自己嫌悪、疎外感、自己肯定を得意とする。「その方の心に寄り添い、一番の味方でいること(安心感)」をモットーに、わかりやすい言葉で恋愛問題や対人・自己との関係を紐解き、改善・生き易さへと導いている。  東南アジア2カ国での生活経験もあり、国や文化の違いについても造詣が深い。