ようこそわが家へ

遠方に住む友達が、我が家に遊びに来ることになりました。
最初はご主人と知り合いになり、その後奥様とも何度かお話しするようなりました。
その奥様が「うちに遊びに行きたい。お泊りしたい。」と言われたらしいのです。

私は「いいよ」と言いながら実は緊張していました。
友人が遊びに来たことはありますが、お泊りしてもらうのは初めてだったのです。

なんで緊張してたかというと、“普段の私”を見られるのが怖かったからなんですね。
遠方だから、という理由で見られずに済んでいた普段の私。
「外での私」しか知らない人に、普段の私を見られたら、がっかりされるんじゃないか、
という恐れを感じて怖かったんです。

後になって、そんなに見られたくないと思ってる普段の私って、どんな私だと思ってたのだろう?と振り返ってみました。
そのときは「ただ何となく」という漠然とした感じでしたが、
「自分では気付けなくても、人から見たらどこかに落ち度があるかも?」という、
まるで「どこに地雷があるかわからないような不安の感じ方」をしていたようでした。

ですが、私は奥様の提案に対して、チャレンジしてみようという気持ちがありました。
断ろうと思えば出来たのですが、私の中に断るという選択肢が何故かなかったのです。

日程を合わせたところ、結局今回は日帰りということになりました。
お昼前に到着なので、お昼ごはんを用意しました。
何日も前から献立に悩みましたが、ええかっこしないで作り慣れた献立に決めました。
にもかかわらず、当日は火加減をミスして慌ててしまいます。

さて?どんな順番で食器や料理を出したらいいんだろう?
直前になってまで気付いてまた慌てててしまう。

いやいや。うちに何かの審査に来るわけじゃないんやから。
どこまで完璧主義やねんと自分にツッコミを入れて気を取り直しました。
つい自分のことに意識が向いてしまう癖が出てきます。

いよいよご夫妻が到着。最初は緊張しましたが、意外と時間はあっという間でした。
それは、ご夫妻が我が家に来るのを本当に楽しみにしてくださったように感じられたからかもしれません。

車で約2時間もかかるのに、しかもその日の夜には他の予定があったのに。
わざわざこんな遠方まで足を運んでくれたことが、本当に嬉しかったのです。

ちゃんとおもてなし出来たかどうかわかりません。
それに、お料理に自信がないので御馳走を出せたとも思えません。それでも、
「また呼びたい。今度は何を作ろう」と思ってる自分に気が付きました。

こんなふうに自分が思うなんて、ちょっと驚きでした。
ないと思っていた“引き出し”を見つけてもらったような感じと言いましょうか。

後で振り返ってみると当初あんなに思っていた「がっかりされたらどうしよう?」
という不安を、いつの間にか感じていなかったように思いました。

後でご夫妻に言われたのですが、私がずっと台所に立っているのも気を遣わせるのでは?
と思って、何となくコーヒーの用意を主人に任せて私はご夫妻とお話を続けていたんです。
その空気感がよかったと話してくれたんです。

月並みですが、ありのままでよかったのです。
「何かをしなくちゃいけない」と気負わなくてもよかったんです。
以前の私だったらこんな時、お客様が帰られてからどっと疲れてたと思います。

チャレンジしてよかったと思いました。様々な気付きをもたらしてくれたご夫妻の優しさに私の方がおもてなししてもらったような一日になりました。

さて、新しい年になりましたね。
新しいことにチャレンジしてみると、自分にはないと思い込んでいたものを見つけられるかもしれません。
それが些細なことだったとしても、でも、大げさかもしれませんが、自分の世界が少し広くなったように感じました。
あなたも見つけてみませんか。
新しい一年があなたにとっても素敵な一年でありますように。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

対人関係、自分を好きになれない、人の目が気になる等の自己の問題。 母娘関係、家族関係などが得意である。親との関係や対人関係などで悩んだ 自身の経験から学んだことを活かし、感覚的で一緒に考え提案していくスタイルが得意である。母性的で柔らかい雰囲気のカウンセリングには定評がある。