精神病の母をどうしたらいいのか

相談者名
くろねこ
母(もうすぐ63歳)の奇行に気がついたのは5,6年前ですが昔から独り言をよく言っていました。「物がなくなった、置いてある場所にない!誰かがやった」と騒いで部屋中を探したり、「靴に何か薬を塗らて履けない、痛い!」と騒いだりします。もちろん家族の誰もやっていないし、靴も他の人が履いても大丈夫ですが、本人は家族の中に犯人がいると思っています。
「死にたい、出て行く、くだばればいいと思ってるんでしょ!」とわめいたり、ぶつぶつ言ったり、笑いながら「ぶっ殺してやる」と言ったり、ひどいときには包丁を持って「誰がやってるんだー!出て来い!」と叫びまわったりもしました。
病院で診てもらいたいと思うのですが、以前心療内科で、先に先生に奇行を説明したにもかかわらず、本人の目の前で「ぼけですね」と言われたことがあり、本人に「病院」と言うとそのときのことを何度も言い、自分はキチガイではないと拒絶するようになってしまいました。心療内科という科が違っていたのがよくなかったのかもしれませんが、私もそのことがきっかけで病院に行っても悪化するような気がして行動にうつせなくなりました。精神科の先生や地域の精神福祉センターに聞いても、無理矢理連れて行くのはよくないようなので、どうやって本人を納得させて連れて行けばいいのか困っています。母は昔から病院嫌いでほとんど病院に行きません。精神病に関しても酷い偏見を持っているようです。
被害妄想から市販の薬も使いたがらなくなり、傷には庭の蓬の葉をちぎって塗っています。自ら進んで飲んでいたサプリも「誰かに何かされた」と言って飲まなくなってしまいました。目もあまりよくないので、通院するときは家族の誰が一緒に行く事になると思うのですが、その点でも、無理矢理連れて行くとのちのち通院が難しいだろうと思います。通院しても薬を飲み続けなければ意味がないのであれば、飲み続けられるのか不安なので、行っても意味があるのかと考えてしまいます。
ただ、現状のままがいいとは言えないので、無理矢理でなく病院に連れて行ける方法があれば教えていただきたいです。もしくは、病院に行かなくても相談できる場所、病院ではない行きやすい施設はあるのでしょうか。こういった精神病の方はどうされているのでしょうか。もし例などあれば教えていただきたいです。
カウンセラー
中原謙一
くろねこさん、始めまして
私は中原謙一と申します。
よろしくお願いいたします。

読ませて頂いて私が感じたことなのですが、お話の通りであれば誰の目から見ても、お母様の行動はおかしいと思われるでしょう。

しかし、当のお母様から見たときには、その周りの態度はどう感じ、どう見えるのでしょう。

はじめは確かに多少問題があっただけなのかもしれない。
しかし、周りの態度がお母様から見て、全て自分が悪い、自分に責任があるように感じてしまったとしたら、誰だって「自分は悪くない」と主張したくなるかもしれません。

特に誰かが悪いというのではないのですが、お母様が精神的に追いつめられて、現在の行動になっているとしたら、単純にお母様の行動を抑制したり、お母様に理解を求めるだけでは、問題の根本的な解決にはならないかもしれません。

ここで質問ですが、今のお母様に一番必要なものって、いったい何なんでしょう?

人それぞれ答えがあるとは思いますが、私はこう感じます。
今お母様に一番必要なものは、「私は悪くない」と認めてくれる、味方になってくれる、頼れる誰かではないでしょうか?

今のお母様には、味方になってくれる人、自分を守ってくれる人が誰もいないと感じられているのではないでしょうか?
だから「自分で自分を守る」行動をとるのではないかと私は感じます。

だとしたら、くろねこさんがまず「お母さん、私はあなたの味方です。私はあなたに危害を加えません。」ということを先に理解してもらった方がいいかもしれませんね。

そのうえで、少しずつ信頼できる人たちをお母様の周りで増やしていき、それから本人が怖がらない、信頼を失わない表現を使って、信頼できる医者に一緒に行ってあげることが必要なのかもしれませんね。

また、くろねこさん自身が医者に対して猜疑心を持っておられたとしたら、まずはその猜疑心を取り除くための作業が必要にもなります。

医者だって人間ですから、必ずしも正しいわけではありませんし、逆に医者が正しいことを言ったとしても、くろねこさんが望むような診断をしてくれなかったとしたら、くろねこさんは医者の言っていることを信頼できないかもしれません。

その気持ちがある間は、くろねこさんが自分で問題を抱え込んで行き詰まってしまいますから、それはくろねこさんにとっていい状況とはいえなくなってしまいます。

まずはセカンドオピニオンを活用して、信頼できる医者さんを探すことも、大切な作業といえるでしょう。

お母様も信頼できる、自分を攻撃しないと感じられるお医者さんから病気だといわれれば、納得するかもしれません。

まずは先入観を外し、お母様が攻撃的にならなくてもいい環境づくりから始めてみてはいかがでしょうか?

そして、もしくろねこさんの手に負えない場合は、同じ境遇の方たちの集まりがあり、グループでケアを行っているところや、現実的な相談に乗ってくれるNPO法人などがありますので、根気よく探してみてください。

カウンセリングでできることは、疲れたくろねこさんのケアくらいです。
くろねこさんがつかれきって動けなくなってしまったら、それこそ誰も動けなくなって大変ですからね。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

くろねこさんのご多幸を心よりお祈り申し上げます。

ありがとうございました。

中原謙一

 

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