働かない弟

相談者名
yuki
初めまして。40代女性です。30代後半の弟のことで
相談させて頂きたく、宜しくお願い致します。
弟、両親の三人暮らし、私は別居しています。
弟は3年ほど前までは社員で働いていましたが、
そこを退職したあと、別の会社に再就職したものの数ヶ月で辞め、
そのあとは働きません。
母は昔から弟に甘く、小遣いを渡している状態です。
働くよう促しても「探している。」の一点張りで
面接などには行った様子は無いようです。
要するにやる気が無いのでは、と思われますが
夜は友達と遊びに行き昼は寝ている状態のようです。
前の会社でも遅刻が多くクビになったのではと思われます。
弟は分が悪いとキレやすく何を考えているのか分かりません。
特にやりたいことがあるとかではないと思います。
ですが両親もいつまで居てくれるかも分かりませんし
(現在父は病気療養。)この先心配で、弟にも自立して欲しいのですが、
お恥ずかしい話、家族ではどうしようも出来ないです。
どうしたらよいのでしょうか。
カウンセラー
大谷常緑
yukiさんこんにちは。初めまして。
ご相談を担当させていただく大谷です。
よろしくお願いします。さて、ご相談を拝見して、yukiさんが弟さんの事をとても心配されているこ
とがよく伝わってきました。
今後の事もあり、弟さんには自立して幸せな人生を歩んで欲しいと思っておられ
るのですね。

さて、では弟さんはどんな気持ちで毎日を過ごしておられるのでしょうか?
yukiさんがお持ちの先入観や観念、人間としてのルールを一旦横に置いて、
弟さんの気持ちを感じてみてあげてください。

弟さんは、気分がいい毎日を送っておられるでしょうか?
こんな風に生きたいと思った毎日を送っておられるでしょうか?

もし仮に、弟さんが本当に楽しい毎日を送っておられるとしたら、お書きいただ
いたように”弟は分が悪いとキレやすく”などという事は起こりませんね。
人間、怒りを感じて人にぶつけるときには、必ず自分の何かを責めているもので
す。
例えば、遅刻してはいけないと思っていても電車が遅れて遅刻してしまったとし
ましょう。そんな時は遅刻した事自体で自分を責めていませんから、例え咎めら
れたとしても遅刻については腹がたちませんね(もぉつとも、信頼されていない
とか、わかってもらえていないとか、別の意味で自分を責めている部分では腹が
立つ事はあります)。
しかし、そのようなアクシデントも何もなくて遅刻してしまった場合、それだけ
で自分を責めて気分が悪くなりますね。ましてや、それを咎められたとしたら、
遅刻した自分を責める気持ちと人から責められる気持ちが合わさってますます気
分が悪くなります。そしてそれを感じないために相手に怒りをぶつけてしまった
りします。
人間、自分で自分を責めていない事については、誰が何と言おうと平気でいられ
ます。気にしていない事は平気なのです。

この事から、キレる弟さんは、決して毎日を楽しく過ごしておられるのでは無い
事がわかります。
弟さんは、何か今の自分の状況や振る舞いがとても嫌な感じを感じられておられ
るようです。ご自身で、ご自分を責めておられるような感じがします。

ところで、弟さんがご自身でご自分の何を責めておられるのかですが、おそらく、
ふがいない自分ではないかと思います。
どんな理由で3年間勤めた会社を辞められたかはわかりませんが、その会社で感
じた何かが嫌だったのでしょう。
そして、次の会社に勤めようと考えられて新しい会社に入社された。入社すると
きは、少なくともこの会社で暫くはやっていこうと思われていたのではないかと
思います。しかし、結果的に3ヶ月で退職。
こうなると、ふがいない自分を感じるとともに、自分は駄目な人間だと感じられ
て、自信を無くされているのではないでしょうか?
また、自分は同じ事を繰り返すのではないかと考えられているのではないでしょ
うか?
こうなってしまうと、次の会社に勤めようなんて気持ちはなかなか起きなくなっ
てしまいますよね。

このような弟さんに一番必要なもの、それは自信を取り戻す事です。
そうすれば、また新しい仕事に意欲が湧いてくるかもしれません。
そしてこの自信を取り戻すという問題は、弟さんの人生の大きなテーマなのかも
しれません。
もし仮に、弟さんの人生がどこかで挫折を繰り返しているとしたら、それはどう
して弟さんが自信を持てないのかという事が常に問題になっている気がします。

さて、ではyukiさんが弟さんにどのように接していけば弟さんの自信を取り
戻してあげられるかですが、彼は自分で自分を信じられない、即ち自信が無いの
ですから、他の人が彼の事を信じてあげる、「他信」を与えてあげる事なのです。
それができるのが、yukiさんではないでしょうか?

yukiさんの気持ちの中には、その事に抵抗があるかも知れません。
今は、彼の悪い所ばかりが目についているかも知れません。
でも、そんな彼にもいい部分が必ずあるはずです。
そこを認めてあげて、それを彼に伝えてあげる事。
彼は、最初は反発するかも知れません(これは「こんな悪い自分をからかって」
という気持ちであったり、恥ずかしさであったりします)。そんな時でも、彼を
信じて彼の価値を伝え続けてあげる事です。
人は誰しも自分を責めているときには、自分の価値が見えないものです。自分の
出来ていない部分、自分の悪いと思っている部分にばかりフォーカスしてしまい、
ますます自分を責め立てて悪循環に入ってしまいます。
この悪循環から抜け出すためには、自分の良い部分に目を向け、自分の価値を正
当に評価する必要があるのです。
そのお手伝いを是非yukiさんにしていただければと思います。

悪循環から抜け出したとき、彼が自信を少しでも回復し始めたとき、yukiさ
んの想いは通じ、彼の人生は進み出すと思います。

回答がお役に立てば幸甚です。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。