悩みの持った人との付き合い方

相談者名
kitune
私が留学に行っているあいだに兄が少し変わってしまったため相談に乗っていただきたく思います。
兄が変わったというのは、留学から帰ったあと電話をしてみて問題に気がつきました。兄の声がとても無機質なものになっていたからです。
留学中に兄の身に何があったのかをまとめると以下のようなことがあったそうです。

兄は私と6つ離れており、コンピュータ関係の仕事についています。とても時間の融通が利きにくい会社らしく、休みの日に兄の会社から兄に対して電話がかかってくることで、夜眠れないことなど頻繁にあるようでした。そのことを快く思っていない父が兄に対して仕事を変えるように促したことが事の発端だったそうです。
もちろん兄は自分の仕事が好きだったので反論しましたが、父が頭ごなしに兄の人格を否定する言葉を言いました。
その時は兄も怒りで元気があったのですが、自分がプライドを持っている仕事を父に否定されたのがあとになって響いてきたようです。そこで兄の信頼しているAさんという方に仕事を継続するか、父との関係をどうするかについて相談しに行ったそうです。
結論として、Aさんは兄の話を聞いたあと、テンションの違いに黙ってしまい、最後には兄の力になれなくてすまないと泣いたそうです。

父から否定され、信頼していた人には泣かれと色々な問題が重なり、しまいに会社の仕事にすら情熱を持てなくなり、兄は疲れきってしまったのだというのが母から聞いた現在の兄の状態です。

私や母は少しでも兄に元気になって欲しいと考えています。
ただ、メールを打つにしても電話をするにしても兄を心配していることが余計に兄の負担にならないか心配です。長文になりましたが、兄に対して前向きになるように頑張れと言っていいのかどうかアドバイスをいただきたく思います。

カウンセラー
吉村ひろえ
kituneさん、こんにちは。
はじめまして。
担当させて頂く、吉村ひろえと申します。
よろしくお願いします。

kituneさんが、留学されている間にkitunaさんのお兄様が変わってしまわれたのですね。
そのお兄様にkituneさんが、「助けてあげたい」「元気になってほしい」という気持ちが伝わってきました。
kituneさんはとてもお兄様思いで、優しく愛情深い方なのですね。
kituneさんがそんな想いを抱かれているだけで、お兄様は幸せな方だと思います。

お兄様は、忙しくとも好きな仕事に就いておられたのですね。
けれど、お父様は転職を勧められ、お兄様の人格を否定するような言葉を発せられた。
辛いですね。
解ってもらえなかったり、否定され認めてもらえないと悲しくなりますよね。

そして、信頼していたAさんに相談すると、Aさんは「力になれない」と泣いてしまわれた。
「Aさんを困らせて泣かせてしまった」 お兄様はそう感じられたのでしょう。
「自分が相談したばかりに・・・。迷惑を掛けてしまった」と、とても悪いことをしたとご自身を責めておられるのかもしれません。

> 父から否定され、信頼していた人には泣かれと色々な問題が重なり、しまいに会社の仕事にすら情熱を持てなくなり、兄は疲れきってしまったのだというのが母から聞いた現在の兄の状態です。

お兄様は、疲れ切り電話の声も無機質なものになっている、とのことですが、会社には行っておられるのでしょうか。
お兄様がどういう状態にあったとしても疲れ切ったお兄様にどう接してあげていいのかわからなくなりますよね。

>メールを打つにしても電話をするにしても兄を心配していることが余計に兄の負担にならないか、兄に対して前向きになるように頑張れと言っていいのかどうか

「心配していることが負担になるのでは?」や「前向きにがんばれ!」と励ましてもいいのか?悩みますよね。

家族の中に、疲れて元気の無い人がいると「なんとか元気になってほしい」「前向きにがんばってほしい」と思うものです。
しかし、この時にkituneさんや周りのご家族が陥りやすいのは「こうなるまでに、なにも出来なかった自分」「なにもしてあげられない、力不足な自分」と、申し訳なさや、無力感を感じてしまうことです。
罪悪感や、無力感を強く感じるようになると、「いつまでも落ち込んでいないでがんばれよ!」と怒りが湧いて来たり、「力になろうとしているのに自分は何の役にも立たない」と落ち込んでしまったり、「兄が苦しんでいるから、自分も兄と共に苦しまなければ」と無意識に、kituneさんもお兄様と同じ状態に身を置こうとしてしまいます。
そうすると、「自分の事で迷惑を掛けている」と更にお兄様は自分を責めてしまうことになります。

この時に大事なのはお兄様を『信頼』しながら、kituneさんはkituneさん自身を大切にするということです。
大切にする、とはkituneさんが罪悪感や無力感に捕らわれず、日々を前向きに大事に生きることです。
お兄様はいろんな問題が重なり、そして疲れ切っている。
ご自身でも「このままではいけない」と思いながらも、力が出ない自分に戸惑っておられるかもしれません。
しかし、kituneさんは「今は疲れているけれど、前向きに生きていく力が、兄の中にはあるのだ」と信じてあげてください。
「最近元気が無いみたいだけど僕で良ければ話を聞くから、いつでも連絡して」と伝えて後は、お兄様の力を信じて、見守ってあげることを大事にしてください。

そうは言っても、やはり「なんとかしてあげたい」という気持ちは持ちますし、根気と忍耐も要します。
お兄様が疲れ切っているのに、自分の人生を前向きに生きようとする時「兄を見捨てているのではないか?」「自分だけ好きなことをしていていいのだろうか?」「兄をなんとかしたい」と思ってしまうことがあるかと思います。
そんな時は、まずkituneさんが感じる罪悪感や無力感を軽くすることです。

よければカウンセリングもご利用ください。
kituneさんの心を、余裕のある状態にしておくことは、kituneさんにとってもご家族にとっても、とても大事なことです。

kituneさんとkituneさんのご家族が少しでも楽になることを願っています。

ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦、浮気、離婚などのパートナーシップから対人関係、子育て、また、死や自己受容のテーマなど幅広いジャンルを得意とする。 女性的で包容力があり、安心して頼れる姉貴的な存在。クライアントからは「話しをすると元気になる」「いつも安心させてくれる」などの絶大なる支持を得ている。