投影?

相談者名
メグモン
小学校2年の男の子の母親です。息子は発達障害(アスペルガー)と診断されております。小学校に入学してから友達に対しての愚痴を毎日言っておりますが、泣いて訴える事に関しては先生に間に入ってもらい解決してきました。ここ最近の出来事で、私が直接相手のお母さんに連絡をとり話しをしました。もちろん、息子は被害者としてですが、相手の話しを聞くと、相手も全く同じ事を息子からされたと言っているのです。そのような事が違う相手と2回ほどありました。例えば、息子は○○君に殴られた。と泣いているのですが、○○君は息子にやられたと言ってるという感じです。
息子に問いただすと、絶対にやっていない!と真剣な顔で、とても嘘をついてるようには見えないのです。親だからそう見えるのでしょうか?
ちなみに、息子は友達に対して暴言や暴力をふるうなどは考えられない性格です。もちろん、そう思っているのは親だけで、息子が嘘をついているのかもしれませんが。ネットで検索しているうちに「投影」という言葉が出てきました。息子はそれにあてはまるのでしょうか?
自分のしてしまった罪を、どうすることもできなく相手のせいにしてしまう。と言うか、そう思い込んでしまっている。
もしそうなら、これは治る、または治す事ができるのでしょうか?
自分の罪を隠そうと嘘をついているのではなく、自分の中では友達にやられたと自分が被害者になっているのが現実になっているように見えます。
アドバイスよろしくお願い致します。
カウンセラー
赤松わこ
メグモンさん初めまして、ご相談ありがとうございます。
担当させて頂きます、赤松わこと申します。
どうぞよろしくお願いします。息子さんの行動や言動を、「どう受け止めていいのか」
と悩んでいらっしゃるご様子を伺って、「私も子育てを
していた間は、しょっちゅう壁に突き当たっていたなぁ」
と思い出していました。問題に対応しようにも、理由や
原因が分からなくては、対応のしようがないので、困惑
されているだろうなと思いました。ご心配でしょうね。まず!お尋ねの『投影』についてですが、心理学で言う
『投影』とは、『鏡を見ている自分』だと思って頂けると
分かりやすいかなと思います。

「もうちょっと目がパッチリしていればよかったのに」と、
コンプレックスを感じてしまう時もあれば、「この髪形は
結構似合ってるなぁ」と、ちょっぴり自信を持ったりもします。
鏡を見ることで、自分自身の色々な部分を確認しているんですね。
心理学では『投影』を、心の中を知る手がかりに使っています。

『投影』と言うのは、心の中にある意識やイメージを、自分以外の
人・物・事象に映し出している状態を言います。

・思考(顕在意識=自分で自覚出来ている自分と、思って頂ければ
いいと思います)
・潜在意識・無意識(=自分では自覚出来ない心の部分)
どちらの場合もポジティブなものネガティブなもの、両方の『投影』
が起こります。基本知識として覚えておいて頂きたいのはこれ位です。

以上のことを踏まえて、メグモンさんにも考えて頂きたいのですが、
息子さんが自分がクラスメイトを叩いたのに、「自分が叩かれた」と
言っているのは『投影』だと思われるでしょうか?
私は、「『投影』ではないと思います」とお答えします。

では『投影』でないとすると、「どちらかが嘘をついている」と言う、
ことになるのですが、私は、「どちらも嘘はついていないとしたら?」と
言う前提で考えてみました。

教室の様子をイメージしてみて下さいね。
A君(息子さん)が机に座っています、B君(叩かれたと言っている子)は、
休憩時間数人のクラスメイトと、ふざけて遊んでました。
調子に乗ってふざけていて、何かの拍子に、座っていたA君の背中に、B君
の手がぶつかってしまった。突然背中を叩かれたと思ったA君は、思わず
B君を叩いてしまった。驚いたことで力が入ってしまい、B君が泣き出した。
先生の「どうしたの?」の問いかけに、A君は「B君が叩いてきた」と答え、
B君は「A君が僕を叩いた」と答えます。
A君は状況が分からなかった訳ですね、叩かれたと思っても無理ありません。
B君は「自分が叩いた」と言う自覚がないので、「叩かれた」ことだけに
意識がいってしまうんですね。

こんな光景は幼稚園や小学校低学年では、珍しいことではないと思います。
まだ自分中心にしか物事を考えられない年令の子供たちは、自分がしたこと
を深く考えるよりも、自分がされたことにストレートに反応します。
この場合、「どちらも悪くない」んですね。先生がゆっくり状況を説明して、
A君には、「B君はわざとやったんじゃなくて、当たってしまったんだ」と
納得してもらい、B君には「A君はすごくびっくりして、手が出ちゃったんだ」
と理解してもらって、2人とも「ごめんね」と謝ればいいんだと思います。

もしこのような状況が息子さんに起こった場合、アスペルガーの特質が影響
することが考えられるんですね。予測のつかないことに敏感に反応する点、
個人差はありますが身体接触が苦手な場合、相手の子に害意がなくても、
やった方も自分のことしか考えられませんから、この年令で、息子さんに
ちゃんと納得してもらえる対応を取ることは、望めないだろうなと考えられる
ので、先生の目の前ででも起こらない限り、息子さんはそう言うことが起きる
度に、大きなストレスになっているのではないかな?と思いました。

息子さんは嘘はつかないと思います。とても素直で正直なのも特質の1つです
から、実際に起こったことは、どのような状況だったか?分かりませんので、
あくまで推測の域を出ませんが、「どちらが嘘をついている?」と考えるよりも、
「どちらも嘘をついていないとしたら?」と言う視点で、もう1度話を聞いて
あげて欲しいと思いました。

息子さんが抱えてしまうストレスを、出来るだけ軽くしてあげられたらいいな
と思いますし、メグモンさんのご心労も、軽くなって欲しいなと思います。
カウンセリングサービスでは、直接お電話でお話を伺うことも出来ます。
(初回は無料です)よかったらご遠慮なくご相談下さいね。
この回答が、少しでもお役に立てば嬉しいです。
ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

家族関係・対人関係・パートナーシップ・自己肯定自己実現を得意分野とし、がん看護・認知症介護の経験から医療・福祉関係にも精通している。 深層心理への唯一のアプローチである【感覚・感情】を解放する、癒しのスペシャリスト。 「体感で楽になった」「腑に落ちる」「納得がいった」と好評をえている。