遠距離恋愛のヒケツ(後編)

こんにちは、平です。

先週に引き続き、“遠距離恋愛”がうまくいくヒケツをお話ししていきましょう。

恋愛に求めるものは、人それぞれ違います。

たとえば、人生のうまくいかないことをぜんぶ恋愛で満たそうとする“恋愛至上主義タイプ”もいれば、「人生にはいろいろな楽しみがあり、恋愛もその一つ」と考える人もいるわけです。

遠距離恋愛がうまくいく人には、後者が多いようです。

恋愛至上主義者であれば、たぶん、彼との距離ががまんできず、あなたのほうから押しかけちゃうはずですから・・・。

後者のように、「人生において、いろいろな楽しみを大事にしたい」と考える人は、自分なりのライフスタイルを確立していることが多いようです。

そんな人の場合、パートナーもまた人生に多様な喜びを求めるタイプで、おたがいに「きょうはあなたとは会えなかったけれど、一日をこんなふうに楽しく過ごすことができました」と報告しあったりできるようでないと、遠距離恋愛はうまく続かないようです。

それがうまくいき、おたがいにおたがいのライフスタイルを刺激しあい、インスピレーションを与えあえるような関係になったとしたら、「じゃあ、二人でいっしょに暮らせば、こういうこともできるだろう」というように、ロマンスもまたふくらむというものです。

いろいろな人生経験をしてきたあとのほうが、どうも、遠距離恋愛はバランスがとれてうまくいくようです。言い換えれば、人間として、大人として、それぐらい自立していることが、遠距離恋愛には必要ということなのでしょう。

一方、遠距離恋愛がうまくいかないケースでは、「彼が私のそばにいない」ということで、相手を非難するような構図ができてしまいがちです。

「きょう一日、なにをしても楽しくなかった。そのいちばんの原因は、あなたがそばにいないから」というかんじです。

すると、コミュニケーションにおいてもどうしてもパートナーに不満をぶつけてしまいますから、攻撃された側も「そんなこと言ったって、どうしようもないだろう」と不満を感じてしまいます。

そして、パートナーが「もう少し自立しろよ」とか「人にばかりたよっていないで、自分で人生を楽しむ方法を見つけてほしい」とあなたから距離をとったりすることで、ますます二人の仲が悪化するというケースも少なくないようです。

また、遠距離恋愛がうまくいかないケースでいちばん多いのが、「ネガティブな妄想をしてしまう」というパターンです。

「いまごろ、浮気しているのではないか?」とか「もう、私のことなんか、忘れてしまったのでは?」と考えてしまうのですね。

パートナーを信頼できなくなっているということであり、裏返して考えれば、「あなたはどのぐらい、パートナーを信頼できますか?」というのが遠距離恋愛にとって重要なことといえるわけです。

これは、“嫉妬”の力学とも似ています。

「私のことをほったらかしにしていると、浮気しちゃうぞ!」と思ってしまう人は、「私と同じように、彼も浮気するのではないか?」と投影してしまうわけです。

つまり、あなたにパートナーを信頼する力がないと、なかなか遠距離恋愛は成就しにくいようなのです。

さらに、もう一つ。遠距離恋愛を成就させられる人に多いのは、同性の友人や仲間との関係をしっかり築いているということです。

人生でいちばん大事なものは、彼や彼女との関係であるとする恋愛至上主義者の人は、喜びや楽しみもパートナーからのみやってくると考えます。

一方、遠距離恋愛を成就させられる人は、淋しさを満たしたり、喜びや楽しみを得たりするチャンネルを、人間関係においてもたくさんもっているようなのです。

ほかに相手がいないと、どうしてもパートナーを責めてしまう傾向が強まりますので、同性の友人や仲間は、ある意味、不可欠ということもできるでしょう。

以上、遠距離恋愛について、2週にわたっていろいろと考えてきましたが、いちばんのポイントをあげるとしたら、「自分というものをしっかりともち、自分のライフスタイルを築いている人ほど、遠距離恋愛がうまくいく」ということがいえそうですね。

さて、あなたはいががでしょうか?

 

では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。