オタクな彼のウイークポイント

こんにちは、平です。

草食系男子という言葉がすっかり定着した今日このごろですが、最近は超受け身の男性が増えているようです。

このタイプの男性は、自分から女性に話しかけたり、アプローチしたりすることがものすごく苦手なので、女性のほうから話しかけたり、近寄ったりしないと関係性がなかなか成り立ちません。

彼らはどのような会話をすると女性を楽しませたり、喜ばせたりできるかということはほとんど考えず、自分の好きな話題や趣味のことについておしゃべりし、盛り上がりたいと考えています。

相手に合わせるよりも、自分の世界を共有してほしいと思っているわけです。

彼らは孤立しがちですが、ひとりぼっちの世界でその孤立感を慰める趣味をもっていることが多いようです。その趣味にマニアックに情熱を注ぐことにより、心のバランスをとっているわけです。

それは、AKBであったり、ガンダムであったり、エヴァンゲリオンであったりするわけですが、それはもう、信仰に似たものになっている場合もあります。

つまり、彼らも情熱的に生きたいわけです。

ある意味、イタリアなどラテン系の国の男性が、そのすべての情熱を女性に向けるのと同じぐらい、彼らのオタクぶりは情熱的ともいえるのですが‥‥。

このようなタイプの男性は自分から女性にアプローチできないので、「そこにいれば、女性から話しかけてもらえる場所」‥‥、たとえば、ガールズバー、キャバクラ、メイド喫茶のようなところに行きがちです。そうして、さらに受け身に拍車がかかることになります。

 

彼らは恐れが強いのか、自分の中から外に出ることがなかなかできません。そのため、自分の世界観の中にあるものによってしか人とつながることができないというケースもあります。

対人関係が上手な人は、自分の世界から外に出ていき、いろいろなことに興味をもったり、ほかの人がしていることをのぞき込んだりするものです。

そして、自分でもその味見をし、おもしろいと感じたら自分の中に取り入れて、どんどん自分の世界を広げていったりします。

が、オタクな彼たちは、これとはちょうど正反対であるわけです。

人それぞれ、人生や世界の楽しみ方はいろいろですが、恐れが強い人の場合、世界を広げていくということは、興味をそそられることではなく、不安を強化することだと感じてしまうようです。

それで思い出したのですが、以前、家族でイタリア旅行をしたときのことです。ローマ滞在中、私と妻と娘はアウトレットに買い物に行くことにしたのですが、息子は買い物には興味がないので別行動をすることになりました。

で、「市内を散歩でもしてきたら?」とすすめたところ、“イタリアの街は、スリや泥棒が多くて恐いところだ”という自己概念を強くもっていたわが息子は、「とんでもない、そんな恐ろしいこと!」と答え、半日、ホテルの部屋でゲームをしていたのです。

多くの人は、「なんと、もったいないことを!」と感じるわけですが、そのときのうちの息子は、まだ中学生だったこともありますが、そんなふうにはまったく思わなかったことでしょう。

オタクの男性の話に戻れば、このタイプの人は自分の趣味などから世界を広げていくことは大好きなので、自分の中に数多くの趣味や興味を増やす度合いだけ、世界も大きくしていくことができます。

私どものクライアントのとある鉄道オタクの人は、鉄道目当てに各地をめぐるうちに、温泉に興味をもつようになり、全国のB級グルメも食べ歩くようになり、それをブログで発信するようになりました。

そうするうちに、ネットを通じてのお友だちがたくさんできて、オフ会を開いたりして、その場所で現在の奥さまと出会ったそうです。

さらに、奥さまという一人の人を受け入れることができたおかげで、彼女の趣味も受け入れることができるようになり、その結果、それまではかなりのオタクだった彼が、言葉は悪いのですが、ごく普通に生きていけるようになりました。

内気な男性の中には、「女性とは、自分が喜ばせてあげられる相手である」とはなかなか考えられず、逆に「自分が傷つけてしまうのではないか」という恐れをもっている人も少なくないようです。そこまでいかなくとも、女性といることにストレスを感じていることもよくあるようです。

もしも、女性のあなたがそんなタイプの男性を好きになってしまったら、まずは彼の趣味のことなどについて話しかけてみると、意外と簡単におつきあいに発展するかもしれませんよ。

 

では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。