離婚の心理学4~離婚は失敗?~

離婚には嫌な感情が付きまといやすいです。

でも幸せになる為に離婚する。そういう考えもできますよ。

前回までの離婚の心理学は、3シリーズとも
関係修復をする為にはどうするのかという視点から心理学講座を紹介しました。

参照
離婚の心理学1~破局の危機は乗り越えられる~
離婚の心理学2~相手を責めることは効果はあるの?~
離婚の心理学3~傷ついたハートを癒そう~

しかし、離婚問題が起きた時には関係修復をしなければならないのか?
と問われると必ずしもそうではないと思います。
離婚を積極的に肯定して、どう離婚を受け止めるかというのが大事な場合もあ
ると思います。

●離婚と失敗感●

離婚問題の相談を受けた時、こう言われるお客様がいます。
「離婚することになってしまい、失敗してしまった気分です・・・」

心情的には、幸せな結婚を夢見た分だけ、上手くいかなかったことで、
失敗感というのを感じたりすると思います。
他にも離婚にならないように関係修復に向けて頑張った分だけ、上手くいかな
かった時、失敗してしまったように感じることもあると思います。
自分がこの人だと幸せになれると選んだ人と離婚することになり選び間違った
ような感じがしてしまい失敗感を感じることもあると思います。

人それぞれ失敗感の理由は違ってくると思いますが、
この失敗感を感じることは、とても心痛むことだと思います。
苦しい気分になると思います。つらいですね。

でも、本当に失敗なんでしょうか?

答えはNOだと思います。

結婚が幸せになる為の目的として考えた時、その目的が上手くいかなかった
という感じをうけて失敗してしまったように感じるかもしれません。

しかし、結婚は幸せになる為の目的ではなく手段だと捕らえてみてください、
すると離婚も幸せになる為の手段だということがわかります。
目的は結婚生活ではなくて、自分が幸せになることなのですから。

結婚も、離婚も自分が幸せになる為の一つの手段であれば、失敗感を感じる
必要はありません。
そう考えることができれば、自分の幸せの為に離婚を選んだと、
離婚を受け止めやすくなるでしょう。

本人が離婚を失敗と考えてしまうと、失敗感を感じてしまい心痛んでしまいま
す。しかし、違うように考えることとで失敗感を克服できると思います。
離婚を本人がどう捕らえるかが大切なんでしょうね。

また、離婚=失敗感と心のどこかで結びついている場合、
お互いに離婚したほうが、お互いの人生の為に良いと考えているのに、
失敗感を感じたくない為に離婚できないというケースもあります。
これも離婚は失敗ではなく、自分が幸せになる手段だと捕らえてください、
そうすれば、自分の幸せの為の選択がしやすくなりますから。

●別居に関して●

離婚問題のご相談を聞かせていただいた時、別居というテーマがでてきます。

例えば、
「家で主人の顔を見るたびにイライラとした気分が募って、つい感情的になり
口論になってしまうんです。離婚も考えるのですがイライラした感情が先に
たってどうしていいかわからなくなります。」

この様なご相談を聞かせていただくことがあります。
冷静に二人の関係をどうしようか考えようと思っても、ご主人とは毎日お家で
顔を見合わす相手だけどうしても感情的になってしまうと思います。
どうしても会うと感情というものが刺激されてしまうのでつらいですよね。

「別居は考えたことはありますか?」と質問させていただくと、
別居は考えたことが何回もあるが、別居することは離婚する為の準備のような
気がして別居はまだ決断できないと言うようなお答えをいただく時があります

これは、別居=離婚という観念が頭の中に出来上がってる為にこういう答えに
なってしまうようです。
別居=離婚と結びついている方は、僕のカウンセリング経験上結構多いように
思います。

お互い感情的にならず、これから自分はどうしたいか考える為に、
顔を見合わせず熱くなっている感情を冷やすのに別居というものは、
良い手段の一つだと思います。
また、このような場合、精神的にも追い詰められていたり、過度なストレスが
長期にわたりかかっており心労がたたっていたりするので、自分の心のケアー
の為にも別居は良い手段となります。

別居=離婚と結びつけてしまうのではなく、
これから二人がどうしていこうか考えれるようになる為の手段や、
幸せになる為の手段として別居を考えてあげるとよいと思います。
そうすれば、自分の選択肢の手札が増えますから。

別居をもう一回二人がやり直す為の手段と考えれる場合もあります。

「では、このまま半年たつと二人はどうなっていると思いますか?」
と質問させてもらうと
「できるなら離婚したくないですが、このままなら間違いなく離婚していると
思います。」
という答えが返ってくる場合があります。

この場合、離婚せずにお互いがやり直す為に一旦離れる別居になるでしょう。
別居の目的は、これ以上相手のことを嫌いにならず、相手とやり直せるように
なる心の状態を作る為の別居となるでしょうね。

また、逆に相手が一緒に暮らしたくない別れたいということに頑なになり、
感情的になっており、こちらの意見をまったく聞こうとしない場合も、
いったんお互いに冷静になり感情を冷まして話し合う為に別居が有効な手段と
なる場合があります。

別居=離婚と結びつけず、
自分が幸せになる為の、一つの手段として捕らえることが大切と思います。
そうすれば、良い結果を出す為のあなたの手札が増えますから。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。