夢を諦め、新しい夢を見つけるには

相談者名
鶴ヶ城
追いかけていた夢を諦め新しい夢を見つけようか、と思っている45歳の無職です。

大学を卒業後就職したのですが、当時私は人と全く話せない人間で、さらに入社4カ月で先輩社員の長期出張により宙ぶらりんの状態になり、仕事を覚えることができずダメ社員になり、2年余で退職しました。その後引きこもっていましたが、大学在学中に興味を持ち始めたジャンルの仕事をしたいという夢を持ち、あるきっかけで人と話せるようになったこともあり、思い切って39歳の時に専門学校に入学しました。専門学校を卒業後二度就職しましたがキレやすい社長で精神的に辛かったり、高圧的で労働安全衛生法に触れるようなことを従業員にさせる社長だったりで両方とも2カ月で退職しました。

それでも粘って就活を続けてきましたが、一方で今まで追いかけてきた夢の仕事をしている自分をリアルに想像して違和感を覚え、これは本当にやりたいことだろうか?と思う時があります。また、大学卒業後に就職した会社では全くのダメ社員でしたし、仕事の覚え方も分からないので、仕事ができるようになるのか不安です。さらに私には孤独癖があり、職場の人間関係についても不安があります。

2年ぐらい前から仕事をやっていくための社会勉強として、いろいろな短期のボランティアに参加するようになり、その経験から自分はダメ人間ではない、という感覚を得ました。また、心理学関係の本も数冊読みました。もう一度夢に向かって就職して、いろいろ学んだことを試したいとも思います。今の夢に未練があり良い所に就職する機会があるかも、とも思ってしまいます。でも、もう45歳になってしまい、今の夢を諦めて次の夢を探したほうがいいのではないか、とも最近思います。ボランティアで新しい夢が見つかるかも、と思ったりしましたが未だ見つけられません。甘えたことを言うようですが、夢に向かって頑張るという体験をすると、食うだけの仕事に就く、ということに心が拒否してしまいます。

後悔なく夢を諦めて新しい夢を見つけるにはどうしたらいいでしょう?

カウンセラー
大塚亘
鶴ヶ城さん、はじめまして。

今回担当させていただきます、大塚亘と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。

いただきました文章を拝見して私が思いましたのは、鶴ヶ城さんは、「とても前向きな方」
だということです。行動力があり、実際に結果も残されています。

我々人間は、多かれ少なかれ、自己否定や自己嫌悪を持っています。そして、将来不安を
抱えている場合もたくさんあります。

さて、鶴ヶ城さんは、今、

「自分自身のことが好きですか?」

と質問されたら、なんと答えるでしょうか。

もし、「自分のことが大好きです」と言えるのであればいいですが、私の想像では、
「自分のことはあまり好きではありません」というような感じに思われているような
気がいたします。

鶴ヶ城さんは自己否定があるようなので、いただいた文章は、自分を否定するような
書き方が多くなっています。しかし、私には、次のように見えるのです。

「先輩社員の長期出張により宙ぶらりんの状態になったにもかかわらず、2年以上も
頑張った」

会社に勤める方にとって、長時間労働や、上司の指示に振り回されるというのは、とても
しんどくて辛いことですよね。しかし、私は、むしろ、次の状態の方が辛いと思うのです。

「具体的な指示がなく、放置される。仕事を教えてもらえない。やることがない。」

よく、ニュースなどで、企業が社員をクビにするために、ほとんど仕事がない「閑職」
につけるという話しが出てきますよね。

「追い出し部屋」と呼ばれるような部署に異動させて、仕事を全く与えなかったり、
あるいは、ほとんど意味のない単純作業だけをさせるようなことを続けて、精神的に
追い込んで、自主退職させるように持っていくという話しを聞かれたことがあるかと
思います。

一方で、自主退職させるために、その会社のメインの業務に就かせて、たくさん仕事を
与える、という話しは全くないわけです。これが、私が、長時間労働よりも、閑職の方が
辛いと思う根拠です。

しかし、そのような辛い状況であったとしても、鶴ヶ城さんは、2年以上も頑張り続けた
のです。これは、とても素晴らしいことではないでしょうか。

「大学在学中に興味を持ち始めたジャンルの仕事をしたいという夢を持った」

「あるきっかけで人と話せるようになった」

「夢の実現のために、専門学校に入学した」

夢を持ち、人とあまりうまく話せないという悩みも、鶴ヶ城さんは自ら乗り越えて
こられたのです。これは、どうみても「素晴らしい」としか言いようがありません。

なお、専門学校を卒業された後に、二回短期間で仕事を辞されていますが、書いて
くださった事情を考えれば、退職して当然なのではないでしょうか。

そして、この、短期間で退職されたことについては、私には、こう見えるのです。

「鶴ヶ城さんは、ご自身の心身を大切にするため、退職して、自分を大切に扱う
ことにした」

世の中には、いわゆる「ハードワーカー」もいますし、いじめやパワハラなどに遭ったと
しても耐え続けて、会社を辞めない方もたくさんいらっしゃいます。

それらの方々を否定するわけではありませんし、次に述べることは全員に当てはまるわけ
ではありませんが、深層心理としては、ハードワーカーや辛いことがあっても会社を
辞めない方には、次のような気持ちが隠れていることがよくあるのです。

「このひどい状況は、罪深くて、人間としての価値がない自分には、ふさわしい状況だ」

辛い状況でも会社を辞めない理由として、自分が嫌いで自己攻撃が激しいため、無意識に、
あえて自分を痛めつける場所に身を置き続けてしまうということがあるのです。

このようなときに、自分が嫌いだからハードワークしようなとど、自覚されていることは
ほとんどありません。

しかし、鶴ヶ城さんは、2か月という短期間で退職を決断されました。これを深層心理の
表現にすると、次のようになると思うのです。

「ご自身の、人間としての高い価値をしっかりと認識されているため、ひどい状況に身を
置き続けることは、自分(鶴ヶ城さん)には、ふさわしくない」

そんなに高い価値はないですよ、と思われたかもしれませんが、鶴ヶ城さんが書いて
くださった次の表現が、鶴ヶ城さんが、無意識レベルでは、ご自身の高い価値を認識
されている証拠だと思うのです。

>2年ぐらい前から仕事をやっていくための社会勉強として、いろいろな短期のボラン
>ティアに参加するようになり、その経験から自分はダメ人間ではない、という感覚を
>得ました。

無意識に自己否定していると、ハードワーカーのたとえ話の通りに、「自分がダメで
あることを証明」したくなるのです。しかし、鶴ヶ城さんは真逆で、「自分はダメでは
ない」という感覚を得たのです。

>心理学関係の本も数冊読みました。もう一度夢に向かって就職して、いろいろ学んだ
>ことを試したいとも思います。

ご自身について、無意識に「自己承認している部分」がないと、書いてくださったように
前向きにはなれないものだと思うのです。

つまり、鶴ヶ城さんは、自己否定や自己嫌悪を持ちながらも、同時に「自分の価値や
能力を認めている部分もある」ということなのです。

これは、とても素晴らしいことです。

さて、結論になりますが、鶴ヶ城さんは私大塚と同い年で45歳とのことですが、なぜ
一番の夢を諦めなければならないのでしょうか。

例えば、私大塚が仮に「助産師さんになりたい!」という夢を持ったとしても、
日本の現在の法律では、助産師さんは女性しかなれませんので、男性である私は、
どうあがいても助産師になりたいという夢をかなえることはできません。

また、私大塚はとても目が悪くて、裸眼では両方とも0.01くらいしかありません。
そのため、もし視力による制限がある職業があったとしたら、残念ながら、その仕事には
就けないわけです。

2つ夢が叶わない事例を述べましたが、これらは客観的に考えて、どうあがいても100%
夢を叶えることができない状況です。鶴ヶ城さんの一番の夢の内容の記載がございません
でしたので、詳細は分からないのですが、夢を叶えることができる可能性は、ゼロでは
ないのではないでしょうか。

ですから、私の提案は、

「夢をお持ちなら、ぜひその夢に向かって進んでいって欲しい」

というものです。

>夢に向かって頑張るという体験をすると、食うだけの仕事に就く、ということに心が
>拒否してしまいます。

そうですね、心は素直に反応しているわけです。この文章も、私はこう見るのです。

「鶴ヶ城さんは、とても素直な性格をされていて、素晴らしい」

よって、私には、鶴ヶ城さんは、

「前向きで素直な性格をお持ちの方」にしかみえない

のです。そんな素晴らしい方が、なぜ夢を諦めなければならないのでしょうか。

さて、そうはいっても、現実的に生きていくためにはお金も必要だし、すぐに夢が叶う
わけでもないし、と思われるかもしれません。

これにつきましては、同じこの無料相談コーナーで、以前に私大塚が、関連性のある
ご質問に回答していますので、そちらをぜひ見てみてください。

カウンセリングーサービスのトップページの検索窓に、

「夢中になれる仕事を見つけたいが」

と入力していただいて、検索していただければ出てきます。

いずれにしても、夢を諦めないでほしい、というのが私の提案です。少しずつでも
着実に進んでいかれて、ぜひ夢を実現してほしいと思います。

読んでくださり、ありがとうございました。

大塚亘

この記事を書いたカウンセラー