「やらされ感」から脱却したい。

相談者名
Masa
現職の閉塞感に限界を感じ、35歳の節目を前に転職活動を始めました。
紹介会社等へ相談に赴くと、職歴や経験は概ね問題ないと言われますが、
最後に必ず「あなたには足りないのは自信です」と言われます。
そして、自信がないなら転職しない方が良いと諭されます。

自覚があるゆえに心臓がえぐられる様な気持ちになります。
「不安の先読みは面接官に能力がないと判断される」といった
耳の痛い指摘に有難味は感じるものの、凄く息苦しさを覚えます。

自信という言葉に含まれる苦難や逆境を乗り切る根性の様なものに
「やらされ感」を感じてしまい、それに対する防衛本能に思えます。

子供の頃から父に自分の感情や意見を出すことを否定されてきました。
親の顔色を見てはその時々の感情を殺して被害者意識を抱えてきました。
そんな父も祖父の関係も私達と同じだったと後に母から聞きました。

そこから抜け出せず、仕事も都度会社から求められることに応えてきました。
嫌なことも辛いことも仕方ないと受け止め我慢し押し殺してきましたが、
年齢を重ね、役割や会社方針に気持ちがついて行けない場面が増えました。
ずっと抱えてきた「やらされ感」への耐性がそろそろ限界のようです。

現職に留まるも、転職するにも「ずっと苦しむ自分」が浮かんできます。
より高度な忍耐力が求められるミドルエイジの役割に耐え得る自信がなく、
行き詰まりを感じます。本当は自分がどうしたいのかすら分かりません。
被害者意識からどう抜け出し働けばよいのか見えなくなってしまいました。

カウンセラー
佐藤まゆみ
初めまして、Masaさん。
今回のご相談の回答をさせていただく、佐藤まゆみと申します。
どうぞ、よろしくお願いします。

35歳という年齢は、社会人として中堅に当たり、より自分らしく生きるための模索を始める頃なのかもしれませんね。
転職も選択肢のひとつでしょうから、ご自分が望んでのことならチャレンジされているのは結構なことだと思います。

>紹介会社等へ相談に赴くと、職歴や経験は概ね問題ないと言われます

きっと真面目にコツコツと確実な仕事をされたきたんでしょうね。
書類選考では、かなりの好評価を得られているようです。

>最後に必ず「あなたには足りないのは自信です」と言われます。
そして、自信がないなら転職しない方が良いと諭されます。

相談員の人は、Masaさんと話していて「実績があるので、もっと堂々としていたら良いのに自信なさげ。」に見えてしまうところが、ずい分気に掛かっているようです。

>自信という言葉に含まれる苦難や逆境を乗り切る根性の様なものに「やらされ感」を感じてしまい、それに対する防衛本能に思えます。

「やらされ感」というのは、自分の意思でやったのではない時に使う言葉ですね。
これはどうやら仕事に限らず、もしかしたら生活全般において、自分の判断が基準になっているのではなく、自分以外の誰かの尺度で決めたことをやってきた可能性が高いですね。

Masaさんの【私の考え】は、どこにいってしまったのでしょう?

>子供の頃から父に自分の感情や意見を出すことを否定されてきました。
>親の顔色を見てはその時々の感情を殺して被害者意識を抱えてきました。

子どもにとって、親ほど影響の大きいものはありません。
常に否定されていると、親が機嫌良さそうにするのは、どんな対応をした時かを子どもなりに考えるものです。

親の意に沿うようなことを言ったりしたりするより他、ありませんからね。
自分ではとても納得できないことも多々あったでしょうから、感情を押し殺すしかなかったのは、大変に苦しかったとお察しします。

そしてMasaさんは“被害者”で、親御さんは“加害者”だと、いつの間にか当てはめてしまっていたようです。
けれど、被害者と加害者は本当に紙一重だと言えます。

>そんな父も祖父の関係も私達と同じだったと後に母から聞きました。

お父さんも、その昔は“被害者”だったんですよ。
今のMasaさんが感じているこの苦しい感情は、その昔、お父さんが感じていたものと全く同じだと言えます。
お父さんは、こんなにも辛くて苦しい人生を歩いてこられたんです。

Masaさん、その時のお父さんの感情に少し寄り添ってあげてもらえませんか?
息子としてお父さんを見るのではなく、同じ苦しさを知る一人の男としてお父さんを見てあげてください。
自分の意志というものを持つことが出来ずに、時は流れていつの間にか“加害者”になってしまったお父さんなんです。

もう、この連鎖はMasaさんのところで終わりにしましょう。
Masaさんには、被害者でも加害者でもない“無害者”になっていただきたいんです。

人生は、自分の思い通りに生きて良いんですよ。

最初におっしゃった“自信”についてお伝えしておきたいことがあります。
自信とは、自分の意思で決めた判断を信じられることです。

その為には、小さな成功体験の積み重ねが必要です。
成功体験というと大げさに感じるかもしれませんが、そんなに難しいことでなくて良いんですよ。
日々の、自分では“当り前”のつもりでやっていたことに価値を見出して頂きたいのです。

例えば、「期限内に書類を提出することが出来た。」とか、「なかなか連絡がつかなかった人と、会う約束が出来た。」とか、「新しく考えた企画が承認された。」とか。
仕事でもプライベートでも、見つけようとするならいくらでもあるはずです。

自分の意思で決めたことを信じて、行動してみる。
そして、それが出来た自分を誉めてください。

多分そんなことは、今までなさったことがないのではないかなと思います。
出来なかったことよりも、現在得られているもの、出来ていることの価値を見て欲しいんです。
その一つ一つが自己承認につながっていきます。

>現職に留まるも、転職するにも「ずっと苦しむ自分」が浮かんできます。

本来、仕事をすることは決して「苦行」ではありません。
自己承認が出来たなら、現職であろうと転職先であろうと、「仕事が出来る自分」に喜びを感じられることでしょう。

ただこういうことは、ご自分一人でやっていくには、なかなか大変なことです。
今までの、頑固な考え方のクセがありますからね。

どうぞ、私たちカウンセラーと一緒に取り組むことも視野に入れてみてください。
もし良かったら、手始めに初回無料の電話カウンセリングをお使いになってみてはいかがでしょうか?

Masaさんのお力になれることを、心から願っています。

ご相談くださって、ありがとうございました。

佐藤まゆみ

この記事を書いたカウンセラー

About Author

1957年生まれのシニア世代。 自身の豊富な人生経験を生かした、自分らしく生きていくためのサポートが好評を得る。 得意ジャンルは、対人関係・自己啓発・恋愛。 “何かを始めるのに遅すぎることはない”の言葉通り、いくつになっても新しい人生を切り開いていけることを、身をもって実践している。