仕事(ビジネス)の心理学8~職場でのメンタルヘルス2~

ストレスが溜まると心に力が入らないことがあります。

そんな時は自分を責めず に休みを取る勇気も大切。自分を責めない為の工夫をご紹介します。

●心が疲れた時は休みを取る勇気も大切

朝起きて体がだるくて体調不良でもないのに会社を休んでしまった。
お医者さんに行くと、ストレスが溜まっているからお仕事を休んでみたらと
提案されたとのこと。

そんな経験をされた方(されている方)とカウンセリングをしていると、
「みんなは頑張っているのに、休んでしまって情けないと思うんですよ」とか、
「頑張れば職場に行けると思うんですが、休んでしまってダメだなと思うんです」
など、ご自身を責められていることがあります。

体調不良でもないのに会社に行けない、それは体ではなく心が悲鳴をあげてい
る証拠。ご自身を責められないで欲しいのです。

悲鳴をあげるくらいまで、頑張られた証拠でしょうから。

運動をしてクタクタになり筋肉(体)が疲れると、力がでなくなるように、
ストレスで心が疲れると、気力や、やる気などの心の力がでなくなります。

こんな時は筋肉の疲労を取る為に休養の時間がいるように、
心の疲労を取る休養の時間がいります。

その休養時間の間は自分を責めないことが大切!

自分を責めるということは、ストレスでダメージを抱えた心に鞭を打ち、
更にダメージを加えて行くようなものです。
ますます、心のダメージは大きくなりボロボロになって行きます。

ですから心が疲れて力が出ない時は、自分を責めずにゆっくり休む勇気を
持っていただきたいのです。

●自分を責めずに休む考え方を工夫する

自分を責めてしまうと、自分で心のダメージを蓄積してしまい、自分で自分を
追いつめてしまいます。

休養を取る間は、自分を責めない考え方を工夫してみるといいでしょう。

僕のカウンセリングでも提案している、自分を責めない為の考え方を幾つか
ご紹介させていただきますね。

○休養の必要性を理解する時間を作ってみる

例えば、
電動アシスト自転車を使ってサイクリングに行くと思ってみてください。
しかも遠出!

次の2つの内、どちらの自転車でサイクリングに行くといいでしょうか?

1・ちょっとしか充電されていない自転車でサイクリングに行く。
2・いっぱい充電されている自転車でサイクリングに行く。

答えは・・・・2番
正解です(たぶん、正解しているかと思います)

もし、1番の自転車でサイクリングに行くとどうなるのでしょうか?

すぐに電池がきれて疲れてクタクタになりますよね。
普通の自転車より重い分だけに、よけいに疲れますね。

自転車を降りたとたんに、生まれたての子羊のように足がガクガクしてる
かもしれませんね。

心が疲れている時に頑張ろうとすることや、自分を責めて自分に鞭を打つことは、
充電されていないままの電動アシスト自転車に乗ろうとしているようなもので、
エネルギーが充電されてないのに無理をするのでクタクタになってしまいます。

そんな時には満充電になるまで、じっくり充電してあげることが大切です。

バッテリーが満充電にできたら、遠出もできるし、坂道も楽々上れます。
心のバッテリーも満充電になれば、長い時間頑張れるし、多少の無理もできます。

無理が利くので充電期間中休んでいたこと(仕事とか、趣味の練習時間とか)も
取り戻せます。

バッテリーが空のままサイクリングに行かずに、充電してから出かけると効率的
ですね。

僕のカウンセリングでは色んな例えを使い、休養する意味のお話をさせていただ
いています。この電動アシスタント自転車を使っての例えも、その一つ。

自分を責める感情に入らない為に、休養の必要性をご自身なりに、
納得しやすい形で整理する時間を取ってみるといいと思います。

○目標を設定する

何の為に休養を取るのか目標を設定してみるのも、自分を責めない為の工夫の
一つになるかと思います。

“逃げてる”“さぼっている”と思ってしまうと罪悪感を抱きます。
罪悪感を抱くと自分を責めてしまいます。

“逃げている”のではなく、“向かって行っている”と感じることができれば、
罪悪感を感じません。

“向かって行っている”と思えるようにする工夫に、目標設定をしてみると
いいと思います。

例えば、「楽しく職場に行けるようになりたい」と目標設定をしてみます。
目標設定をしてたら、こう考えてみるんです。

楽しく職場に行けるようになる為に休みを取るんだ!と休養に意味をつけてあ
げるんです。

そうすると、目標に進む為に休んでいるととらえるので、前に向かって行って
る感覚で捉えやすくなります。

○援助の声を受け取る

自分で自分を責めてしまったり、休養を取ることに抵抗感がでてしまい休みを
許可しづらい時は、自分以外の誰かのサポートを借りることも工夫の一つ。

「頑張ってきたんだね」という承認の言葉をかけてもらったり、
「ゆっくりしてもいいんじゃないの」という許可の後押しの声をもらったり、
と自分以外の誰からのサポートの声をもらうんです。

自分では乗り切れなかった壁も、誰かとだったら乗り越えられることがあります。
援助を求める勇気を持つこことも大切です。

●自分のことを一番大切にする勇気を持つ

休養を取る時は、世間の目が気になったり、人と比べてしまい惨めさを感じた
りと、色々な感情にさいなまされることがあるかと思います。

そんな時ほど、自分のことを一番大切にすることに意識を向けていただきたいの
です。

ご自身が楽になる為、元気になる為にだったら、休養もありと思えるかもしれ
ません、退職もありと思えるかもしれません。

ご自身を大切にしようと思えた時に、嫌な感情から脱出できるでしょうから。

そして、誰かにサポートを求めてください、一人では抜けられない嫌な感情も、
誰かのサポートを借りて抜けて行けることがありますから。
苦しい時は、一人で頑張らないでくださいね。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。