結婚するとどうしてロマンスがなくなってしまうんだろう?(4)

ロマンスを取り戻すために、まずはお互いの間にある恥ずかしさを乗り越えるところから始めます。

それは相手への感謝の気持ち、そして、相手の長所・価値を伝えるコミュニケーションから。そうすると、徐々にお互いが対等な関係になり、十分に愛し合える、ロマンスを分かち合える状態になっていくんですね。その世界では、自然と愛情を伝え、愛し合え、そして、全てのものに感謝できるような、そんな気持ちを味わえるんです。

●まずは感謝、そして、価値を伝えるところから。

先日も、カップルカウンセリングの中で、ご主人に「奥さんに感謝していることって何がありますか?」ってお聞きしたんですね。
そうすると、あれこれたくさん出てくるんです。
でも、隣にいた奥さん、それ聞いてビックリ。

なんせ、一度もそんな言葉をかけてもらったことが無いし、そういう風に思ってる素振りも微塵も見せないからです。
(日本人は感情表現が苦手ですから、こういうことは良くあります!むしろ、期待はせずに、旦那はそういうのが苦手と思ってみてあげることが大事だと思います。)

何で言わないんでしょうね?とご主人に聞いてみれば、「照れるから」という理由。
奥さん「なんでよー、もっと言ってくれたらいいのに」とおっしゃってましたが、でも、照れを理由に言わない事って私達、たくさんありません?

「言わなくても分かるだろう」ということを敢えて言うことが私達にとっては大切なことだと思ってください。
もちろん、「言っても分からないから無駄無駄」と思ったら、気長に何度も何度も表現を変えながら伝え続ける必要があります。
そうじゃないとずっと我慢して一人で荷物を持ち続けることになります!

だから、そのご主人には恥ずかしさを越えてたくさん奥さんを褒めてもらったんです。
目を見ながら、向き合って。
ご主人、テレ屋なんですけれど、やれば出来る人なので(きっと潜在的にはプレイボーイだと思いました)、不器用なりに言葉を紡いで、たくさん感謝の言葉や奥さんのいいところを表現してくれたんです。

奥さんも最初は恥ずかしくて全然受け取れずにいたのですが、段々目がハートマークになっていくんですね。

そして、交替して奥さんにご主人のいいところを伝えてもらったんですけれど、もう、奥さんの声のトーンがさっきとはまるで違うわけです。
すっかりオンナの顔と声になっていて、ご主人のいいところを伝えるんです。
(この奥さんもけっこうやり手だな、とそのとき思いましたね)

そうして徐々にお互いの距離を縮めてもらって、恥ずかしさを一つ一つ乗り越えていったんですね。
向き合うのってすごく照れるんですけれど、夫婦って今はどうであれ、過去は裸を見せ合ってる仲ですから、慣れるのも意外に早いんです。
だから、お互いの感情の動きに注意しながら、少しずつお互いに近付いてもらうと、徐々に「パパとママ」が「男と女」に変わって行くんです。

恥ずかしさを越えると、そこにはビックリするくらいのロマンスが眠っているものです。
それは付き合い始めの10倍は強いと言われるくらい素敵なものなのです。

●夫婦が対等な関係になること。

そうして、感謝や価値のコミュニケーションを取っていくと、お互いが対等な関係になります。
男尊女卑で夫の方が上だとか、息子とお母ちゃんだから妻の方が上だとか、そうした上下関係が改善され、お互い同じ目線、で対等に向き合えるようになるんです。

これはお互いにやるのがベストなんですけれど、奥さんだけが先にチャレンジしてみてもやがては同じ効果が得られます。
相手がしてくれないからうまくいかない、ということではなく、相手がやらなくても私はやる、というくらいの意志と勇気と決断はとても大切です。

そうして向き合っていくと自然と相手に対して尊敬や尊重の念が生まれます。
相手を尊敬できると、自然とその相手を大切にしよう、という気持ちに繋がるんですね。
それは自然と相手を信じられる状態で、相手のために何かをしたくなる状況です。

つまり、相手を愛そうとするモチベーションが強くなってくるんです。

夫婦というのは「相手をどう愛し、自分をどう愛させるか?」というところに行き着くと思うんですね。

それは対等であってこそ、初めて成り立つもの。

そのときは大切なものをいとおしく扱うように、好きな人に愛情を伝えることが当たり前なように、愛する者同士の自然な交流が生まれます。
そして、セックスだって、相手を慈しむものになり、喜びや楽しみを共有するものになっていくんです。

そこまで来ると、この人をパートナーに選んだこと、そして、この人と家族を築けることに深く感謝し、やがては自分の生命に、それを生んでくれた両親に、自然と頭が下がるようになっていくんです。

ちょっと想像してみてくださいね。
もし、あなたがそんな気持ちを味わえるようになったとしたら、毎日をどんな気持ちで過ごしているでしょうか?

そんな世界をぜひ、自分に与えてあげてみてはいかがでしょうか?
それは望めば、必ず可能なんです。

(完)

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