心に問題を抱える人にはどう接したらいいの?

心に問題を抱える人の近くにいると、どう接していいのか分からずに、まるで腫れ物に触れるように扱ってしまうことが少なくありません。

そうして一人で背負ってしまうと共倒れの危険性が高まり、お互いが救われない状態を招いてしまうんです。
そういうときに意識すべきポイントを分かりやすく纏めました。
まずは、自分と相手との間に境界線をきちんと持つこと。奴隷にならないためにも、自分自身をしっかり見つめ、ある程度、ドライな部分を持つことが実は必要なんです。

それと自分自身のケアをきちんとすること。これは「苦しいのは相手の方だから」とよく我慢してしまうところなんですね。でも、それでは共倒れの危険が高まるばかりです。
どちらも近い人であればあるほど、良心の呵責や遠慮などが出てきて後回しにしてしまいがちなんですが、お互いのためには、是非考えていただきたい点なのです。

○お客さまからリクエストを頂きました。
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こちらの心理学講座は、心に問題を抱える人々に「自分はなんでこうなんだろう?」「どうやったら良くなれるだろう?」ということをわかりやすく解説する、セルフヘルプを目的とした記事が多かったように思います。

しかし、心に問題を抱える人の周囲には、何をどうしたらよいものやら見当もつかず、ハレモノに触るような気分で辛い毎日を送っている人々も、多いものと思います。心に問題を抱える人との接し方を、ご教授ください。
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実はカウンセリングの中でも、
「主人がうつ病らしいのですが、どう接してあげたらいいのでしょうか?」
「彼女が心にトラウマを抱えています。どう助けてあげられますか?」
といったご相談を頂く事は少なくありません。

その割に心理学講座では扱っていませんでした。
この機会を与えて下さいましてありがとうございます。

さて、心に問題を抱える人にも様々なタイプがあります。
感情的にヒステリックになって暴れたり、暴言を吐いたりするタイプもあれば、引きこもりや抑うつ状態のように内に篭ってしまうタイプもあります。
また、その原因についても、過去に酷い経験をして強いトラウマ(心の傷)となっている場合もあれば、幼い頃からの環境が影響して本人も自覚がないままに、そうした問題を抱えるようになる場合もあります。

どのケースにしても、何がどうなっているのかわからないが故に、すぐ近くにいらっしゃる方は、どう接していいのか分からなくなりますね。
また、パートナーや家族など、近い存在の人であればあるほど、接する時間も長く、また、何とかしてあげたい気持ちが多いので、“癒着”という状態になりやすくなります。
まるで苦しんでいる家族を背中に括りつけて人生を歩こうとするような感じです。

それは愛情でもあるんですが、自分が倒れてしまえば、相手も助けられなくなる、いわゆる“共倒れ”になってしまいますよね?

それはできるだけ避けたいので、「自分は自分」という立ち位置、すなわち、相手と自分との明確な境界線を引いておくことが大切なんです。
そのためにも、自分なりの時間、趣味はもちろん、考え方や生き方などもきちんと持っていく必要があると思うのです。

それに、もう一つ問題があるんです。
それは、背中に背負われている方は自分の足で立つチャンスを逃してしまうということ。
つまり、そのままずっと依存した人生を送らねばならなくなります。
それが、その人のためになることなのか?はとても見極めが難しいのですが、でも、相手のためにも、ある程度、ドライな部分も必要になってくるのではないかと思うんです。

それに、心に問題を抱える方が身近にいらっしゃる場合には、ある面では本人以上に苦しい部分が出てきます。
でも、誰にも言わないんですね。苦しんでるのは相手だと思ってしまうから。

だから、そんな自分の心のケアを是非して欲しいんです。
友人や親族はもちろんですが、そうした方々に迷惑がかかっては・・・と気を使うのであれば(こういう質問を下さる方は皆さん、非常にいい方が少なくないので、周りに気を使いすぎてしまったりもするんです)、カウンセラーやケースワーカーに今の心を話してみるのが良いでしょう。
また、お医者さんに自分自身がかかってもいいですよ。
それから、地域のボランティアや役所の福祉課など、公共サービスでフォローをしてもらえるケースもあります。

以前はこうした心の問題については「お家の恥」として内に秘めてしまうことも多かったのですが、それではなかなか解決しないことも多いはず。
だから、できるだけ使えるものは使う意志は必要だと思うのです。

こうしたカウンセラーや家族、知人にサポートしてもらいながら、そして、公共サービスやボランティアにも手伝っていただきながら、“自分を代表とするグループで”その人をケアしていく・・・そんな姿勢が一番お勧めです。

一人で背負うのが難しくても、ちょっとずつ10人、20人で抱えれば、神輿を担ぐように楽になるはずですね。

そうして、ご自身の負担が軽くなってくると自然と心にも余裕が芽生えてきます。
もちろん、やはり大切なご家族が苦しまれているわけですから、なかなかすっきりはしないかもしれませんが、それでも多少の余裕を感じられるようになると思うんですね。
そうすると、今まで気付かなかった事が見えてきたり、今までよりももっと優しかったり、気配りができたり、余裕を持って向き合うことができるようになります。

相手のケアも大事ですが、自分が倒れたら共倒れになってしまいます。
ですから、できるだけ自分自身の心のケアを大切になさって下さいね。

この記事を書いたカウンセラー

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