コミュニケーションがうまく取れない時(3)~相手とのコミュニケーションを頑張る前に…~

「相手の気持ちを受け取る」

これもコミュニケーションの基本ともいえる非常にシンプルなことですが、時としてそれがとても難しくなってしまうことがあります。
相手の気持ちを受け取るのが難しくなってしまう背景には、どんな心の状態があるのでしょうか?

●どうして相手が伝えたいことをうまくキャッチできなくなるの?

コミュニケーションを取っていくうえで、自分の気持ちや考えを表現することができなくなってしまうと、結果的に、自分が伝えたいことが相手に伝わらず、相手にわかってもらえていない状態となります。

そうすると、「自分の気持ちや考えをわかってもらいたい」という欲求が満たされずに傷ついてしまったり、満たされない分だけその欲求がどんどん大きくなっていったりします。

そうすると心の中は、そうした痛みや欲求で一杯の状態になります。

コミュニケーションにおいて、相手が伝えたいことをうまくキャッチできなくなってしまうのには、この、心が痛みや欲求で一杯になっている状態が大きく関係しています。

心が痛みや欲求で一杯になってしまっていると、相手の気持ちや考えを受け入れてあげるスペースがない状態となってしまい、相手の気持ちや考えを受け入れてあげることができなくなるのです。

このように、相手が伝えたいことをうまくキャッチできなくなる背景には、それを受け入れるスペースがない状態というのがあります。

●相手とのコミュニケーションに頑張る前に…

表現する/受け取るというコミュニケーションがうまく取れなくなっている時、その相手とのコミュニケーションを取るのを頑張る前に、一杯になってしまっている心に空きスペースを作ることに取り組むことをお勧めしたいと思います。
具体的には、「自分(の心)とのコミュニケーション」に取り組むということを通して、心に空きスペースを作っていくのです。

「私のことを誰もわかってくれない!」と腹を立てたことはありませんか?

確かに、自分のことを誰もわかってくれないのは、腹が立ちますし、悲しいですし、寂しいですよね。

でも、「誰もわかってくれない」の“誰も”には、実は自分も含まれているんですね。

自分自身も含めて、文字通り誰もわかってくれない時、「誰もわかってくれない!」と腹が立つのです。

「誰も私のことをわかろうとしてくれない」「誰も私の話に耳を貸してくれない」というのもそれと同様に、“誰も”の中に自分自身が含まれていないのです。

自分で自分のことを全然わかってあげなかったり、聞く耳を持とうとしなかったのには、それだけの理由があるからなのですが、そうした部分も含めて、自分の心に意識を向けて、心の声に耳を貸して、そんな自分をどのように感じてどんな言葉をかけてあげるか?という、自分自身とコミュニケーションを取っていくことは、心の整理整頓だけでなく、それ自体が他者とのコミュニケーションの練習にもなります。

>>>『コミュニケーションがうまく取れない時(4)~コミュニケーション上手ってどんな人?~』に続く

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