夜一人で外出するのがこわくて出来ません

相談者名
マリー
私は1年以上前から適応障害を医者に診断され、心療内科にずっと通い続けています。
症状は、電車に乗ると急に吐き気に襲われたり、過呼吸になったり、気持ちが悪くなったりします。
また友人と1時間以上話をしていると、めまいがしたり、目の前が急にふらついたりします。
今は薬物療法になっていますが、本当なら半年で治ると言われていたのに、こんな状況が1年以上も続きます。
特にこの症状が出てから、夜一人で外出したり、一人で家に帰ることがこわくてたまりません。
誰か見知らぬ人が付いてくるのじゃないかとか、襲われたりしたらどうしようという不安でいっぱいになり、とても怖くて逃げ出したり、動機が激しくなります。
こんな症状が続いていたので、とうとう会社を退職してしまいました。
新しく会社に勤めようと思っても、また症状が出てしまうというのと、夜遅くまで働いて、一人で帰るのがとても怖くて嫌で、なかなか前に進めません。
本当なら、夜友達や好きな人たちとご飯に食べに行ったり、楽しい時間を共有したりしたいと思うのですが、めまいがしたり、夜が怖かったりするので、おっくうになってしまい、一人殻に閉じこもっている状況です。
どうか、助けてください。
カウンセラー
木村祥典(退会)
マリーさん、はじめまして。木村と申します。
ご相談ありがとうございます。

体調が悪かったり日常生活に支障をきたしてしまうのは大変ですし、困って
しまいますよね。

夜の一人の外出が怖くて、そのストレスで会社を退職してしまうくらいですから、
マリーさんの感じているその怖れというのは、飲み込まれて喰い殺されちゃう
魔物のような感じなのでしょうか?

夜が来るたびに、そして、夜が来る少し前の夕方も、ひょっとしたら、朝、目が
覚めた時にも、夜を意識するたびにその魔物の存在に怯えてしまっているのでは
ないでしょうか?

これはとても辛いですよね。

マリーさんの中には「新しく会社に勤めよう」「友達や好きな人達と楽しい時間を
共有したい」という前向きな気持ちがありますよね。
これってとっても素敵で素晴らしいことだと思います。

「あの魔物さえいなければ、会社を辞めなくても済んだのに…」
「あの魔物さえいなければ、友達や好きな人達と楽しい時間を共有できるのに…」
「あの魔物を退治してやりたい!」
「でも、すごく怖い…」
「でも…」

そんなふうに思ったことはありませんか?

この葛藤や、感情を感じることでエネルギーを大量に消費してしまって、
魔物退治に立ち向かう力が残っていない… そんな感じがします。

そこで、まずはマリーさんの心と体を休ませて充電をする、休息の時間を作ること
をお勧めしたいと思います。

1日のうち、比較的楽に過ごせる時間はいつ頃でしょうか?
その時間をマリーさんの充電タイムとして確保して、そのためだけに使うように
してみてください。

その時間はマリーさんが好きなことだけをする時間です。
「何でも好きなことをしてもいいよ」と言われたとしたら、何をしたいでしょうか?
おいしいものを食べることでも、音楽を聞くことでも、寝ることでも、お出かけ
することでも、誰かとお話しすることでも、何でもかまいません。
マリーさんが好きなものを一杯集めて、やってみてください。

次に、魔物退治の作戦を練りましょう。

マリーさんは、魔物に会わないために夜の外出を控えたり、会社を退職されたり
しましたよね。そうして魔物が現れるチャンスを作らないことで、魔物に会わない
ようにしていますが、それでもその魔物の影を感じていますよね。
その影からも身を守るために、1人で殻に閉じこもっている状況があるのだと思います。

そのようにして自分の身を守ることは自然なことなのですが、遠くに逃げる程、
固くて厚い殻の中に閉じこもる程、外の様子がわからなかったり、魔物が今どこに
いて何をしているのかがわからなくなります。

そうすると、わからない分だけ気になってしまい、魔物の影がどんどん大きく
なって感じられるようになってしまいます。

逃げれば逃げる程、大きくなって追いかけてくるのです。

「敵を知り、己を知らば、百戦危うからず。」と言ったりしますが、魔物を退治
するには、魔物の正体を知ることと自分のことを知ることがとても役に立ちます。

1年以上前から心療内科に通っているということですが、そのきっかけはどんな
感じだったのでしょうか?

マリーさんがどんな感情や感覚を感じている時、どんなことを考えている時に
魔物はやってくるのでしょうか?

そして、魔物の存在を感じるようになったのはいつ頃からなのでしょうか?

次に、その魔物の行動パターンと心理を研究してみましょう。

その魔物は夜、マリーさんが一人の時にやってくることが多いですよね。
他にも、電車に乗った時や友達と1時間以上話している時にもやってくるようです。

魔物にとって、この状況がマリーさんの前に現れるチャンスであるようですね。
おそらく魔物は、そのチャンスを虎視眈々と狙って「その時」が来るのを待って
マリーさんの前に現れているのでしょう。

その魔物にとって、なぜ「その時」がチャンスなのでしょう?

その魔物は、何のためにマリーさんの前に現れるんでしょう?

チャンスを虎視眈々と狙って「その時」を待っている時の魔物は、どんな気持ちで
その時を待っているのでしょう?

その魔物が、いつもマリーさんの様子をチェックしているにも関わらず、チャンス
がある時「だけ」マリーさんの前に現れているのだとしたら、それはどうしてだと
思いますか?

そして、その魔物がいつもマリーさんにつきまとって、マリーさんの様子を
チェックするのはどうしてだと思いますか?

そこまでしてマリーさんの前に現れて、魔物がマリーさんに一番主張したいことが
あるとしたら、それはどんなことでしょうか?

いつもマリーさんを苦しめる、あの憎き魔物になったつもりで答を探してみて
もらいたいと思います。

こうして、その魔物がどんな奴でどんな性格で、何時に起きて何時に寝るのか、
普段は何をしていて、好きな食べ物は何なのか?というのを知った分だけ、
「分からないから気になる」ということが少なくなります。

どうして、私につきまとって常にチェックを入れて、チャンスがあれば私の前に
出てくるのか?という、魔物なりの事情や理由を知っていれば、自然と魔物の扱い
方もわかってきます。

もし、魔物がマリーさんに主張したいことがあったとしたら、魔物の気が済むまで
主張させてあげてその言い分を聞いてあげることで、魔物は納得してもう現れなく
なるかもしれません。

この魔物から逃げるのをやめて、魔物と向き合ってその正体を自分の目で確かめる
のは、とても怖いことです、とても勇気の要ることです。

だけど、心配いりません。
マリーさん1人だけの力でする必要は全くなくて、私達カウンセラーが一緒に
その魔物の正体を確かめるお手伝いをいたします。

ボランティアの無料カウンセリングなどもありますので、どうぞお気軽に
お電話をください。

ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

退会しました。