パートナーをもっと愛するために~愛した分だけ、愛される~

パートナーシップにおいて、より深く相手を愛し、より素晴らしい関係性を築くためにはどうしたらいいのか?を考える4回シリーズです。

私達は「愛されたい」という気持ちが強い余り、「愛する」ことすら、その欲求を満たすために使ってしまいがちで、多くの場合、「愛する」ことが「犠牲」だったり、「取引」になってしまうことが少なくないようです。
そうすると恨み辛みや裏切られた感覚など、痛みが常に溢れ、悪循環に陥ってしまうことでしょう。

そこで、そうした関係性から抜け出すために、自立から相互依存関係へのプロセスを辿りつつ、与えつくすこと、手放すこと、ヴィジョンを描き、貢献することなどのアプローチをご紹介し、お互いが自由で、解放的かつ、深く愛し合っている関係を築くためのヒントにしていたければと考えています。
そして、最後にはより具体的な実例を紹介させていただいて、イメージを確かなものにしていただければ幸いです。

●愛した分だけ、愛される、という法則。

私達には誰にでも「愛されたい」という欲求があります。
大切にされたいし、認められたいし、自分だけを見て欲しいし、そして、離れないで欲しいし、ずーっと好きでいて欲しい、皆、少なからずそう思っているものです。

それは、私達がずっと小さい頃には両親に対して感じていた気持ち。
そして、成長するに従い、思春期を経て、友人、そして、パートナーへと対象が少しずつ移り変わっていったものです。

ところが、その欲求は満たされても、満たされなくても、相変わらず存在し続けるんですよね。

なぜかというと、欲求というものは満たされて、もういらなくなる、ということがほとんど無いからです。
朝ごはんを食べても、昼過ぎにはお腹がすくのと同じように。
昨日ぐっすり眠っても、今日もやはり眠たくなるのと同じように。

だから、愛されることを望み、その欲求を満たそうとするだけでは、いつも、心に不安を抱え、寂しく、虚しい気持ちを持つようになるのです。

でも、私達のそうした愛されたい欲求と同じくらい強く持つ欲求に「愛したい」というものあります。

実は私達は忘れているかもしれませんが、愛するために生まれてきたし、家族や友人やパートナーを愛したい欲求を強く持っているのです。

でも、幼児体験的に「どう愛されるか?」にばかり意識が向いてしまい、「どう愛するか?」については見逃してしまっていることも少なくないようです。

そして、「愛されるために、愛する」のような、“取引の罠”に陥ってしまっている方もいらっしゃるようです。

でも、事実、人から慕われ、パートナーから深く愛される人というのは、実に愛し上手で、いつも愛する事ばかりを考えている人なのかもしれません。

すなわち「愛されたくて、愛する」のではなく、「愛したくて愛していたら、結果、相手から愛されてた」という、そんな感覚なのかもしれません。

私達は与えたものしか、受け取ることはできません。
愛した分しか、愛を受け取れないのです。

でも、私達は生まれてきたときから、きちんとその能力を等しく全員が持っています。
それを思い出し、さらに磨きをかけていくことが、より愛し、愛されるアプローチになると思うのです。

今回は人間関係の基本形とも言えるパートナーシップにおいて、どうしたらもっとパートナーを愛せるのか?を考えていきたいと思います。

●まず、自立が必要。そして、相互依存に。

一般的に「愛されたい」という欲求が「愛したい」欲求を上回っているとしたら、それはパートナーに対して“依存”の状態であると言えます。

どうしたら愛されるのか考え、愛してくれない相手に不満を感じ、愛されない自分に自己嫌悪している、そんな状況です。

この心理状態では受身や待ちの状態になり過ぎて、怖れや不安ばかりが募り、どんどん悪循環に陥ります。
愛されたい欲求が、愛しなさいという命令や請求になり、相手から重たがられてしまうことも少なくないでしょう。

だから、パートナーをより深く愛するために、まずは「自立」が大切なのです。

自立というのはネガティブな意味では、一人で何でもやろうとし、欲求を抑圧してストイックになり、他人と競争の罠に陥りますが、一方では、自分で行動を選択する自由と、地に足が着いた安定感、そして、自分のことに責任を取れる成熟さなどのポジティブな意味も含んでいます。

それにパートナーシップというのは全て“イコールパートナー”。
すなわち、対等な関係ですから、どちらかがどちらかに依存する状態というのはイコールとはいえません。

ですから、まずは自分自身の足で立つこと。
もちろん競争や主導権争いといった罠も潜んでいますが、それが、パートナーをより深く愛するために必要なアプローチなのです。

そして、この自立を出発点に、お互いがお互いを尊重しあえる相互依存の関係へと成長していくのです。

 

>>>『パートナーをもっと愛するために~与えることと、手放すこと~』へ続く

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