魅力アップの心理学「きき上手」(3)~「訊き上手」になろう~

今回のテーマは「訊き上手」です。

相手に尋ねる・質問するという意の「訊く」というのは、人や状況によっては、心理的な抵抗から勇気が求められることがあります。
そうした抵抗を超えて「訊く」ことができる人というのは、強さと成熟さという魅力を持っています。
「訊き上手」になることで、これらの魅力をアップさせることができます。

●「訊き上手」になろう

今回は、「訊く」についてです。

「訊く」というのは、ここでは、相手に「尋ねる」「質問する」ということを言います。

「訊き上手」が魅力アップにつながるというのがイメージしにくい方もいらっしゃるかもしれませんね。

「訊き上手」が魅力アップにつながる要因というのは、大きく分けて3つあります。

1つ目は、「訊く」ことによって、自分の知らないことを知ることがでるということです。

誰もが日常の中で普通にしていることですが、自己成長のためには重要な役割を担っているのには間違いありません。

2つ目は、「訊く」ことによって、相手のことをより深く知ることができるということです。

前回の「聴き上手」の秘訣でも出てきた「相手に興味を持つ」ということができると、その相手に対しての疑問や質問というのが自然と出てくるようになります。

それを相手に訊くことで、相手の人は「自分に興味を持ってくれているんだ」と、うれしくなるんですね。
(もちろん、質問の内容と聞き方に大きく左右されますけどね)

「訊く」ことによって、二人の距離が縮まるのです。

そして、3つ目なのですが、これがもっとも重要な意味を持っているものになります。

「訊く」ことができる心の状態そのものが、魅力的なのです。

それはどういうことかというと、「訊く」というのには、時として勇気が必要になります。

「訊く」というのができるというのは、勇気があるということなんですね。

ちょっと想像してみていただきたいのですが、誰もが知っているであろうことを自分だけ知らなくて、それを誰かに訊く時、恥ずかしかったり、怖かったりするというのは想像がつきそうでしょうか?

思い切ってそれを訊いてみた時、「えっ、そんなことも知らないの…」とその人に言われてしまうかもしれないと想像すると、どんな気分になるでしょうか?

「自分がそれを知らない・わからない」でも「他の人はそれを知っている・わかっている」というのを認めて受け入れるのには、勇気がいります。

そしてそれを相手に訊くのには、もっと勇気が必要になります。

恥ずかしさや劣等感や屈辱感といったネガティブな感情が心理的なブロックになるのです。

知ったかぶりや逆ギレをすることなく、わからないことを「わかりません」と素直に言うことができ、「教えてください」と素直に人に頼むには、自分の無知と向き合って受け入れ、それをそのまま表現する強さと成熟さが必要なのです。

そうした点から見ると、「訊く」というのができるというのは、この強さと成熟さという魅力を備えているからこそできることであると言うことができます。

●「訊き上手」になる秘訣

「訊き上手」になるには、まずは、「訊く」ということをする時に感じる感情と向き合うことが重要になってきます。

訊くのが恥ずかしい、訊くのが怖い、訊くのは情けない…

そんなふうに、「『訊きにくいな~』と思いながら訊くとしたら?」と想像してみた時、どんな気持ちになるのか?というのを探してみます。

そして、「どうしてこんな気持ちになるんだろう?」と、そのルーツを探してみます。

ひょっとしたら昔、誰かに頼ることで傷ついたり、知らないことやできなかったことで叱られたりバカにされたりして傷ついたことがあったかもしれません。

そうして傷ついたままになっている部分があれば、それを癒していくことで、「訊く」ことに対する抵抗は少なくなってきます。

過去の辛い経験と向き合うのはしんどい部分もありますが、その一つ一つが、強さと成熟さをもたらせてくれるものになります。

>>>『魅力アップの心理学「きき上手」(4)~「利き上手」になろう~』へ続く

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