本当にやりたい仕事が見つかったが、勇気が出ない

相談者名
りこ
いつもお世話になります。
私は保育園でパート勤務をしている40代の主婦です。独身のときからこの仕事をしていましたが、結婚子育てで一時期離れていました。でも以前やっていた職種だし、子どもは好きなので、子どもの手が離れてきたと同時に、また保育園で働くことにしました。
子ども達にお遊戯や歌を教えるのは楽しいし、確かに子どもは好きなんですが、この仕事をしていて一番、(この仕事、いいなあ)と感じたのは
お母さんたちの相談を受けたり、面談や電話で悩みを聞いたりしていたときなんです。
もともとカウンセリングには興味がありましたし、私自身、いろいろな悩みを抱えて、こちらにお世話になったりもしています。でも、なんか怖いんです。自分にできるか自信がないんです。
それに年齢的にも遅いような気がするんです。

私の住んでいる所から東京、大阪に通うことは難しく、家庭や仕事の事情から平日に時間を作ることも難しいので、そちらの養成講座を受けたくても受けることができません。子どもが独立したら可能ですが、その頃には私は50歳になってます・・

いろいろあるサイトや養成講座も、本当に信用できるのかわからないですし・・できれば今から勉強を始めたいと思うんですが、自信がないのと、実際どうしたらいいのかわからないことで迷っています。
アドバイスをお願いします。

カウンセラー
池尾昌紀
りこさん
池尾昌紀と申します。
ご相談ありがとうございます。僕自身、はじめてカウンセリングサービスのカウンセリングで相談をした内容は「カウンセラーになるにはどうしたらいいか」でした。
今回、ご相談をいただき、その時のことを思い出しました。

カウンセリングサービスの母体である「神戸メンタルサービス」では、カウンセラー養成スクールを開校しています。
僕もそこで学び、カウンセラーになりました。
全国にはたくさんのカウンセラー養成スクールがあり、僕自身、自分が学んだスクールがすべてだとは思っていません。
もし、カウンセリングや心理学を学びたい、と思われるのでしたら、是非、ご自身で吟味して選んでいただけたらと思います。

今回は、僕の体験もふまえているため、当スクールの話を書かせていただきたいと思います。

初めに年齢についてお話させていただきたいと思います。
カウンセラーというのは、人生経験が豊富なほど、有利になる職業と言われます。
もちろん、それだけではありませんが、結婚、子育てを経て、再就職、というご経験を積まれておられることは、同じように悩んでおられる方はもちろん、これからこうしたことを経験する方にとっても、自分の体験談や乗り越えて来た話は説得力を持ってきます。

「神戸メンタルサービス」の養成スクールHPには、「先輩カウンセラーからのエール」(http://www.1counselor.com/cat_0504yell.html)というコーナーがあり、養成スクールを卒業してカウンセラーになったカウンセラー達が、カウンセラーを目指す方へのエールを書かせていただいています。
そこでは、若くしてカウンセラーになったもの、人生経験をたくさん積んでからなったもの等、それぞれの体験からカウンセラーになるまでの思いが語られています。
年齢が若いなら、若いからこそ言えるアドバイスもあり、経験が豊富だからこそ言えるアドバイスもあり、結局のところ、年齢は関係ないというのが答えではないでしょうか。
もしよかったら、参考までにお読みいただけたらと思います。

次に、養成スクールが遠方である、というお話ですが、僕もこれは同じで、当時は僕の住んでいる地域に養成スクールはなく、一番近い大阪まで休みを利用して通っていました。
当然、平日は仕事もあり行けませんので、都合のつく土日を使って通っていました。
「神戸メンタルサービス」の養成スクールは、カリキュラムの自由度が高いと僕は思います。
毎月必ず行かなければならないわけではありませんんし、開催日に都合のつく月に参加する形だったので、僕も通う事ができました。

主婦業も兼ねてやっておられる、りこさんには、自由度が、とても限られてしまうと思いますので、時間がないという悩みは大きいと思います。
けれど、同じような環境でもスクールに通っておられる方は何人もおられます。

りこさんがどれほど自由がきくか、また、お住まいの地域がどのエリアなのかわからないので、一概には言えませんが、場所や時間というのも、やりようによってはクリアできる方法があるのではないかと思います。
もしかしたらすでにお調べ済みかもしれませんが、入会の資料を取り寄せたり、遠慮なく事務所にご質問いただけたら、その不安は少なくなるのではないかと思います。

最後に、これが最も大切と思うのですが、本当に自分にできるか自信がない、というお話です。
これは僕もそうでした。

僕自身、カウンセラー養成スクールに通い出して一番痛感したのは、カウンセラーになる条件の最大のものは、自分を癒す、ということです。

自信がない、というのは様々な原因が考えられますが、「自分には価値がない」という無価値観を心の底にお持ちの方が多いように感じます。
無価値観のルーツは、幼少期に両親との関係の中で生まれると見る事もできます。

例えば、厳しい親に育てられ、褒められた経験がなく育つと、褒められない自分には価値がない、という観念を自分自身に身につけてしまいます。
ところが、こうした例のほとんどの場合、親は子どもを憎くて厳しく育てたわけではないので、幼少期のこうした体験を癒し、誤解を解く、つまり両親からの愛を受け取るということをやっていくと、実は愛されていたんだ、愛されていた自分は価値があるんだ、だから自信を持てる、という理屈になります。
とても簡単に書いてしまいましたが、実際には、これは大変な作業で、地道にこの癒しの道を歩いて行くことになります。

心理学を学ぶのに一番身近なサンプルは自分ですから、養成スクールでは自分をサンプルに、いろんな角度から自分に向き合って行くことをします。
そうする中で、自分も癒され、心理学を自分をモデルに学んで行くことになるわけです。

ですから、僕が痛感したのは、心理学を学ぶということは自分を癒すことであり、自分を癒していないのに他の方の癒しのお手伝いはできない、ということだったのです。

もちろん、僕自身が今、すでにすべての問題を癒せたとは思っていません。今も癒している最中です。また、心理学も学び続けています。
一生、学びと癒しを続けながら、クライアントさんと共に歩んでいくのがカウンセラーという仕事だと思いますし、仕事というのはどの職種でも同じような側面を持っているのではないかと思います。

僕は当初、務めていた会社を辞めてカウンセラーになろうと思っていたのですが、スクールに通い始めたことで、当時の仕事を続ける結果につながりました。
会社を辞めようと思っていたのは、カウンセラーになりたいからというより、会社から逃げたかったと気づけたこと。
また、スクールで学んだことが仕事に活かせるようになったことも大きかったです。
何より、自分を癒すことにつながり、そのことが、仕事をすることに役立ち、ひいては自分の人生を改めて見直す結果につながりました。

心理学はカウンセラーになるためだけに役に立つのではありません。
僕はそのままカウンセラーになる道を選びましたが、カウンセラーを目指すうちに、別の道を見つけたり、今の仕事が自分にあっていることに気がつくこともあります。

天職というのは、探し続けていたら、実は、今の仕事がそうだった、というのはカウンセリングの現場でもよくあることです。
まずは、ご自身のお仕事にもう一度向かい合っていく、というのは、自分の天職を見つける上で、最も大切なことのひとつです。
そのきっかけを与えてくれるというのが心理学の学びであるとも言えるように思います。

りこさんの就いておられる、保育士も素晴らしいお仕事だと思います。
自分の学びや成長に合わせて、もっと今よりいい仕事ができ、子ども達に接することができる。
そんなお仕事ではないでしょうか。

ですから、もう一度、ご自身の仕事と向き合ってみようと意欲を持たれてください。
そして、まずは一回、養成スクールのワークショップを体験されることをおすすめします。

その一回で、自分には合わないと思うかもしれません。
また、その一回で、自分のやりたいことだ、と思うかもしれません。

いずれにせよ、まず一回、体験することで、自分自身の気持ちに気がつけるきっかけになるかもしれないし、本当にやりたいと思ったら、その思いが難しい環境の中から通う方法を思いつくヒントを生み出すと思うのです。

りこさんの才能は、「誰かを助ける強い思い」だと僕は感じました。
実際に動いて感じてみることは、その才能を大切にすることにもつながると思います。

まず、動いてみる。

そして、感じてみてください。

ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。