やる気のない高校生。

相談者名
村田
高校1年の長男のことで相談です。
登校3日目に辞めたいと言い出しました。面白くない・高校に行っても意味がないと言うのです。
やりたい事も出来ないと。そのやりたい事とはギターらしいのですが、購入してからもあまり弾く姿を見ないので、辞めたい理由付けにしたかったのではと思います。
何とか説得して今は通ってますが、勉強をほとんどしません。テスト前も机に全然向かわず、宿題すらしません。
卒業してからの事も、大学も専門学校も行かない、就職もしないと言って、では何をするの?と聞いてもはっきりした返事はしません。
クラブにも入ってません。なんていうか何事に対しても意欲とかやる気なんかが見えないのです。
家にいても携帯ばかりいじって、だらだら過ごして生気もみえません。
中学時代には友達はたくさんいたのですが、今は作ろうともしてないように思えます。
どうしたら、長男にやる気と元気が出せるのでしょうか。
カウンセラー
中村ともみ
村田様へ

ご相談いただきありがとうございます。カウンセラーの中村です。

私にも息子が2人おりますので、人事ではない気分で読ませていただきました。
また、学校で事務方として20年仕事をしていたのでその位置からですが、生徒さんの様子を知る機会にもめぐまれていましたので、たまたま見聞きした部分のこともお話しできるかと思います。

子供が学校に行かない、行きたくない、と言うことは親にとっては相当しんどい思いになりますよね。せめて高校は・・・と思いますもの。本当によく解ります。でも、読ませていただいて感じたのは、息子さんが本当にしたいことがギターかどうかは別として、少なくとも行った高校にはあるとは感じられなかったのだと思います。実はうちの息子たちがやはり途中で高校に突然行きたくないと言い出したので、経験済みです。個々に学校に行きたくない気持ちや事情があるようですね。先日あるクライアントさんとお話をしていてびっくりしたのですが、彼は地元では「お坊ちゃん学校」として有名な私学に中学校から大学まで通っていました。ところが相当ひどいいじめに遭ったことがあり、その内容を聞いて親ならいたたまれないだろう、と話すと到底親には話せませんよ、と言うお答えでした。息子たちは私にはいろんな思いやできごとを話してくれ、自分で選ぶのであれば時間をかけてでも自分の生き方を探すだろう、と言う考えの元、長男は卒業式を目前に、二男は修学旅行を目前に、と言う時期にそれぞれ退学届を出しました。

今はと言いますと長男は知人の会社で働き始めました。色々思うことはあるようですがそれでも高校を卒業して流されてしまうことは今考えても無理だ、と言っています。

私自身が学校で働いていたこともあり、そういったことからも思うのですがどうやら、私たちが中高生であった時代よりも一見多様化しているように見えるのですが、逆に進路そのものがステレオタイプのようになっている気もします。子供が多様化していて、進路がそうなっていると言うことは、少しのことではみ出してしまう子供が増えている、と言うことでもあると思います。

かつて自分が18歳の頃、進路を考え進学して行く友達が殆どの中、本当に大学で何がしたいのか考えていたんです。したいこと、やりたい仕事は思いつきました。でも、遠いんです。更に、成績が良いから、と言うだけの理由から医学部へ進学をすると言う友人がおり、このことは私の人生観に大きな影響を与えていたな、と今は思います。進路ってそんな風に決めていいものだろうか。そう言う選び方をして医師になった人に私は診てもらいたいだろうか。そんなことまで考えたのですが、逆に私は自分の進路が見えなくなってしまいました。そして幸運なことに?父の会社が倒産し、半ばこれ幸いと、進学をしないことにしました。しかし、就職もちゃんとはしませんでした。その後、学校事務職員と言う地方公務員になるまでの5年間、バイトやボランティア活動、勉強(今の保育士の資格のためや音楽など)をすることになるんですが、心の中は親に言っても解ってもらえず、独りで抱えていたなあ、と思います。それでもやってこれたのは私個人の資質だけでなく周りに大切にされていたことや、今とは違う風潮と言うこともあったかも知れません。そして振り返ってみると、それで
「そして振り返ってみると、それでも親は待ってくれていたな、と思うんですね。まあ、あんたは一番聞かん子や、とか、それ以外にも相当むちゃくちゃ言われましたけどね。でもあの頃のことは、今の仕事にとても役に立っていて、人生何も無駄はないと今の私は思っています。」

ある時、チューリップの話をしたことがあります。

5つのチューリップの球根をプランターに植えます。土も水も日当たりも肥料も、全て同じ条件です。一つずつ芽が出ても全然芽が出ないのもあります。このチューリップはだめだった、と掘り返して捨ててしまうこともできます。でも、同じ様に水をやりながら見ていると、ある日芽が出だした。他のチューリップは可愛い花を咲かせています。でもこの子はまだようやく葉が生え始めたところ・・・。他の花の盛りが終わりかけた頃にこの花は咲くかもしれません、それも一番大きな花かも知れないのです。でも、掘り返してしまっていたら、あのチューリップだけはだめだった、と言うことしか残らないんですよね。あきらめないで育てていたら、こんなことだってあると思います。

息子さんを咲かないチューリップにしないためには今は待つことが大切ではないでしょうか。

何かのテレビ番組で拝見したのですが、中学時代の登校拒否を乗り越えて、10年も浪人して医師になった方がおられました。親御さんはどんな思いだったのだろう、と私は思いました。でも、彼が努力の果てに医師になったときにきっと「自分たちも息子も正しかった」と思われたのではないでしょうか。

やる気、と言うのは周りから与えられるものではないと思うのです。親にできることはせいぜい信じて見守ることくらいなのかもしれません。息子さんのこういう時期には、無理に何かをさせようと思うより時間をあげた方が良い時もあります。留年とか退学、と考えるとたぶんぞっとすると思いますが(私もそうでした)、息子さんの長い人生のほんの1~2年です。今は遅れをとっているように感じるかもしれませんが、それが案外良かったりする結果になることもあると思います

とはいえ、日々気苦労されていることと思います。
村田さん、そう言う時には遠慮なくそういった思いをぜひ聞かせて下さいね。まずは初回無料の電話カウンセリングでお待ちしています。

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