不倫の罪悪感と信頼

相談者名
にこ
こんにちは。
自分の感情と世間の評価、カウンセラーさん達からの言葉にギャップを感じ、何を信じていいか分からなくなってしまい、質問致しました。
私は5年前に当時付き合っていた彼の浮気発覚のショックから精神的支えを求め、1年ほど既婚男性と不倫関係になってしまいました。
関係があった初日から、罪悪感をずっと持っていたのに、なかなか別れることが出来ず、不毛な関係を続けていました。
何より自分の両親が同じ不倫が原因で離婚し苦しむ母の姿を間近に見て、私自身も家族に居場所を感じられず悲しんだのにも関わらず、同じ思いを他の誰かにさせている事、本当に自分が許せないです…
5年の間、何度かうつ症状で精神科にかかったり過食を止められなかったり、様々ありましたが、自分を大事にしていく中で症状は回復し今に至ります。

現在、付き合って半年強経つ大事にしたい彼がいますが、3か月前ほどに私の不倫の過去をお話しました。彼が私の過去の恋愛を知りたがり、ずっと隠してきましたが、「言ってくれなければ信用できない」と言われ話してしまいました。
彼はショックを受けつつも時間を掛けて受け入れてくれたように見えました。
許されたようでとても嬉しったのですが、些細な喧嘩をする度に過去の不倫の事を、男性遍歴を責めてくるようになりました。

「何でそんな気持ち悪いことが出来るのか」「人として信用できない」「そんな事をしてもまだ幸せを求めるのか」その他たくさん責められます。
カウンセリングに通う中で自分を許すということを良く言われ、「自分もそうするしか無かった、許されていい」と思うようになりましたが、世間の評価はやはり「一生背負って苦しみ続けろ」というものです。私自身も、幸せになる資格があるのか…許されていいものなのかと揺れ動きます。

彼は私の過去を聞いたことにショックを受け、それがトラウマになったと言います。私の過去に関する様々な悪い妄想など、私に払拭して欲しいと言います。それが私の責任だと、それを放棄するのは思い遣りが無い!と。
もちろん、彼を安心させて、信頼して欲しいと思いますが、私が何を言っても「嘘だ!」又はそこから更にネガティヴな妄想を広げてしまい、キリがありません。
彼とどう向き合って行けば良いのでしょうか、アドバイスをお願いしたいです。

カウンセラー
滝尾恵美子
にこさん、はじめまして。今回担当させていただく滝尾恵美子と申します。
どうぞよろしくお願いします。

>私は5年前に当時付き合っていた彼の浮気発覚のショックから精神的支えを求め、1年ほど既婚男性と不倫関係になってしまいました。

不倫の善悪はここでは脇に置いておくとして、不倫をもって傷ついた心を埋めずにいられないほど、
当時のにこさんは追い詰められてしまっていたのだと思います。
とってもとってもしんどかったんだろうなあ・・・と私は感じましたよ。
それにしても、うつ症状や過食などの症状からは回復されたとのこと、本当に良かったですね。

現在の彼からたくさん責められてしまうにこさんの現状について、読んでいて心が痛みました。
にこさん、しんどい中がんばっていますね。
激しく責められると、自分がどうしたらいいかよくわからなくなってしまいますよね。

にこさんは、上記のように彼から責められた時、どんな気持ちを感じていますか?
カウンセリングを受けて「自分もそうするしか無かった、許されていい」と思えるようになった気持ちは、彼から責められている最中、どこにありますか?
にこさんの心の中から消えてなくなってしまう感じですか?

もし、心の中から消えてなくなってしまうなぁ・・・と思うのであれば。
それは、にこさんの心の中で【罪悪感】が【許しの心】(私は幸せになっていい)を完全に凌駕してしまったということですね。
にこさんの心の中では、絶えず【罪悪感】と【許しの心】の戦いが起きています。
今のところは罪悪感が完全勝利しているようです。

目の前で起きている現実をそのまま見ると、
「彼が、にこさんを責めている」という図式に見えますが、実はそうではないのです。
ずいぶん不思議な話だと思われるかもしれませんが、
「にこさんが、彼を使って自分を責めさせている」というのが本当のところです。
罪悪感が強いと、無意識にですが他人を使って自分を責めさせてしまうということが起きるのです。

深層心理での話ですので、頭では意識していらっしゃらないと思いますが、
にこさんはどうも、「私は罪深い存在だから、みんなに自分を責めてほしい。幸せになる資格はないと言ってほしい。」と深層心理では思っていらっしゃるようですよ。
私達は、自己概念(自分が持っている自分像)と現実が食い違っていると、無意識のうちに居心地の悪さを感じます。
にこさんの場合は「私は罪深い存在」という自己概念があるので、「あなたは許されていい」と周りに言われるのは、実は居心地が悪いのだろうと思います。
逆に、彼のように自分を責める相手の方が安心できて都合がいいのです。自己概念通りのことを彼が伝えてくれるので、無意識ではしっくりくるのです。

深層心理って本当に不思議ですよね。
でも上で書いたような罪悪感は、にこさんが幸せになるためには役に立ちませんから、これから手放していきませんか?
手放す第一歩目としては、
「にこさんが、彼を使って自分を責めさせている」ということをしっかり理解することです。
「彼が、私を責めている」と思ってしまうと、状況を変えられるのは彼が変わらない限り無理・・・となってしまいます。
けれど実際はそうではありません。
「にこさんが、彼を使って自分を責めさせている」のですから、にこさんが変わることで現状突破できるのです。

ですので結局、にこさんは「彼とどう向き合って行けば良いのでしょうか」と書いてくださっていますが、
実は彼とどう向き合うかが問題なのではなく、自分自身(の中にある罪悪感)とどう向き合うか、なのです。
にこさんの心が変われば、現実は後からいずれ変化していきますから。

では、どうやって心を変えていくか。
まずはもう一度仕切り直して、「自分もそうするしか無かった、許されていい」という気持ちを持ち続けようと思ってください。
人はそんなに強くはないので、「私は許されていい」と何となく思った程度では、この気持ちを保ち続けることはできません。
ですのでここでは、何があっても自分を許し続ける覚悟が必要になります。
これは勇気が要りますよ。にこさん、この勇気を持つ覚悟はありますか?
覚悟ができていないと感じるならば、自分を幸せにしたいという意欲がまだ足りていないということです。
その場合は、自分を幸せにする意欲をアップさせることを当面の目標にされるといいと思いますよ。

日々、「私は許されていい」という言葉を、何度も何度も自分にかけてあげてください。
何をするにも「私を許してあげたい」という気持ちを持って臨んでみてください。
心から「私は許されていい」と思えなくても構わないんですよ。言葉の上だけでも構いませんから、とにかく「私は許されていい」という言葉に自分を触れさせてあげてください。
とっても地道でコツコツした努力になりますけど、こうした日々の積み重ねが後々の変化を生みます。

にこさんが罪悪感を強く持ってしまうのは、おそらく昔からの心の習慣なのではないかな?と思うんです。
習慣は変えるのに時間がかかります。「お箸の持ち方を変える」程度のことだって、根気よく取り組まないとなかなか変えられませんよね。
罪悪感を手放すのも、お箸の持ち方を変えるのと同じ「習慣を変える試み」だということを知っておいてください。
できるところから一歩ずつ、あせらずやっていきましょうね。
一人で取り組み続けるのは大変ですから、必要な時はいつでも私達カウンセラーがサポートします。
どんなに取り組んでも罪悪感をなかなか手放せない場合は、そのルーツになるような大きな出来事が過去にあったケースも多いので、そのご相談にも乗らせていただきます。

にこさんが自分を許したいと意欲的に思ってくださることを、心から願っています。
ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

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