人にいろいろ勧められて困ってしまう~気の遣い過ぎを解消しよう~

人に何かを勧められた時、はっきり「私はそれには興味がないから」と言える人もいますが、言えない人もいますよね。日本文化の中では一般的にはっきり断るよりもやんわりあいまいにぼかすことをよしとする伝統がありますから、難しい場面もあるでしょう。そんな時にどうしたらいいのでしょうか。

「興味がある・ない」ということを正面から言うことも悪くはありませんが、それが自分にはできないという場合には、ちょっとしたコミュニケーションのコツを使って、その場をかわすこともできます。

また一方で、こういうことで困ることが多くてストレスになるほどだとしたら、実は人に気を遣い過ぎているのかもしれません。気を遣い過ぎていると心が疲れてしまい、いつか限界がきてしまいます。もっと気楽に人と関われるようになるためにはどうしていけばいいのでしょうか。

◎リクエストを頂きました◎
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周りの人達からオススメの物(本、店、習い事、食べ物etc)を教えてもらうことが多いのですが、私の気分にはフィットしないことが多いので、「そういうのがあるんだね」「検討してみるね」などと、曖昧に答えてかわしています。

でも「一度使ってみたら~?」などとすすめられるのがもう面倒です。角の立たない表現を工夫したりするのが疲れます。とはいっても相手が気に入っている物を悪く言うのはもちろん、興味ない態度を取ったら、相手は不快な思いをしますよね?

欲しくもないものを買ったりは絶対にしないタイプなので、最後の一線はしっかり引けていると思いますが、人間関係を円滑にするための建前にエネルギーを割いている自覚があり、最近ストレスです。このようなケースのアドバイスをよろしければお願いします。

(一部編集させていただいております。)
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リクエストをいただきありがとうございます。

人から何かを勧められた時、「興味がない」ということをはっきりと伝えることは、日本文化の中では難しい感じがありますよね。そこをどうかわせばいいのでしょうか?

何かを勧められた時は、「興味がある」「興味がない」といったことを伝えるよりも、話題を変えたり広げたりしていく方がラクかもしれません。

相手が「この本面白かったよ、あなたも読んだら?」と言ってきたら、「へえ、そうなんだね、私は前に読んだ○○という本が面白かったよ」とか、「まだ読んでないけど、最近出た○○という本が読みたいの」などと、話題の方向を少し変えていくのです。

習い事であれば、自分がやっている習い事や、興味はなくても、「こんなびっくりな習い事があるんだって」というような話をしてもいいでしょう。

このように話題を広げていくには、テレビや雑誌の情報を取り入れて、話題にできそうなネタを自分の中で増やしておくことも大切です。

さて、ここまではすぐに実践できるような、いわばコミュニケーションのテクニックをご紹介したのですが、心理のもう少し深い部分にも立ち入ってみたいと思います。

リクエストの方は「人間関係を円滑にするための建前にエネルギーを割いている自覚がありストレスを感じる」ということをおっしゃっています。だとしたら、何かを勧められた場合にかぎらず、いろいろな場面で人に気を遣い過ぎているのかもしれません。そういう方はけっこうたくさんいらっしゃるかと思います。

日本が他国に比べて自分の意見をはっきり言わない文化を持つ国であったとしても、私たちはそれなりに自分の意見を表現しながら生活しています。態度や声の調子などが失礼なものでなければ、相手とは違う自分の意見や気持ちを伝えることで人間関係が悪くなるということはそうそうありません。

けれども心理状態によっては、自分の意見や気持ちを表現すると人間関係にひびが入って、一人ぼっちになってしまう、という感覚を持っている場合があります。そうすると必要以上に周りに気を遣ってしまい、とにかく表面上波風を立てないということに必死になり、疲れてしまうということになりがちです。

また、そういうコンディションであると、人からは「この人はやさしくて受け身だ」というふうに見えます。そういう人にはものを勧めやすいので、あれこれと勧められることが多くなってしまいます。

また、その他の人間関係でも、「やさしく受け止めてほしい人」が近付いてくる傾向があるので、自分としてはつきあっていて楽しくない人でも、知らず知らず無理して友人関係を維持していることがあるかもしれません。

もしそのような状態になっていたら、どうしたらいいのでしょうか。こういうことは感覚の問題なので、頭でわかってもすぐに行動を変えるのが難しいところがあるのですが、できることから手をつけていってみましょう。

まずは周りの人を観察してみましょう。

みんな意外と自分の気持ちなどをそれなりに表現しているはずです。時には相手がむっとすることを言ったりしたりすることもありまが、それで大きなトラブルになることはそうそうないはずです。

職場などには、「この人とあの人はどうにも気が合わない」という人もいると思います。それでもそれなりにやっているのではないでしょうか。「この二人が会議で一緒になると雰囲気が悪くなって困る」というようなこともあるかもしれませんし、それは周りに迷惑をかけることでもありますよね。でもそれはそれで何とかなるものです。

いろいろな小説を読んでみるのもいいと思います。

自分がしんどくなるほど気を遣い過ぎる状態になっていると、人と人との信頼関係や親密感というものがあまり感じられなくなっていることも多いのです。小説を読むと、信頼関係や親密感に触れる機会になると思います。

ノンフィクション小説は実際の出来事がベースになっているので、「人間こんな失敗をしてもいいんだ、何とかなるんだ」ということを考えるきっかけになるでしょう。

青春小説も、迷いながら人との距離をつかんでいく場面が多いので、いろいろ気付きがあると思います。森絵都さん、浅井リョウさん、橋本紡さんなどの作品が私は割合好きです。意外なところでは、児童文庫のムーミンシリーズなどもいいですよ。ムーミンの原作の内容はけっこう思索・哲学的で、しかも心を癒してくれるものがあります。

また、自分は何歳ごろからこんなふうに気を遣いすぎるようになったのか、ということも振り返ってみると、発見があるかもしれません。振り返っていく中で助けが必要だと感じれば、気軽にカウンセリングもお使いいただけたらと思います。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

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