観察する

ある有名な心理学者は、顔を見ただけで、その女性が妊娠しているかどうかわ
かったそうです。すごいですね。
それがわかることもすごいですが、なによりもすごいのは顔を見て妊娠を判別
しようと思ったことだと思います。
きっと、観察することで多くのことを知ることができると、心から信じていた
のでしょうね。
何が言いたいのかというと、わかろうと思って見るとわかることができる、と
いうことです。
普通の人が妊娠を判別できる力を身に付ける必要性はあまり無いと思いますが、
相手の気分や体調などをより深くわかることができたら、コミュニケーション
の質がさらに高まるのではないでしょうか?
あなたの身近に、「何を考えてるのかわからないなぁ」と思う人がいるかもし
れません。また、「もっとこの人のことを知りたいな」と思う人がいるかもし
れません。まずは、「もっとよく見てみたら、もっと深く知ることができるか
もしれないな」という意識を持ってみてください。
次に、どんな部分を見るかですね。
もちろんどの部分にもメッセージはあるのですが、それでは漠然とし過ぎてい
ると思うので例を挙げておきます。
「目は口ほどにものを言う」という言葉があるように、目にはいろいろなメッ
セージが込められています。穏やかな目や温かい目もあれば、冷たい目や疲れ
目などもありますよね。何かを思い出そうとしている時などは上のほうを向き
やすいですし、落ち込んだときはうつむきがちになります。
また、呼吸も意外と多くのメッセージを伝えてくれます。
面談カウンセリングなどでお見受けすると、主に胸の辺りが上下する人とや、
主におなかの辺りが上下する人がいらっしゃったりします。
緊張や安心感、興奮や痛みなど、感じているものによって呼吸の位置や深さが
変わったりすることは、よく観察してみるとわかったりするんです。
これらのメッセージを把握して適したコミュニケーションを取れたら、素晴ら
しいですね。
今回のお話は一般化できない抽象的な話です。個人差ももちろんあります。
一番大切なのは「相手をよく観察すれば、より深く理解できる」と思うことで
す。その意識が相手への理解をより深めることでしょう。
from 高橋 大

この記事を書いたカウンセラー

About Author

自己イメージの変革・男女関係・人生の目的 を探す、などの分野を得意とする。 心の力学をわかりやすく説明する理性的な側面と、多くの臨床経験を通して培った直感的な把握能力をもってするカウンセリングに定評がある。 長期的な支持を受けることも多く、長い目で見守るスタンスを重視している。